バーボンはアメリカンウイスキーの中でもっとも有名な種類のウイスキーです。バーボンについて簡単に説明すると、「原料の穀物中にトウモロコシを51%以上含み、内面を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成」させるという定義があります。(細かくはさらにアルコール度数の決まりなどもあります。)
バーボンウイスキーの市場で世界売上No.1を誇るのが「ジムビーム」。日本でも数年前まではタレントのローラさん、最近ですと俳優の賀来賢人さん・井桁弘恵さんが起用されたテレビCMをご覧になっている方も多いはず。
ジムビームブランドのスタンダードボトルが今回紹介する「ジムビーム (ホワイト)」です。正式には「ホワイト」はつきませんが、ラインナップ中の区別のために当ブログではジムビーム ホワイトとして紹介します。
- バーボン特有のクセが少ない。
- ハーブ系のスパイシーな爽やかさとほのかなバニラ。
- バーボン初心者でも飲みやすい。
ジムビーム ホワイトの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ジムビーム ホワイト |
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ビームサントリー |
取扱い | サントリーホールディングス |
参考価格 | 1,100~1,400円 |
ストーリー
ウイスキーに興味を持っている方であれば「ジムビーム」という名前を知らない人はいないでしょう。ジムビームはバーボン市場の4割を占め世界一の売上を誇り、120カ国で飲まれています。
ジムビームの創業者はヨハネス・ヤコブ・ボーム氏。名前から想像できるかもしれませんが彼はドイツ移民でした。アメリカ移住の際に英語読みにしてジェイコブ・ビームと名乗ることに。1795年にはウイスキー蒸留を開始し、以来ビーム一族によってジムビームの伝統が継承されています。
また、ビーム一族からは多くのウイスキー技術者やマスターディスティラーが輩出され、他社の蒸留所でも活躍してきました。
ジムビームは創業から200年以上もの間バーボンをつくり続けています。さらにビーム一族によるバーボン業界への貢献は多大で、“ビーム家の歴史はバーボンの歴史”といわれています。
「ジムビーム」のブランド名は4代目のジェームズ・B・ビームの愛称からつけられました。彼はアメリカ禁酒法時代の影響で低迷していたバーボン業界とビーム一族を復活させた立役者です。
ジムビームのスタンダードボトルでバーボンの定番ともいえるのが無印のジムビームです。ジムビーム ホワイトともよばれるこのボトルは熟成年数4年で、公式サイトではオススメの飲み方にハイボールが推されています。日本でもいまではジムビームハイボールを注文できる居酒屋がかなり多いですね。
ジムビーム ホワイトのテイスティングレビュー・評価
ジムビーム ホワイトの特性レーダーチャート
ジムビーム ホワイトの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
同価格帯のスコッチ、アイリッシュ、ジャパニーズウイスキーに比べるとバーボン特有の個性は感じますが、バーボンの中では個性は抑えめでバーボンを飲み慣れていない方でも飲みやすい酒質です。
香りからはバーボン特有の接着剤臭は感じるものの弱く、それよりも酸をともなう木の香りを感じ取れます。バニラ香も弱めです。
口に含んでみると軽快でハーブのようなスパイシーな爽やかさ、バニラの甘味とともにカラメルのような苦味を感じます。香りで感じられた酸味はそれほど感じられず、木の風味と少しだけチョコレートのような風味も感じます。全体的にうすめではありますがバランス良くまとまっている印象です。
余韻はやや短く、苦味が抜けた後の穀物由来の優しい甘味が残ります。
アルコールのピリピリした刺激はありますが、ハーブのようなスパイシーさと合わさってそれほど気になりません。個性は少なくフラットな味わいですが、バーボン初心者には飲みやすいでしょう。
ジムビーム ホワイトの飲み方別 オススメ度(5段階)
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:
数滴の加水で苦味が弱まり甘味が強まります。アルコール刺激や木樽感も弱まり、飲みやすくなります。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
アルコール刺激はかなり弱まり、接着剤臭も抑えられます。
心地良い苦味が感じられまろやか。とうもろこしの風味も感じられます。
ハイボール オススメ度:
苦味、雑味が減り、柔らかな甘味と酸味を感じやすくなります。全体的に味わいが引き締まり、爽快なハイボールが楽しめます。
ホットウイスキー オススメ度:
ストレートで感じられた弱めの接着剤臭が変化し甘く華やかになります。軽やかで少しメロンのような風味と鼻から抜けるとうもろこし由来の穀物の風味が楽しめます。
ジムビーム ホワイトとフォアローゼズとの比較
同価格帯で同じく日本企業が所有しているバーボンといえばフォアローゼズです。どちらも日本では有名なバーボンですのでその香りと味わいを比較してみました。
ジムビーム ホワイトとフォアローゼズの特性比較レーダーチャート
ジムビーム ホワイトとフォアローゼズの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ジムビーム ホワイト | フォアローゼズ | |
---|---|---|
特性 | 特出した個性はないが飲みやすい | 深みはないけれど飲みやすい |
特徴 | ・バニラの風味は強くはないがしっかり感じられる ・弱めの接着剤のにおい ・ライトボディ | ・華やかでフルーティー ・弱めの接着剤のにおい ・ライトボディ |
どちらの銘柄も接着剤のにおいは弱め、ライトボディで飲みやすいという共通の特徴があります。あえて挙げるとジムビーム ホワイトはバニラを感じやすく、フォアローゼズはバニラとともに華やかさがあるといったところです。
普段はスコッチやジャパニーズを飲み慣れていてバーボン初挑戦の方にはジムビームホワイトやフォアローゼズはクセが少なく飲みやすいでしょう。
感想・まとめ:バーボン沼へのはじめの一歩、ボトル一本空けた頃に新しい世界が。
アメリカンウイスキーの中でも知名度の高いバーボンウイスキー。世界一のバーボン売上を誇る銘柄ジムビームのスタンダードボトル「ジムビーム ホワイト」を紹介しました。
世界一売れているということはどういうことか、それは”世界一飲みやすいから”に他ならないのではないでしょうか。バーボンに飲み慣れている方からすると物足りなさもあるかもしれませんが、これからバーボンを飲んだみたいという方には入門として最適なバーボンの一本であることに間違いないです。
バーボンの性質として、最初は飲み慣れない香り・味わいに戸惑うこともありますが、ボトルを一本空ける頃にはバーボンが好きになっているということがあります。そうなるとさらにクセのあるバーボンが飲んでみたいと感じるようになってくるから面白い!
ぜひこれからバーボンに挑戦したい方はジムビームホワイトをお試しください。
- バーボンウイスキーに挑戦してみたい方はまずこの一本。
- 1,000円台でクセが少なく飲みやすいバーボンをお探しの方。
- 普段のハイボール用にリーズナブルで爽やかでほのかに甘いウイスキーをお探しの方。
- すでにワイルドターキーやI.W.ハーパーなどのバーボンを好んで飲まれている方には物足りないでしょう。
- どしても接着剤のにおいに耐えられない方。