今回紹介する「ティーチャーズ ハイランドクリーム」は、僕が最もよく飲むウイスキーです!
リーズナブルでありながらスコッチ独特の味わいをしっかりもち、どこでも買える宅飲みに最適な1本です。
1,000円前後という低価格帯のウイスキーの中でダントツの飲みやすさ・おいしさだと個人的に思っているスコッチブレンデッドウイスキーです。
- 1,000円前後なのにしっかりとしたスコッチらしさが味わえる。
- リンゴの風味と焚き火のスモーキーさがクセになる。
- 普段飲みのハイボールに最適。
ネット通販で買うよりも、お近くのお店で買った方がお得です!
ティーチャーズ ハイランドクリームの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ティーチャーズ ハイランドクリーム |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
キーモルト | アードモア |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ウィリアム・ティーチャー&サンズ社 |
取扱い | サントリー |
参考価格 | 900~1,300円 |
ストーリー
ティーチャーズの創業者は、ウィリアム・ティーチャーです。ティーチャーズ(Teacher’s)は創業者の名を冠したウイスキーです。
ティーチャーズのウイスキーは「スコッチの教師」と言われていました。それはウィリアムの名ブレンダーとしての才能に加えて、厳格・誠実・正義感が強いという人格によるものです。ウィリアム・ティーチャー&サンズ社の基本理念「自らの努力と自由を愛し、社会正義と人間の尊厳を大切にする」はウィリアムの信条そのものです。
ウィリアムは1830年にのちの妻となる女性の母親が経営していた、グラスゴーの小さな食料雑貨店に雇われました。ウイスキーが大きなビジネスになると考えたウィリアムは女主人を説得して酒類販売免許を取らせ、女主人の娘と結婚した1834年には自身の名前である「ウィリアムティーチャー」と名付けたドラムショップ(≒ワンショットバー、ドラムは“1杯”のこと)を開店しました。その時の看板に使われていたマークは現在もティーチャーズ ハイランドクリームのスクリューキャップに描かれています。
1851年にワイン・スピリッツ商として登録して店は繁盛し、ウィリアムは当時誕生したばかりのブレンデッドウイスキーに取り組みました。ブレンダーとしての経験を積み、オリジナルブレンドの小売りとドラムショップでの提供でさらに大成功を収めました。
1960年に蒸留酒法が制定されブレンデッドウイスキーの製造が法的に可能になりました。以前からオリジナルブレンドの探求をしていたウィリアムはすでに数多くのレシピをつくっており、自らが求める高品質で完璧なブレンデッドウイスキー「ハイランドクリーム」が誕生しました。ティーチャーズ ハイランドクリームという銘柄が正式に登録されたのは1884年で、ウィリアムの死後二人の息子に事業が引き継がれてからのことです。ハイランドクリームはモルト原酒がふんだんに使われ、その比率は当時のスコッチとしては破格の45%以上であり、これは現在も守られています。
ブレンデッドウイスキーのモルト比率は通常20~30%前後だといわれています。それを考えるとティーチャーズのモルト比率の高さは素晴らしいですね♪
息子たちが引き継いだ後も事業はますます発展し、急増する需要とモルト原酒の確保のために着手したのが新たな蒸留所の建設でした。
それがスコットランドの北、ケネスモントにある1898年に設立したアードモア蒸留所です。アードモア蒸留所のモルト原酒は焚き火のようなスモーキーな香りが特徴です。アードモアで使用しているピート(泥炭)はすべて蒸留所の地元産(直線距離で約60km離れたセントファーガスで採れる)で、スモーキーウイスキーとして有名なアイラ島のピートとは異なり潮の影響を受けていないためヨウ素や潮っぽさがありません。
ウィリアム・ティーチャー&サンズ社はその後も発展を続け、1960年にはアードモア蒸留所の近くにあるグレンドロナック蒸留所の買収にも成功しました。
ティーチャーズ ハイランドクリームのテイスティングレビュー・評価
ティーチャーズ ハイランドクリームの特性レーダーチャート
ティーチャーズハイランドクリームの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
リンゴや少し洋ナシを感じる爽やかなフルーティーさと焚火のようなスモーキーさ、優しい穀物の甘さがとても相性良く共存しています。一方でアルコール刺激とわずかに金属臭を感じます。ボディはライト寄りのミディアムで、口に含んだ瞬間に感じる風味が強めなので余韻も期待してしまうのですが、余韻は短くピリッとした辛さが残りました。
アルコール刺激と金属臭は開栓してから時間が経つと少し落ち着きますので、ストレートで飲んでみたい方は、液量がボトル半分位になってからお試しいただくとよりおいしく楽しめます。
ティーチャーズ ハイランドクリームの飲み方別 オススメ度(5段階)
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 3 |
加水 オススメ度:
数滴の加水で甘味とスモーキーさが強まります。アルコール刺激はかなり弱まり、とても飲みやすくなります。
ロック オススメ度:
焚き火のようなスモーキーさが強まります。甘味は少し抑えられ、やや苦味が強まりますが、いやな苦味ではありません。
「ほのかなビターさで大人の味わい」といったところでしょうか。
ハイボール オススメ度:
ティーチャーズ ハイランドクリームがもっとも本領発揮する飲み方です。
炭酸のシュワシュワにのってリンゴとスモーキーさがとても心地良く感じます。ストレートで感じていたアルコール刺激と金属臭は感じません。
そして個人的なオススメなのですが、ご自宅にリンゴがある場合はリンゴのスライスを入れてみて下さい。ハイランドクリームのリンゴ感との相性はバッチリです。おつまみにリンゴでも美味しいですよ♪
リーズナブルさもあって、ついついハイボールで飲み過ぎてしまいます♪
ホットウイスキー オススメ度:
一般的に温度が高くなると甘味は強まるはずなのですが、ティーチャーズ ハイランドクリームはホットにすると甘味は抑えられ、スモーキーさも弱まりました。
穀物感と苦味が強まり、ストレートよりも飲みやすくはありますが、ティーチャーズ ハイランドクリームとしての個性が乏しくなりました。
感想・まとめ:普段の宅飲みには欠かすことができないコスパ最高ブレンデッド
神コスパでフルーティーさと焚火のようなスモーキーさがおいしく、宅飲みの普段飲みに最適な「ティーチャーズ ハイランドクリーム」を紹介しました。
このウイスキーは結構販促に力を入れています。人気俳優の大泉洋さんをCMに起用していますし、たまにグラス付きでスーパーや酒屋さんに並んでいます。価格を考えてもグラスなんておまけを付けてもうかるのかなんて余計な心配してしまいます。
コンビニでも買うことができる入手しやすいウイスキーですが、そのリーズナブルさからは想像できない素晴らしい完成度のスコッチブレンデッドウイスキーです。
今回レビュー記事を書いた7月現在で、今年4本目の開栓になりました(笑)
ハイボールがおいしすぎます!