この記事にたどり着いたみなさんは、きっとシングルモルトウイスキーの定番“ザ・グレンリベット”を代表するボトル「ザ・グレンリベット 12年」がお好きで、「ザ・グレンリベット 15年」の味わいが気になる方のはず。ザ・グレンリベット 12年はバランスの取れた味わいで、ウイスキー初心者にもオススメな飲みやすさとフルーティーさをあわせ持つウイスキーです。この記事では、ザ・グレンリベット 15年の熟成やテイスティングレビューについて、12年と比較しながら詳しく紹介していきます。
はじまりのシングルモルトとも呼ばれる「ザ・グレンリベット」。12年がお好きであれば、15年もきっと好きになると思いますよ!
- 濃厚なフルーティーさと華やかさが魅力
- アルコール刺激やスモーキーさがほとんどない
- ザ・グレンリベット 12年と比べて、より複雑でリッチな味わい
記事の後半では、「ザ・グレンリベット 12年」とのテイスティング比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ザ・グレンリベット 15年の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ザ・グレンリベット 15年 |
原産国 | スコットランド(スペイサイド) |
蒸留所 | ザ・グレンリベット蒸溜所 |
分類 | シングルモルト |
仕込み水 | ジョージーの湧き水 |
アルコール度数 | 40% |
主な熟成樽 | フレンチリムザンオーク(フィニッシュ) |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 約7,000~8,000円 |
ストーリー
「ザ・グレンリベット」は、スコットランド・スペイサイド地方の蒸留所です。スペイサイド地方は、スコットランドの中でも特にウイスキー造りが盛んな地域として知られており、多くの蒸留所が集まっています。
グレンリベット蒸留所は、ジョージ・スミスによって1824年に設立されました。創業以来、伝統的な製法を守りながら、高品質なウイスキーを造り続けていて、スコッチのシングルモルトの売上世界第一位を同じスペイサイドのグレンフィディックと競い合っています。
グレンリベットのウイスキーの特徴は、フルーティーで華やかな香りと、スムースでエレガントな味わいです。これは、厳選された原料と、スペイサイドの清らかな水、そして熟練の職人たちによる丁寧な製造工程によって生み出されています。
グレンリベット 15 年に使われている原酒の一部は、リムザンオーク(フレンチオーク)で熟成させています。
ザ・グレンリベットで使用しているリムザンオーク(フレンチオーク)は、フランスのドルドーニュ地方にあるリムザンという地域で伐採されたもので、ワインやコニャックの熟成によく使用されます。木目が粗く密度が低いため、熟成中にウイスキー原酒が木の奥深くまで浸透し、原酒にリムザンオークの成分が溶け出しやすい特徴があります。
リムザンオークはタンニン含有量が多いため、ワイン熟成の場合、新樽での熟成は1年以内で終え、残りの熟成は古樽へ移すのが一般的のようです。ウイスキーにおいてもリムザンオークでの熟成は慎重に管理する必要があり、それによって独特で心地よいスパイシーさが得られます。
ザ・グレンリベット 15年のテイスティングレビュー・評価
ザ・グレンリベット 15年の特性レーダーチャート
ザ・グレンリベット 15年の特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香り
フルーティーで華やかな香りが強く、酸味のあるブドウ、はちみつ、そしてクリーミーさが感じられます。アルコール刺激はありません。
味わいと余韻
口に含んでみると、非常に滑らかな口当たりで、第一印象はブランデーのようだと感じました。フレッシュ感のあるブドウと桃、ネーブルオレンジのような甘い系のオレンジを足して3で割ったようなフルーティーさを強く感じ、花のような華やかさ、コクのあるはちみつ、クリーミーさが絶妙に調和しています。鼻から抜ける香りには何かしらのハーブ感があり、複雑で芳醇な味わい。スモーキーさやアルコール刺激はほとんどありません。
余韻はやや長めで、僕の感覚で50秒ほど。口に含んだ瞬間から、ブドウ・桃・オレンジのフルーティーさ、華やかさ、はちみつ、クリーミーさを感じることができ、数秒遅れてハーブを感じるように。はちみつとクリーミーさとハーブは30秒を過ぎたあたりから消えていきますが、フルーティーさと華やかさは最後まで楽しめました。
アルコール度数は40%で、トータルの味わいはそこまで濃いわけではありませんが、とても複雑でまろやかな飲み心地です。
ザ・グレンリベット 15年の飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 5 |
加水 | 3 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:
数滴の加水で、一気に薄まってしまった印象です。飲みやすいのですが、水っぽくなってしまいました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
冷やしているのにグラスに近づくとフルーティーさが強く感じ取れる。フルーティーさと柑橘系の苦味が強まり、クリーミーさとのバランスが楽しめます。甘味は弱まり、ビターさが目立ち、ストレートとはかなり異なる印象に。氷が溶けていくと苦味が落ち着いていきフルーティーさと華やかさが、ゆっくり味わいながら変化を楽しめる。
ハイボール オススメ度:
ブドウのみずみずしいフルーティーさ華やかさ、クリーミーさが楽しめるハイボールです。後味に感じることができるわずかな酸味が、爽快な飲み心地にしてくれています。
飲み込んだ後に鼻から抜けるハーブとはちみつが心地良いです。
ぜいたくなハイボールで一日の疲れを癒したい時に、少し濃いめに作って
ホットウイスキー オススメ度:
まろやかで、甘くクリーミーな余韻のホットウイスキーです。ウイスキー:お湯=1:2くらいの濃さがオススメ。
お湯を加えた直後は華やかでフルーティーな風味が楽しめますが、時間が経つにつれて消えていき平坦な風味になってしまいます。ゆっくり楽しむには向いていませんが、ぜひ一度は試してもらいたい飲み方です。
ザ・グレンリベット 15年とザ・グレンリベット 12年との比較
ザ・グレンリベットのレギュラーボトルであり、当ブログの基準シングルモルトでもある「ザ・グレンリベット 12年」と飲み比べしました。
色合いにそれほど違いはなく、わずかに15年の方が濃いです。
ザ・グレンリベット 15年とザ・グレンリベット 12年との特性比較
ザ・グレンリベット 15年とザ・グレンリベット 12年との特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ザ・グレンリベット 15年 | ザ・グレンリベット 12年 | |
---|---|---|
特性 | 香り・味わいともに豊かで複雑、フレッシュ感と熟成感が共存している | 香り・味わいともに豊かでまろやかにまとまっている |
特徴 | 〇スモーキーさはほとんどない 〇ブドウ・桃・オレンジのフルーティーさと華やかさ、はちみつ、ハーブが印象的 〇クリーミーでコクがあるミディアムボディ | 〇スモーキーさはほとんどない 〇穀物やバニラやはちみつ等の甘さが強く、華やかさがある 〇クリーミーでコクがあるミディアムボディ |
単体で飲むとそれほど気になりませんが、並べて比較しながら飲むと、12年は香りに草のニュアンスがあります。15年にも多少感じ取れますが、12年の方が少し強め。(飲み比べてちょっと感じる程度です)
12年はフルーティーさというよりも穀物の優しい甘さやはちみつ感による甘いニュアンスです。一方で、15年はより熟した甘い果実感が強く、ブドウや桃、ネーブルオレンジといったフルーティーさが感じ取れました。これは15年に使われている一部の原酒がリムザンオーク樽でフィニッシュされていることが影響しているものでしょう。
ザ・グレンリベット 12年はバランスがとれている優等生シングルモルトです。ザ・グレンリベットをもっと深く知りたい方は、さらに長熟の15年を強くオススメします。
感想・まとめ:ザ・グレンリベット 12年が好きなら、次はコレ!
スコッチ・シングルモルトウイスキーの定番「ザ・グレンリベット」から、「ザ・グレンリベット 15年」を紹介しました。ウイスキーがお好きな方は、きっとレギュラーボトルのザ・グレンリベット 12年を飲んだことがあると思います。15年はまだ飲んだことがなく、いったいどんな味わいなのか気になっている方は多いのではないでしょうか。きちんとザ・グレンリベットらしい調和のとれた味わいとクリーミーさ、より複雑で芳醇な熟成感が味わえるオススメの一本でした。
安いボトルではありませんので、購入の前にバー、酒販店での有料試飲、量り売りで飲んでみるのもいいと思います。
- 「ザ・グレンリベット 12年」が好きで、もっと深くザ・グレンリベットを知りたい方
- フルーティーで華やかなウイスキーが好きで、さらに複雑な味わいを楽しみたい方
- スモーキーさのない、上質なシングルモルトウイスキーを探している方