世界的に有名なブレンデッドスコッチウイスキーブランド:シーバスリーガルの中で、ユニークな製品群の「エクストラ 13年」シリーズ。その中で原酒の一部をラム樽で熟成させたのが「シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク」です。ラベルデザインは、シェリー樽の故郷スペインからインスパイアされたもので、どこか陽気さを感じさせます。

発売当初はEコマース限定商品でしたが、今では実店舗で販売しているところもあります。Amazonではセール対象品になることが多いですよ。
この記事では、シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの製法、味わい、オススメの飲み方などを解説します。
- 黒糖とカスタードクリームのコクのある甘さ、わずかなトロピカルフルーツ感
- シーバスリーガル特有の芳醇でまろやかな飲み口
- Amazonのセールを狙うとコスパ良い


記事の後半では、シーバスリーガルのスタンダードボトル「シーバスリーガル 12年」、同じくエクストラシリーズである「シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | ストラスアイラ |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 3,500~5,000円 |
概要
キングストリート13番地へのオマージュ
13年という年数表記は、ウイスキーの中ではあまり見かけないものです。これは、シーバス・ブラザーズ社の前身にあたる高級食料品店創業の地、スコットランド・アバディーンの「キングストリート13番地」が由来となり、「13年」に設定されたものです 。さらに、シーバスリーガルの代表ボトルであるシーバスリーガル 12年よりも1年長い熟成年数という「エクストラ」な内容になっています。
ラム:サトウキビを原材料とした蒸留酒


「シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク」の「ラム」とは、世界の4大スピリッツの1つであるラム酒のこと。発祥地はカリブの島バルバドスといわれていますが、今では世界中の様々な地域でつくられています。原材料はサトウキビで、世界のラムの8割はサトウキビから砂糖をつくる時に取り除く「糖蜜」を原料としています。糖蜜をアルコール発酵させ、連続式蒸留機で蒸留しアルコール70%のラム原酒が得られます。
ラムには、「ホワイトラム」、「ゴールドラム」、「ダークラム」の3つの呼称があり、樽熟成させない無色透明のラムを「ホワイトラム」、樽で3年未満熟成したラムは「ゴールドラム」、樽で3年以上熟成したラムは「ダークラム」と呼ばれます。ラムは原材料サトウキビ由来の砂糖を焦がしたカラメルのような甘くほろ苦い風味が特徴です。
ラムカスクフィニッシュの技術:甘みと深みの創造


シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの味わいの核心を成すのが、カスクフィニッシュという製法です。カスクフィニッシュとは、初期熟成を終えたウイスキーを、短期間、異なる種類の樽に移して追加熟成させる手法を指します。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクでは、ウイスキー原酒の「一部」を、かつてラム酒の熟成に使用された樽に移し替えて、さらに一定期間熟成させています。このコントロールされたアプローチを経ることで、シーバスリーガル本来の芳醇でまろやかな味わいを崩すことなく、ラムカスク特有の個性が加わり、全く新しい風味のハーモニーが生まれます 。



同じエクストラ 13年シリーズの「オロロソシェリーカスク」はカスクフィニッシュではなく、「選択的熟成」という手法が用いられています。風味の追加のために使う樽によって、熟成方法を変えているんですね。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクのテイスティングレビュー・評価
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの特性レーダーチャート


シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)


香り
軽やかなフルーティーさがあり、クリーミーで甘い香りが印象的。湿った木のニュアンスも感じられました。
味わいと余韻


口に含むと、カラメルや黒糖、カスタードクリームを強めに感じ、弱めのプラムや、なんのフルーツかは特定できませんがトロピカルフルーツも感じられます。なかでも口に含んで数秒おいてからの黒糖の風味は、強く感じられました。苦味もあり、コクのある甘さと良いバランスで、アルコール刺激は少なく、とてもまろやかで、ストレートでも飲みやすい仕上がりです。スモーキーさはほとんどなく、あえて言うならカラメルの焦げ感のようなものがスモーキーな風味として感じられるかもしれません。



開栓直後はまだ、ウイスキーが“開いて”いない状態でやや平坦な味わいでしたが、毎日少しずつテイスティングしていると、3,4日後には“開き”、トロピカルフルーツ感がでてきました。
余韻はやや長く、僕の感覚で60秒程度。口に含んですぐにカラメル、カスタードクリームが感じられ、やや遅れて黒糖、その後にトロピカルフルーツやプラムが感じられます。トロピカルフルーツとプラムは中盤までに消え、カラメルとカスタードクリーム、黒糖は最後まで楽しめました。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスクの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
![]() ![]() ストレート | 5 |
![]() ![]() 加水 | 5 |
![]() ![]() オン・ザ・ロックス | 5 |
![]() ![]() ハイボール | 5 |
![]() ![]() ホットウイスキー | 2 |
加水 オススメ度:


よりフルーティーさが増し、ストレートでは弱かったプラムを感じやすくなりました。黒糖も強まり、ラムカスクフィニッシュによる風味が強まりました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:


全体的なフルーティーさが増します。ロックにすると苦味が増えることが多いのですが、コレは苦味が少なく、鼻から抜ける優しい黒糖の風味が心地良いです。
ハイボール オススメ度:


ウイスキーとラムの特徴がバランス良くマッチした、とても飲みやすいハイボールです。他の飲み方もオススメですが、ハイボールは必ず試していただきたい飲み方です。
炭酸によるわずかな酸味が加わることで、トロピカルフルーツ感が強調され、黒糖やカスタードクリームの甘い風味はありながらもキリっとした飲み心地が楽しめます。
ホットウイスキー オススメ度:


お湯割りにした直後はトロピカルフルーツや黒糖の風味を感じやすいのですが、時間が経つにつれて風味が一気に薄れていきます。風味が薄れた後は苦さが目立ち、かなりバランスが崩れてしまいました。
シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスクとシーバスリーガル 12年との比較


シーバスリーガルのスタンダードボトル「シーバスリーガル 12年」と、同じくエクストラシリーズから「シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク」と比較しました。
シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスクとシーバスリーガル 12年との特性比較


シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスクとシーバスリーガル 12年との特徴比較
これら3銘柄に絞った比較表を用意しました。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク | シーバスリーガル 12年 | シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク | |
---|---|---|---|
特性 | まろやかでコクがある | まろやかでコクがある | まろやかでコクがある、風味が豊かでリッチ |
特徴 | 〇黒糖、カスタードクリームの甘さ、わずかにトロピカルフルーツ 〇スモーキーさはほとんど感じられない 〇ミディアムボディ | 〇リンゴ、はちみつ、レーズン、カスタードクリームの甘さ 〇スモーキーさはややある 〇ライト寄りのミディアムボディ | 〇スウィーティーのような甘い柑橘、メープルシロップ、甘栗のニュアンスも 〇スモーキーさはほとんど感じられない 〇ミディアムボディ |
3銘柄ともにシーバスリーガルの骨格である、まろやかでコクのある味わいをしっかり感じられます。その上で、よりリッチさを感じたのは、エクストラ 13年 オロロソシェリーカスクでした。これに関しては、カスクフィニッシュではなく、原酒の一部をオロロソシェリー樽で13年熟成させてブレンドしていることで、樽の個性を引き出せているのでしょう。
エクストラ 13年 ラムカスクは3銘柄の中でもっともカラメルの風味が強く、カラメル由来のような苦味を感じました。エクストラシリーズは2銘柄とも、12年よりも味わいが豊かに感じられますが、そこまで大きな差があるわけではありません。2銘柄ともにラム樽やシェリー樽の個性をほんのりと加えて、熟成感もアップさせたという印象です。



シーバスリーガル 12年をお好きな方は、きっとエクストラ 13年のラムカスク、オロロソシェリーカスクどちらもおいしく楽しめますよ。
シーバスリーガル 12年と13年 オロロソシェリーカスクは、Amazonのセール対象常連品です。13年 ラムカスクは2025年5月現在でAmazon在庫がなく(あっても高額に出品されています)、楽天市場では約3,800円+送料で出品されています。
感想・まとめ:穏やかなラム感がシーバスリーガルブレンドとマッチ
スコッチブレンデッドウイスキーの定番シーバスリーガルシリーズから「シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク」を紹介しました。ラム樽熟成感は控えめですが、黒糖やカラメル、トロピカルフルーツの風味とほろ苦さがあり、スコッチブレンデッドウイスキーとラムの特性が違和感なくマッチした味わいでした。



店頭でも売っていることがありますが、やや高価格設定のことが多いです。購入検討の方は、楽天市場などのEコマースを利用するといいでしょう。
- シーバスリーガルファンで、リッチな味わいを求めている方
- ラム樽のカスクフィニッシュに興味があり、程よいラム感が味わえるウイスキーを探している方
- ギフトとしても見栄えのするウイスキーを探している方







