レビュー|ブッシュミルズ 12年|コクのあるフルーティー&バニラの味わい

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【レビュー】ブッシュミルズ 12年

なめらかで飲みやすい味わいが人気のアイリッシュウイスキー。中でもブッシュミルズ は、その代表格として有名な銘柄です。ブッシュミルズシリーズの中で、「ブッシュミルズ 12年」は、「ブッシュミルズ 10年」(コスパが良く、ウイスキー初心者にもオススメ)の次に熟成年数が長いシングルモルトウイスキー。この2銘柄の違いが気になる方もいるのでは?

らま

約5,000円と高価格帯のウイスキーですが、個人的には自分へのご褒美やプレゼント用としてオススメしたい銘柄です。

ブッシュミルズ 12年」はこんなウイスキー

  • 味わい豊かなフルーティータイプのシングルモルトウイスキー
  • アップルパイやバニラ、ハーブ、はちみつなどの甘い風味が楽しめる
  • ハイボールにすると、トロピカルフルーツ+バニラの風味がクセになる

記事の後半では、同じブッシュミルズシリーズの「ブッシュミルズ 10年」、「ブラックブッシュ」との比較もしています。ぜひ最後までご覧ください。

目次

ブッシュミルズ 12年の基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄 ブッシュミルズ 12年
原産国 アイルランド
蒸留所ブッシュミルズ蒸留所
分類シングルモルト
仕込み水セント・コロンパの泉
主な熟成樽バーボン樽、オロロソシェリー樽、マルサラワイン樽
アルコール度数 40%
所有者 ホセ・クエルボ
取扱い アサヒビール
参考価格 4,500~6,000円

概要

100%アイルランド産のノンピート麦芽を使用したモルト原酒

麦芽とは、発芽した大麦のことで、デンプン分解酵素を多く含みます。ウイスキーづくりにおいて、麦芽は自身のデンプンをデンプン分解酵素でアルコール発酵可能な糖分へと分解します。モルトウイスキーは、モルト=麦芽を原料とし、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留してつくられたウイスキーのこと。

1850年代、アイルランドでは高額な麦芽税が導入されたことで、多くの蒸留所はコスト削減のために麦芽の使用料を減らし、代わりに未発芽の大麦や他の穀物を多く使うようになりました。そんな中でブッシュミルズ蒸留所は、品質を最優先して100%アイルランド産のノンピート麦芽を使用する伝統を頑なに守り続けました。

らま

未発芽大麦や他の穀物を使うことによって、アイリッシュウイスキーの特徴的な製法の一つである「ポットスチルウイスキー」が誕生したという面もあるんですよ。

いまでこそアイリッシュウイスキーには、多くのシングルモルトウイスキーがありますが、ブッシュミルズは苦境時にもモルトウイスキーをつくり続け、アイリッシュシングルモルトウイスキーの技術と品質を磨き上げてきました。

マルサラワイン樽によるカスクフィニッシュ

ブッシュミルズ 12年は、ノンピート(ピートを焚かずに乾燥させた)の大麦麦芽のみを使用したシングルモルトウイスキーです。その製法はユニークで、オロロソシェリー樽とバーボン樽で熟成させた原酒をヴァッティング(混合)し、その後さらにマルサラワイン樽で追加熟成(フィニッシュ)させます。この追加熟成までの期間が、トータルで12年以上。3種類の樽で熟成させることにより、それぞれの樽の個性が溶け合い、複雑で奥行きのある味わいが生み出されます。

マルサラワインとは

マルサラワインとは、イタリアのシチリア島最西端にあるマルサラでつくられている酒精強化ワインです。酒精強化ワインとは、ワイン醸造の際に高アルコールの蒸留酒を添加して、アルコール度数15~22度まで高めたワインのこと。マルサラワインはもともと、数ケ月の航海でも腐らないよう保存性を高める目的で酒精強化されたワインです。味わいについては、ブドウの品種や辛口~甘口にもよりバラエティーに富み、共通するのはオーク樽での熟成によるアーモンドやバニラ、はちみつ等の豊かな風味です。

ブッシュミルズ 12年のテイスティングレビュー・評価

ブッシュミルズ 12年の特性レーダーチャート

ブッシュミルズ 12年の特性レーダーチャート
【香り】調和:6,豊か:5,個性的:4
【味わい】調和:7,まろやか:7,豊か:6,濃い:5,個性的:5

ブッシュミルズ 12年の特徴グラフ

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

ブッシュミルズ 12年:ストレート

香り

開栓直後は、フルーティー甘くトロピカルフルーツのような香りが印象的でした。開栓からしばらくすると、リンゴはちみつ穀物の香りが強まり、これらの組み合わせでアップルパイのような香りに。

味わいと余韻

ブッシュミルズ 12年の味わいと余韻

開栓直後はバニラハーブはちみつトロピカルフルーツを感じやすく、特に飲み込んだ後に鼻から抜けるトロピカルフルーツ柑橘の風味が印象的でした。開栓して数日経つと、アップルパイチョコレート木樽のニュアンスが強まり、複雑で豊かなフルーティーさとクリーミーさが楽しめるように。スモーキーさもなく、アルコール刺激はかなり弱めで、ウイスキー初心者でもストレートで飲みやすいでしょう。

らま

アップルパイやチョコレート、木樽の風味は、ストレートでもっとも強く感じることができました。

余韻は長く、僕の感覚で70秒程度。口に含んですぐにバニラ、ハーブを伴った華やかなはちみつ、アップルパイのコクのある甘い味わいを感じ、奥の方にわずかにチョコレートがいます。数秒遅れてトロピカルフルーツがあらわれ、消えていきます。ハーブは中盤、チョコレートは終盤あたりで消えていき、最後までバニラとはちみつとアップルパイが楽しめます。

ブッシュミルズ 12年の飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
4
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
5
ハイボール
ハイボール
5
ホットウイスキー
ホットウイスキー
5

加水 オススメ度:

ブッシュミルズ 12年:加水

数滴の加水で、クリーミーさが少し弱まり、やや酸味がでました。ストレートでもかなり弱めなアルコール刺激がさらに目立たなくなります。もしストレートで飲んでみて、アルコール刺激をもっと減らしたいと感じた方は加水してみてください。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

ブッシュミルズ 12年:オン・ザ・ロックス

トロピカルフルーツはちみつが強まります。ストレートではあまり感じられなかったドライフルーツが感じ取りやすくなり、後半には華やかな花はちみつ柑橘も。苦味もなくクリーンなのに深い味わいが楽しめます。

ハイボール オススメ度:

ブッシュミルズ 12年:ハイボール

炭酸のシュワシュワ効果によって、トロピカルフルーツの風味が弾けます。メロンの風味も加わり、かなりフルーティーなトロピカルハイボールです。

ストレートよりもバニラが強まり、フルーティーとバニラのバランスが秀逸です。

ホットウイスキー オススメ度:

ブッシュミルズ 12年:ホットウイスキー

ウイスキー:お湯=1:2の濃いめでつくってみました。

トロピカルフルーツ花の華やかさはちみつがもっとも感じられます。トロピカルハニーホットウイスキーといったところ。アルコール刺激が皆無でひたすら癒されます。

ブッシュミルズ 12年とブッシュミルズ 10年、ブラックブッシュとの比較

ブッシュミルズ 12年とブッシュミルズ 10年、ブラックブッシュとの比較

同じブッシュミルズシリーズから、シングルモルトウイスキー「ブッシュミルズ 10年」、モルト比率の高いブレンデッドウイスキー「ブラックブッシュ」と飲み比べしました。

ブッシュミルズ 12年とブッシュミルズ 10年、ブラックブッシュとの特性比較

ブッシュミルズ 12年とブッシュミルズ 10年、ブラックブッシュとの特性比較

ブッシュミルズ 12年とブッシュミルズ 10年、ブラックブッシュとの特徴比較

これら3銘柄の比較表を用意しました。

スクロールできます
ブッシュミルズ 12年ブッシュミルズ 10年ブラックブッシュ
特性とてもまろやか、複雑なフルーティーさとコクのある甘さまろやかでスムース、洗練された飲み口まろやかでスムースな飲み口
特徴〇アップルパイやハーブ、はちみつ、バニラなど豊かな甘い味わい
〇スモーキーさはほとんどない
〇ミディアムボディ
〇モルト由来の穀物やはちみつの甘さ
〇スモーキーさはほとんどない
〇ライト寄りのミディアムボディ
〇シェリー樽由来のドライフルーツ
〇スモーキーさはほとんどない
〇ライト寄りのミディアムボディ

ブッシュミルズ 10年はモルトの穀物感とはちみつ、弱めですがトロピカルフルーツの風味が特徴として感じられます。ブッシュミルズ 12年は、10年の特徴を持ち合わせながら、さらに濃く、クリーミーになり、アップルパイハーブのような風味も加わって、複雑で豊かになったという印象。また、10年ではストレートで苦味が感じられましたが、12年では苦味がほとんどなく、クリーンでありながら味わい深い飲み口です。

12年はオロロソシェリー樽原酒が使われていますが、シェリー樽熟成の特徴であるドライフルーツの風味はそれほど強く感じられませんでした(10年も同様)。他のフルーティー要因が強いため、ドライフルーツは目立ちにくいのかもしれません。ドライフルーツ感でいうと、12年よりも(10年よりも)ブラックブッシュの方が感じやすいでしょう。

らま

12年と10年とでは1500円以上の価格差があります。10年は手頃な価格ですが、12年はやや高価。しかし、この価格差を払っても高い満足感が得られるはず!

感想・まとめ:上品でいて重厚な甘さとフルーティー、ゆっくり味わいたい

アイリッシュシングルモルトウイスキー「ブッシュミルズ 12年」を紹介しました。アルコール刺激が弱く、口当たりがなめらか、リッチなフルーティーさで飲みごたえのある味わいでした。ウイスキー初心者向けのアイリッシュシングルモルトウイスキーとしては、ブッシュミルズ 10年をオススメしますが、より複雑で濃厚な味わいを求める方にはブッシュミルズ 12年がオススメです。

こんな方にオススメ
  • フルーティー特化の、ストレートでも飲みやすいウイスキーをお探しの方
  • ピートの個性が強いウイスキーは苦手だけど、風味豊かなシングルモルトはお好きな方
  • 自分へのご褒美用、またはプレゼント用のウイスキーをお探しの方
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