レビュー|ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート|風味豊かで複雑、バランスのとれた味わい

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【レビュー】ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート

スコットランド最北端の蒸留所、ハイランドパーク。その個性的な味わいは多くのファンを魅了しています。今回はハイランドパーク 12年を飲んだことがある方ならぜひオススメしたい「ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート」をご紹介します。

らま

ラベルには“COMPLEX & RICH”の表記があり、これは複雑さと豊かさを意味します。スタンダードボトルのハイランドパーク 12年との違いも気になるところ。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート」はこんなウイスキー

  • シェリー樽熟成感がしっかりと味わえる
  • スモーキーさは控えめで、重厚なドライフルーツ感とフレッシュなフルーティーさが共存
  • 開栓後しばらく経つと、パイナップルの風味が強まる
ハイランドパーク
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記事の後半では、ハイランドパークのスタンダードボトル「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。

目次

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート
 原産国スコットランド(アイランズ:オークニー諸島)
 蒸留所ハイランドパーク蒸留所
 分類シングルモルト
 仕込み水クランティットの井戸水
 アルコール度数44%
 主な熟成樽シェリー樽(ヨーロピアン、アメリカン)
 所有者エドリントングループ
 取扱い三陽物産
 参考価格約1,5000~16,000円

概要

スコットランド最北の蒸留所が紡ぐ、ヴァイキングの意志

ハイランドパーク蒸留所が位置するのは、スコットランドの北に浮かぶオークニー諸島。ここはかつてヴァイキングが支配した地であり、その文化や精神が今なお色濃く残っています。ハイランドパークのはじまりは、地元の教会の牧師であり、ウイスキーの密造者でもあったマグナス・ユンソン。彼はヴァイキングの子孫でもあり、ハイランドパークは、今でもマグナスのウイスキーづくりを手本に、その味わいを守り続けています。

オークニーピートによるアロマティックスモーキー

創業者:マグナス・ユンソンのウイスキーづくりに欠かせないものが、オークニー諸島でとれるピート(泥炭)でした。ピートは、ウイスキーの原料であるモルト(麦芽)づくりに用いられます。ピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させ、独特なスモーキーな香りを付与させています。

オークニー諸島のピートは、ヘザーという花が4000年以上堆積してできたもの。これにより、なんともいえないフローラルで甘く、芳しいスモーキーフレーバーが生まれるのです。もちろんハイランドパークでは、マグナスのウイスキーづくりと同様にオークニーピートが使われています。

シェリー樽熟成へのこだわり

ハイランドパーク蒸留所の現オーナーはエドリントングループです。エドリントングループといえば、ウイスキーに詳しくなくても一度は聞いたことがある「マッカラン」が有名。ハイランドパークは、マッカランと同様にシェリー樽熟成によるウイスキー製造に強いこだわりがあります。

ハイランドパークは23ものウェアハウス(貯蔵施設)を有し、4万樽以上のウイスキー原酒を熟成。なんと、そのうちの9割以上がシェリー樽なのです。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの熟成では、ファーストフィルのアメリカンオーク・シェリー樽を主体とし、ファーストフィルのヨーロピアンオーク・シェリー樽、リフィル樽を合わせることで、複雑な味わいが絶妙に構成されています。また、44°という高めのアルコール度数でボトリングすることで、15年熟成の深みをより堪能できるのです。

らま

ファーストフィルの樽とは、ウイスキー熟成に初めて使われる樽のこと。リフィル樽とは、ウイスキー熟成に再利用される樽のことです。リフィル樽については、公式サイトでも何の(シェリーやバーボン)樽かは記述されていません。様々なタイプのリフィル樽が使われているのかもしれません。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートのテイスティングレビュー・評価

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの特性レーダーチャート

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの特性レーダーチャート
【香り】調和:6,豊か:6,個性的:6,
【味わい】調和:7,まろやか:6,豊か:7,濃い:7,個性的:6

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの特徴

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

香り

グラスに鼻を近づけると、華やかさの中にレーズンハチミツモルト穀物感チョコレートが感じられ、後ろの方にのニュアンスをまとったスモーキーさが感じられます。スモーキーさは控えめです。フルーティーさも感じられ、その要素としては、パイナップルと弱めのオレンジです。

味わいと余韻

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの味わいと余韻

口に含むと、香りで感じた要素が口内全体に一気に広がります。ビターチョコレート完熟パイナップルモルトの優しい甘さや、濃いレーズンヘザーハニー由来と思われる華やかハチミツスモーキーさが主要な味わいです。少し他の要素に隠れてバニラ柑橘も存在しています。

らま

開栓してしばらく経つと、完熟パイナップルの風味が強まります。香りについても時間が経ってからの方がより複雑で濃く感じられるようになります。

味わいの中核となっているのは、やはりハイランドパークならではのヘザーピートでしょう。アロマティックなスモーキーさに支えられながら、シェリー樽熟成によるレーズンやパイナップルのフルーティーさが特徴的です。

余韻はとても長く、僕の感覚で80秒ほど。口に含んだ瞬間から、モルト、チョコレート、パイナップルを強く感じ、ワンテンポ遅れて、レーズン、ハチミツ、華やかさ、スモーキーさ、バニラが感じられるように。バニラは早い段階でかなり弱まり、その後中盤にはパイナップルも感じられなくなります。ヘザーの華やかさも中盤以降弱まり、モルト、チョコレート、レーズン、スモーキーは最後まで楽しめました。スモーキーの強度は終始穏やかで、主張しすぎないですがしっかりと存在はしていました。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートの飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
5
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
3
ハイボール
ハイボール
3
ホットウイスキー
ホットウイスキー
4

加水 オススメ度:

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート:加水

数滴の加水で、アルコール刺激がほとんどなくなり、フルーティーまろやかになりました。ストレートで感じていたレーズンは、酸味の抜けた完熟白ブドウ(ナイアガラのような)に変化し、完熟プラムのような味わいも。ストレートとはかなり異なる味わいが面白いです。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート:オン・ザ・ロックス

冷えることでやや単調な味わいになりました。苦味が引き立ち、オレンジレーズン、フレッシュなブドウが目立ちます。飲み込んだ後に鼻から抜けるマルセイバターサンドバニラレーズンクッキー)のような風味が特徴的です。

ストレートで感じていた重厚さはなく、ライトな飲み口です。

ハイボール オススメ度:

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート:ハイボール

巨峰ミカンのようなフルーティーさが楽しめるハイボールです。ハイボールとしてはとてもおいしいのですが、ハイランドパーク感があまり感じられませんでした。

ヘザーピートによる華やかなスモーキーさは弱く、ハチミツ、レーズンも弱まっています。一方で、日本の甘いミカンや巨峰が感じられるように。

ホットウイスキー オススメ度:

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート:ホットウイスキー

ベースに土のニュアンスを含んだスモーキーさがある、オレンジとハチミツの風味のホットウイスキーです。レーズンはお湯を注いだ瞬間は感じられますが、数秒後にはかなり弱まってしまいました。

ハイランドパーク 15年の特徴であるヘザーピートとレーズンはほとんど感じられませんでした。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートとハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとの比較

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートとハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとの比較

ハイランドパークを語るうえで欠かせないスタンダードボトル「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」と飲み比べをしました。

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートとハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとの特性比較

ハイランドパーク 10年 ヴァイキング・スカーズとハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとの特性比較

ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートとハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとの特徴比較

これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。

スクロールできます
ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハートハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー
特性豊かで複雑、多層的な味わい、まったりとした熟成感あり。個性のある香りと味わい、豊かで複雑。濃厚で飲みごたえがある。
特徴〇レーズンとパイナップル強め、ベースにヘザーハニー(華やかでまったりハチミツ)、チョコレート、モルティ
〇スモーキーさは控えめながら、独特の華やかさがある
〇フルボディ
〇ヘザーハニー強め、ハーブ、チョコレート、マーマレードの風味
〇独特の華やかなスモーキーさが強い
〇フルボディ寄りのミディアムボディ

ハイランドパーク 15年とハイランドパーク 12年との大きな違いは、まず一つに熟成感、その次に挙げるならシェリー樽感でしょう。15年はまったりとした濃厚な熟成感とシェリー樽熟成によるレーズンの風味がとても強く、ベースにヘザーピートがあります。一方で12年は強めのスモーキーをまとったヘザーハニーが前面に出ています。どちらもバランスの取れた味わいで、15年の方がよりまろやかにまとまっている印象でした。

らま

個性という点においては、ヘザーハニーとスモーキーな風味が強い12年の方が個性的でしょう。15年はシェリー樽熟成ウイスキーがお好きであればヘザーピートとレーズンの組み合わせがたまらないはず。

感想・まとめ:記念日や自分へのご褒美に、この特別なウイスキーを

ハイランドパークの高級ラインナップ「ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート」を紹介しました。スモーキーさはほどほどに、シェリー樽熟成感が強く、他にもパイナップルの風味が印象的なシングルモルトウイスキーでした。この甘やかな風味は、シェリー樽熟成のウイスキーがお好きな方をうならせるはずです。

こんな方にオススメ
  • バランスの取れたアイランズモルトを探している方
  • シェリー樽熟成のウイスキーがお好きな方
  • 特別な日のための一本を探している方
ハイランドパーク
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