「ブラックニッカ ディープブレンド」といえばスーパー・コンビニのお酒売り場に行けば必ずと言っていいほど置いてあるニッカウヰスキーの定番商品。価格も1,000円台で気軽に購入できて普段の宅飲み用ウイスキーの有力候補のはず。
ブラックニッカ ディープブレンドはリーズナブルな割にしっかりとした味わいが楽しめる宅飲みにオススメのウイスキーなんです。
- アルコール度数が高くアルコール刺激は強めだが、ストレート以外の飲み方でもバランス崩れず楽しめる。
- リーズナブルながら味わい濃く、バニラや弱めのリンゴ、ビターさがある。
- オン・ザ・ロックス、ハイボール、ホットウイスキーとどの飲み方もオススメ。
記事の後半では「ブラックニッカ スペシャル」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ブラックニッカ ディープブレンドの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ブラックニッカ ディープブレンド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
キーモルト | 新樽熟成モルト |
アルコール度数 | 45% |
所有者 | ニッカウヰスキー |
取扱い | アサヒビール |
参考価格 | 1,300~1,700円 |
ストーリー
ブラックニッカの歴史は約60年と日本のウイスキーの中では長く、初代ブラックニッカは1956年に発売されました。ブラックニッカは日本のウイスキーの父そしてニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏の情熱によって生まれたスコッチタイプのブレンデッドウイスキーです。
初代ブラックニッカが発売された41年後の1997年に最初のブラックニッカ派生品「ブラックニッカ クリアブレンド」が誕生。クリアブレンドはその後さらにクリアな品質に特化し名前も「ブラックニッカ クリア」に変更されました。
2013年にはブラックニッカ クリアとはまったく異なる方向性で芳醇さと豊かなコクをテーマに「ブラックニッカ リッチブレンド」が誕生。低価格ながら、シェリー樽モルトをキーモルトにすることで華やかでフルーティーな飲み口になっていて気軽にシェリー樽感が楽しめるボトルです。
そして2015年、新樽熟成モルトをキーモルトにした「ブラックニッカ ディープブレンド」が誕生しました。発売当時のコンセプトは飲みやすさと深みを追い求めた“濃厚さへの、熱いチャレンジ。”。当初は熱いというコンセプト通り赤いラベルでしたが、現在は“青い夜・心地良い深さ”をあらわした群青に近い深い青ラベルになっています。
公式サイト:BLACK Deep Blend https://www.nikka.com/products/blended/blackdeep/index.psp.html
公式サイトでは、一日の終わりのひとりの時間をリラックスして心地良く過ごすことをテーマにしていることがわかります。一日の終わりの周囲の雑音がない、誰にも邪魔されない自分だけの時間にウイスキーをゆっくりと楽しむ、プライスレスな瞬間ですよね。
ウイスキーの「新樽」とは、一度もウイスキーなどのお酒を熟成させていない新しい樽のこと(もちろん内側は焼いてある)。古樽に比べて木材の成分が溶出しやすく、色付きが早く、香りも強いのが特徴です。
ディープブレンドは新樽熟成モルトを使っていることで、樽材由来のウッディな香りとコクが売りのようですね。
ブラックニッカ ディープブレンドのテイスティングレビュー・評価
ブラックニッカ ディープブレンドの特性レーダーチャート
ブラックニッカ ディープブレンドの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスに鼻を近づけると、チョコやバニラの甘い香り、ウエハースのような穀物系の香りが感じられます。また、やや酸味をともなっていそうな木香も。
口に含んでみると、強めのツンとしたアルコール刺激・辛みとともにバニラ・チョコ・ウエハースの甘い風味と弱めのリンゴや柑橘のようなフルーティーさがあり、それらの風味の直後に苦味が追いかけてきます。鼻から抜けてくるアルコールのツンとした刺激も強めなので、ウイスキー初心者の方はストレート以外の飲み方がいいでしょう。あまり感じませんが、気にして探ってみると焦げたようなスモーキーさもわずかに感じられます。
余韻は30秒程度とそれなりに楽しむことができます。飲み込んで6秒程で各種甘い風味のピーク、8秒程でアルコール刺激のピークと少しだけ柑橘系の風味も感じられます。その後は単調な甘苦さが徐々に薄れていき消えていきます。
1,000円台でこれだけ余韻を感じられるならかなり良い出来なのではないかと。新樽熟成モルトによるコクが良い具合にあらわれています。
ブラックニッカ ディープブレンドの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 2 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でアルコール刺激は弱まり飲みやすくなります。弱めではありますがチョコ・ウエハースの風味がアップし、メロンのフルーティーさも感じやすくなります。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
アルコール感はまだ感じられますが、かなり抑えられました。清涼感のある甘味を感じやすくなり、チョコレートというより香ばしさのあるカカオ、バニラ、フルーティーさがアップ。
時間の経過とともに氷が溶けていってもバランスは崩れず、味わいの変化を楽しむことができます。
ハイボール オススメ度:
甘味は下がりますが、程よい苦味でキレがいいハイボール。バニラが強調され、チョコバニラウエハース、リンゴのフルーティーさが楽しめます。
それほど個性は強くありませんが、飲みやすさと味わいの濃さによる飲みごたえがあります。
ホットウイスキー オススメ度:
写真では「ウイスキー:お湯=1:2」ですが、それだとアルコール刺激や苦味も強めだったため、個人的には「ウイスキー:お湯=1:3」がオススメ。
優しい甘さとバニラ・リンゴの風味が絶妙なバランスでとても飲みやすいです。チョイ技で試していただきたいのがシナモンスティックを入れるかシナモンパウダーを一振り。シナモンとの相性が抜群なんです。
ブラックニッカ ディープブレンドとブラックニッカ スペシャルとの比較
同じブラックニッカであり元祖ブラックニッカの後継でもある「ブラックニッカ スペシャル」と比較しました。写真だと違う色に見えますが、実際はほとんど同じ色でした。
ブラックニッカ ディープブレンドとブラックニッカ スペシャルとの特性比較
ブラックニッカ ディープブレンドとブラックニッカ スペシャルとの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ブラックニッカ ディープブレンド | ブラックニッカ スペシャル | |
---|---|---|
特性 | 個性は少ないが濃い味わい | 個性は少ないが調和が取れている |
特徴 | ・穀物の優しい甘さ、バニラ ・気にして探すとわずかにスモーキー ・苦味が良いアクセントになっている | ・穀物の優しい甘さ、フルーティー ・少しスモーキー ・ややオイリーでクリーミーさがある |
特徴比較グラフでは点数が同じですが、ディープブレンドはスペシャルよりもわずかにバニラや甘味が強く感じ取れました(10段階だと同点だけど、20段階であれば差がつく感じ)。またスペシャルは爽やかなフルーティーさが目立つ一方で、ディープブレンドはバニラ風味が強いです。
スペシャルが万能タイプだとするとディープブレンドは味わいの濃さ、バニラと苦味を強化したタイプだといえます。
感想・まとめ:価格帯からするとコスパ良し、どんな飲み方でも崩れない
ブラックニッカ派生品のひとつ「ブラックニッカ ディープブレンド」を紹介しました。ブラックニッカシリーズの中では最もバニラ風味と苦味が強いタイプで、アルコール度数は高めの45%、アルコール刺激は強めですが味わいは濃く、オン・ザ・ロックス、ハイボール、ホットウイスキーなどどんな飲み方をしても味わいが崩れにくい力強さがあります。
- 1,000円台の普段用宅飲みウイスキーをお探しの方
- リーズナブルにオン・ザ・ロックス、ハイボール、ホットウイスキーを楽しみたい方
- ブラックニッカシリーズがお好きな方