テレビCMでもおなじみのスコッチウイスキー「ホワイトホース」。ホワイトホースは1890年の発売から130年以上の歴史がある実力派ブレンデッドウイスキーです。そんなホワイトホースから日本限定で販売されている「ホワイトホース 12年」を紹介します。
コンビニやスーパーどこでも買えるというわけではないですが、ある程度の規模の酒屋さんであれば取り扱っています。
- りんごのフルーティーさとバニラの風味。
- まろやかなミディアムボディで余韻が長い。
- 同価格帯のブレンデッドウイスキー12年クラスの中では高いトータルバランス。
記事の後半では「ホワイトホース」、「ジョニーウォーカー ブラックラベル」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ホワイトホース 12年の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ホワイトホース 12年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | ラガヴーリン、クライゲラキ、グレンエルギン |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ディアジオ社 |
取扱い | キリンホールディングス |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
ストーリー
ホワイトホースの概要
- 日本国内でのスコッチウイスキー販売量第1位
- 1890年発売
- 創業者は不眠不休のピーター・マッキー
- キーモルトはラガヴーリン(当時ピーターの叔父がラガヴーリンを所有していた)
ホワイトホースについては上記内容をもう少し詳しく以前の記事にまとめています。もし気になる方はそちらの記事をご覧いただけると嬉しいです。
創業者ピーター・マッキーの跡を継いだジョン・ブラウン
ホワイトホースの創業者ピーターが亡くなったあとにその跡を継ぎ2代目マスターブレンダーになったのがジョン・ブラウンです。ジョンは入社以来52年もの間「ホワイトホース」の味を守り続けた名ブレンダーでした。
ホワイトホース8年の誕生、そして12年へ
2代目マスターブレンダーのジョンによって1930年代につくり出されたのが「ホワイトホース 8年」です。このウイスキーは幻のウイスキーとなっていましたが、時を経て1990年に日本市場のみでの限定販売で復活を果たしました。残念ながらホワイトホース 8年は終売し、現在では同じく日本限定でホワイトホース 12年が販売されています。
「日本限定+ホワイトホース」ということで、僕の頭の中では勝手に雄大な北アルプスの白馬連峰と白い馬が連想されてしまいます。
ホワイトホース 12年のテイスティングレビュー・評価
ホワイトホース 12年の特性レーダーチャート
ホワイトホース 12年の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスにウイスキーを注いでいる瞬間から熟した赤いリンゴの甘い香りが立ち上り、グラスに鼻を近づけるとリンゴの他にバニラ、そしてわずかにスモーキーさも感じられます。
口に含むと熟した赤いリンゴ、バニラ、はちみつ、カラメルの甘味、そしてレーズンというよりはドライプルーンのようなドライフルーツ感があります。鼻から抜ける香りの中にバニラウエハースとプルーンが感じ取れ、アルコール刺激はかなり抑えめでまろやかです。
余韻は30秒ほどと長く、数秒で優しいスモーキーがやってきてそのまま消えていきます。15秒あたりでメロン、25秒あたりで優しいカラメルの香味を感じました。
甘味はやや強めで酸味・苦味・渋味とのバランスもよく、甘味と酸味はリンゴのような風味でさわやかさもあり飲みやすいです。
ホワイトホース 12年の飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 3 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴加水すると甘味がだいぶ弱まり、苦味と酸味が強まりました。スモーキーさも強まりますが、ストレートよりもバランスが崩れた印象です。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
甘味とスモーキーさが弱まり、フルーティーさと苦味が強まりました。ホワイトホース 12年の特徴がなくなってしまいました。
ハイボール オススメ度:
リンゴ、バニラ、はちみつ風味の飲みやすいハイボールです。ただ、ふつうにハイボールにしただけではスモーキーさがほとんどありません。炭酸水を注いだあとにスプーン一杯のウイスキーを液面にたらしてください。そうすることでスモーキーさとリンゴのフルーティーさが強まってとてもおいしいです。
ホットウイスキー オススメ度:
甘味、フルーティー、スモーキーがとても優しくまろやかにまとまっています。余韻に少しメロンの風味も感じられ、もっともオススメの飲み方です。
ホワイトホース(ノンエイジ)、ジョニーウォーカー ブラックラベルとの比較
スタンダードボトルのノンエイジ「ホワイトホースNAS」、同価格帯のスコッチブレンデッド12年「ジョニーウォーカーブラックラベル」との飲み比べをしてみました。
ホワイトホース 12年とホワイトホースNAS、ジョニウォーカー ブラックラベルの特性比較
ホワイトホース 12年とホワイトホースNASの特徴比較
ホワイトホース 12年とジョニウォーカー ブラックラベルの特徴比較
これら3銘柄に絞った比較表を用意しました。
ホワイトホース 12年 | ホワイトホース NAS | ジョニーウォーカー ブラック | |
---|---|---|---|
特性 | バランスが取れていて濃い味わい | やや単調だが濃い味わい | それほど濃くはないがバランスがとれている |
特徴 | ・赤リンゴの熟した甘さ ・金属臭はなく、まろやか | ・金属臭とコクのある甘味が同居 ・余韻は長く、金属臭とゴム臭が抜けた後に甘味 | ・青リンゴのキリっとした甘さ ・甘くフローラルの後にスモーキー |
ホワイトホース 12年はホワイトホースNASよりも熟成年数が多い分イヤな香味がなくなりかなり飲みやすくなりました。ホワイトホース 12年とジョニーウォーカー ブラックラベルとでは香りにおいてはジョニーウォーカー ブラックラベルの方が多様で複雑さを感じましたが、味わいにおいてはホワイトホース 12年の方が濃くまろやかで飲みごたえがあります。
ボディはジョニウォーカー ブラックラベル<ホワイトホースNAS<ホワイトホース 12年の順でした。スモーキーさはホワイトホース 12年とジョニーウォーカー ブラックラベルでほぼ同じ程度できつくはないので、スモーキーが苦手な方でも飲みやすいでしょう。
ホワイトホースNASで強かった金属臭とゴム臭は個人的に苦手でした。ホワイトホース 12年ではそれがなくなりホワイトホースの濃い味わいが楽しめるのがいいですね。
感想・まとめ:ノンエイジホワイトホースとの価格差以上の価値アリ
ホワイトホースの日本限定ボトル「ホワイトホース 12年」を紹介しました。酒屋さんではホワイトホース(ノンエイジ)は1,000円前後であるのに対し、ホワイトホース 12年は2,000円前後と約2倍の価格です。しかしこの2倍の価格差以上に香り・味わいはすばらしい出来で、買う価値アリだと感じました。
もしホワイトホース(ノンエイジ)を飲んだことがあって苦手という方がいらっしゃいましたら、飲まず嫌いせずにホワイトホース 12年を試していただきたいです。
同価格帯で同じくブレンデッドウイスキー12年であるジョニーウォーカー ブラックラベルと比較すると、香り・味わいの複雑さはジョニーウォーカーが、濃さや飲みごたえはホワイトホース 12年のほうがありました。どちらのほうがおいしいということではなく、その時の気分で飲みたい方を飲むという選択ができるとウイスキーライフが充実しますね。
- 普段の宅飲みでホワイトホース(ノンエイジ)を飲まれている方
- 2,000円台で華やかでコクのある甘い余韻と優しいスモーキーさのウイスキーをお探しの方
- ホワイトホース(ノンエイジ)は苦手だけど、日本限定のホワイトホース 12年が気になっている方