独特な三角ボトルが目を引くスコッチブレンデッドウイスキー『グランツ』。その中で最もリーズナブルな「グランツ トリプルウッド」を紹介します。スーパーやドラッグストアでも取り扱っているので目にしたことがある方も多いはず。
三角ボトルといえば、スコッチシングルモルト『グレンフィディック』も有名です。実はグランツはグレンフィディックと同じ ウィリアム・グラント&サンズ社がてがけるブレンデッドウイスキーで、キーモルトとしてグレンフィディックが使われています。
グランツ トリプルウッドはウイスキー初心者の方にもオススメな飲みやすさですよ。
- アルコール刺激はあるが、バニラ・穀物・柑橘系の甘さがバランス良い。
- 1,000円台前半としてはしっかりした味わいで高コスパ。
- ストレートではアルコール刺激強めだが、他の飲み方ではバランス崩れにくく飲みやすい。
記事の後半でデュワーズ ホワイトラベルとの比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
グランツ トリプルウッドの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | グランツ トリプルウッド |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイ |
熟成樽 | アメリカンオーク樽、リフィルバーボン樽、ヴァージンオーク樽 |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ウィリアム・グラント&サンズ社 |
取扱い | 三陽物産 |
参考価格 | 1,200~1,500円 |
ストーリー
グランツはウィリアム・グラント&サンズ社でつくられているスコッチブレンデッドウイスキーです。ウィリアム・グラント&サンズ社といえばスコッチシングルモルトウイスキー「グレンフィディック」が有名。グレンフィディックはスコッチシングルモルトとして世界一の販売量を誇る超有名ブランドです。そしてグランツはスコッチブレンデッドウイスキーとして世界第3位の販売量です。
グランツは計算上、世界で毎秒55杯も消費されているそうです。
ウィリアム・グラント&サンズ社はモルト蒸留所を4つ、グレーン蒸留所を1つ所有する一大企業。モルト蒸留所にはグレンフィディック蒸留所、バルヴェニー蒸留所、キニンヴィ蒸留所、アイルサベイ蒸留所と、グレーン蒸留所のガーヴァン蒸留所があります。グランツ トリプルウッドはこれら4つのモルト原酒と1つのグレーン原酒を中心に、ハイランドの20~25種類のモルトをブレンドしたもので、そのレシピは創業者ウィリアム・グラントが考案したものがもとになっています。
グランツのブランドイメージである三角ボトルには意味があり、「ウイスキーは火(石炭の直火焚き)・水(良質な軟水)・土(大麦とピートという大地の恵み)からつくられる」というウィリアム・グラントの信念をあらわしています。
また、ブレンデッドウイスキーでは一般的に熟成に使われる樽は2種類までですが、グランツは3種類(アメリカンオーク、リフィルバーボン、ヴァージンオーク)の樽で熟成。
アメリカンオーク樽は繊細なバニラの口当たり、リフィルバーボン樽は濃厚でまろやかな甘味、ヴァージンオーク樽はスパイシーなたくましさをウイスキーに付与し、3種類の樽熟成原酒が合わさることで芳醇な味わいを生み出しています。
グランツ トリプルウッドのテイスティングレビュー・評価
グランツ トリプルウッドの特性レーダーチャート
グランツ トリプルウッドの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスに鼻を近づけると、まずアルコールによるツンとした刺激は感じるものの、リンゴやオレンジの甘く華やかな香り、その奥にバニラの香りを感じます。
口に含んでみると、アルコール刺激とともにオレンジ・レモンの柑橘感のある甘味と苦味、バニラのコクのある甘味と穀物の優しい甘さがおとずれ、バニラウエハースのよう。スパイシーさも感じられ、ライトボディですが価格帯から考えるとしっかりとした味わいです。
余韻は20秒程度で、柑橘とバニラは10秒ほどで消えていき、ビターチョコがわずかにあらわれます。その後は苦味が残りドライで辛口なスパイシーさが残ります。
さすが老舗ウイスキーメーカーがつくるブレンデッド。アルコール刺激はありますが、香り・味わいを考慮すると高コスパウイスキーであることに間違いありません。
グランツ トリプルウッドの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:
アルコール刺激はいっきに弱まり、バニラウエハース感が強まります。鼻から抜ける香りがフルーティーになるのでかなり飲みやすくなります。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
アルコール刺激はかなり抑えられる一方で、フルーティーさ、甘味が強まります。柑橘系の苦味もわずかに強まり、オランジェットのような柑橘チョコの風味も。
氷が徐々に溶けていくにつれて味わいのバランスも整っていくため、ゆっくりと味わいの変化を楽しめます。
ハイボール オススメ度:
想像していたよりも味わいがしっかりと感じられるハイボールです。他の飲み方よりは弱いですがバニラウエハースと薄めのオレンジ・レモンの柑橘感があります。
爽やかでフルーティーですが、食事を邪魔しない程度でとても飲みやすいです。
ホットウイスキー オススメ度:
ウイスキー:お湯=1:2でつくりました。
お湯で割った直後がとてもフルーティー。時間が経つにつれてフルーティーで甘い香りが抜けていき、苦味と酸味が目立ってきます。
甘さが抜けた後はバランスが崩れていく印象。
グランツ トリプルウッドとデュワーズ ホワイトラベルとの比較
グランツ トリプルウッドと同価格帯・同じスコッチブレンデッドウイスキーである「デュワーズ ホワイトラベル」と比較しました。色はグランツ トリプルウッドの方がやや濃い色をしています。
グランツ トリプルウッドとデュワーズ ホワイトラベルとの特性比較
グランツ トリプルウッドとデュワーズ ホワイトラベルとの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
グランツ トリプルウッド | デュワーズ ホワイトラベル | |
---|---|---|
特性 | 味わいがしっかり(価格の割に) | 個性・特徴が少なくカクテルベース向き |
特徴 | ・穀物と柑橘、バニラの甘さがバランス良い ・柑橘系の苦味も感じる ・ライトボディ | ・華やかさとはちみつの甘さがある ・ライトボディ |
グランツ トリプルウッドとデュワーズ ホワイトラベルはどちらもライトボディですが、グランツ トリプルウッドの方がややミディアム寄りです。感じ取れる風味はグランツ トリプルウッドの方が豊かで個性的。どちらもスモーキーさは少なく、タイプは異なりますがハイボールにすると爽やかで飲みやすい飲み口である点は共通しています。
感想・まとめ:アルコール刺激を取り払えば、おいしさ際立つ
実力派ブレンデッドウイスキー「グランツ トリプルウッド」を紹介しました。販売量世界一を誇るスコッチシングルモルト「グレンフィディック」が使われているだけあって、飲みやすく万人受けするウイスキーだと感じました。アルコール刺激は強めですが、リーズナブルな割に味わいはしっかりしていて加水してもバランスが崩れにくいので、ストレート以外の飲み方がオススメです。
単品購入であればネットで買うよりもスーパーやドラッグストアで買った方がお得です。購入しやすい点も普段飲み用には良いですね。
- 1,000円台で甘さのあるオン・ザ・ロックスやハイボールを楽しみたい方
- ウイスキー初心者で、スモーキーなタイプが苦手な方