レビュー|バランタイン 17年|穏やかで複雑な味わいの「ザ・スコッチ」

【PR】この記事には広告を含む場合があります。
【レビュー】バランタイン 17年

今やスコッチの販売量で世界2位を誇るバランタイン。バランタイン 17年は1937年の発売当初、“ザ・スコッチ”と呼ばれ人気を博しました。

らま

バランタイン 17年はこれまで数々の賞を受賞しているスコッチブレンデッドの実力派です。

バランタイン 17年はこんなウイスキー

  • 「ザ・スコッチ」とも呼ばれるバランタインを代表する銘柄
  • リンゴとバニラ、木樽の風味が強め
  • 開栓してから時間が経った方が、よりフルーティーで華やかになる

記事の後半では同じバランタインシリーズの「バランタイン マスターズ」、「バランタイン 10年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。

目次

バランタイン 17年の基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄バランタイン 17年
原産国スコットランド
分類ブレンデッド
主要モルトグレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなど
アルコール度数40%
所有者ペルノリカール社
取扱いサントリーホールディングス
参考価格6,500~7,500円

ストーリー

バランタイン 17年の歴史

バランタインはスコッチウイスキーの三大ブランドの一つとして世界第二位の販売量を誇るブランドです。創業は1827年、ジョージ・バランタインによって起業された食料品店が始まりでした。ジョージ・バランタインは食料品店でウイスキーも取り扱い、のちにウイスキーのブレンダーに転身。初代マスターブレンダーとしてバランタインの礎を築いていきました。

バランタインの家名を冠した「バランタイン ファイネスト」が発売されたのは、ジョージ・バランタインの死後約20年後の1910年のことで、その後バランタイン社の経営権は転々と移っていくことに。1936年、カナディアンウイスキーのカナディアンクラブで有名なハイラムウォーカー社が経営権を取得し、その翌年1937年にハイラムウォーカー社のスコットランド進出を記念してつくられたのが「バランタイン 17年」です。

当時のキーモルトはスキャパ、プルトニー、バルブレア、グレンカダム、グレンバーギー、ミルトンダフ、アードベッグの7つで「バランタインの魔法の7柱」と呼ばれ、バランタイン 17年は“ザ・スコッチ”と称されていました。

現在のキーモルトはスキャパ、グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズです。現行のバランタイン 17年はこれらキーモルトを中心に、すべて17年以上長期熟成させたスコットランド各地のモルト原酒とグレーン原酒を数十種類ブレンドしてつくられています。

らま

原酒の構成を考えると、昔の方が個性豊かだったかもしれませんね。

バランタイン 17年のテイスティングレビュー・評価

バランタイン 17年の特性レーダーチャート

バランタイン 17年の特性レーダーチャート
【香り】調和:5,豊か:5,個性的:5,
【味わい】調和:5,まろやか:5,豊か:5,濃い:5,個性的:5

バランタイン 17年の特徴グラフ

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

バランタイン 17年:ストレート

香り

甘いリンゴの香りとともに木樽香が目立って感じられます。少しをともなう樽香で、奥の方にわずかにフルーティーさも。

開栓して日数が経つとフルーティーさや華やかさが強まりました。

味わいと余韻

バランタイン 17年の味わいと余韻

口に含んだ瞬間にリンゴバニラ木樽が強く感じられ、ワンテンポおいて優しく甘い穀物カスタードクリームチョコレートバナナ洋ナシがあらわれます。バナナと洋ナシは弱めですが、日本酒の吟醸酒で味わえるような吟醸香のよう。少し遅れてオレンジの風味も。ウイスキーを飲み込んだ後にはかすかにスモーキーさもあります。鼻から抜けていく風味はバニラウエハースを連想しました。開栓直後はアルコール刺激を少し感じていましたが、数日経つとほとんど気にならないほどでまろやかに変化。

余韻の長さはやや長く、ぼくの感覚では40秒ほど。バナナや洋なしはすぐに消えていきましたが、リンゴ、バニラ、カスタードクリーム、オレンジ、チョコレートの風味は最後の方まで楽しむことができました。

らま

開栓してから数日かけてテイスティングとブログ記事づくりをしていますが、日が経つにつれてフルーティーで味わい深くなっていってます。

バランタイン 17年の飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
5
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
5
ハイボール
ハイボール
5
ホットウイスキー
ホットウイスキー
2

加水 オススメ度:

バランタイン 17年:加水

数滴の加水で柑橘感が強まり、さらにまろやかクリーミーに。ハネジューメロンのような穏やかなメロンの風味があらわれ、華やかさフルーティーさが強まりました。

余韻はストレートよりも優しく、それでいて長く味わえるのでオススメです。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

バランタイン 17年:オン・ザ・ロックス

舌で感じる甘味は落ち着きますが、バニラはちみつオレンジチョコレートの甘い風味がバランスよく、華やか程よい甘さのオン・ザ・ロックスです。

時間が経って氷が溶けても味わいのバランスが崩れずゆっくりと楽しめます。

ハイボール オススメ度:

バランタイン 17年:ハイボール

クセのまったくない超絶バランス型ハイボールです。抜き出た個性はないものの、様々な風味がバランスよくそれでいて複雑にまとまっているイメージです。

強くはありませんが華やかフルーティーで余韻は短め。最後にはちみつの甘い華やかさが残ります。飲んでみると不思議と「高級なハイボールを飲んでいる」気分に。そんな上品な味わいです。

ホットウイスキー オススメ度:

バランタイン 17年:ホットウイスキー

ウイスキー:お湯=1:2で濃いめに作って飲んでみました。お湯を加えてすぐは木樽の風味が楽しめましたが、甘い風味が弱まり、苦味が目立つように。

時間経過とともに苦味が目立つようになっていき、バランタイン 17年の優しく複雑な甘い風味がかなり弱まってしまいました。

バランタインシリーズ 17年とマスターズ、10年との比較

バランタイン 17年とマスターズ、10年との比較

価格帯は異なりますが、同じバランタインシリーズから年数表記のないお高め価格の「バランタイン マスターズ」、新しい定番「バランタイン 10年」と飲み比べました。

バランタインシリーズ 17年とマスターズ、10年との特性比較

バランタインシリーズ 17年とマスターズ、10年との特徴比較

これら3銘柄に絞った比較表を用意しました。

スクロールできます
バランタイン 17年バランタイン マスターズバランタイン 10年
特性味わい豊か、穏やかで複雑、ウイスキーが開くとさらに味わい深くなる味わい濃く、熟成感と若さが共存穏やかながら複雑でバランス良い
特徴・リンゴ、バニラ、木樽の風味強い
・日本酒の吟醸酒で感じるような吟醸香(バナナ+洋ナシ)
・ミディアムボディ
・ブラウンシュガーとバニラ、カラメル
・柑橘系の風味と木樽感
・ミディアムボディ
・一瞬だけリンゴと華やかさ、バニラ
・クリーミーで甘い風味
・ライト寄りのミディアムボディ
価格7,424円5,656円3,027円
※価格は2024年6月1日時点のAmazon売値を参考にしています。

さすがに価格帯にはそれぞれかなり開きがありますが、共通するのは「甘い風味とまろやかな飲みやすさ」でしょう。10年の約2倍の価格差があるマスターズは熟成感があるものの若い原酒特有のアルコール刺激があるため飲みにくさがあります。17年は10年の約2.5倍の価格ではありますが、10年ではまだ得られていない熟成感や複雑さがあり、経験として一度は飲んでいただきたいウイスキーです。

開栓してからの香り・味わいの変化がもっとも大きいのは17年でした。ウイスキーが開くことで、フルーティーさと華やかさが強まって飲みごたえがでてきます。

らま

バランタイン 17年は飲みやすく無難においしいですが、同価格帯でシングルモルトウイスキーのそれなりの年数ものを買うことも可能。

感想・まとめ:ウイスキーが開いた時からが真の17年のおいしさ

世界第2位スコッチブランド「バランタイン」から発売当時ザ・スコッチと呼ばれていたバランタイン 17年を紹介しました。開栓直後はただクセがなく飲みやすい印象のブレンデッドウイスキーでしたが、日が経って徐々にウイスキーが開いていくとフルーティーで華やかな風味が強くなりました。

バランタインブランドの中では高級ラインナップで、低価格でコスパの良いバランタイン 7年や10年と比べるとなかなか購入に踏み出せない方も多いでしょう。それでも17年を飲んだことがない方には一度は飲んでいただきたいと思えるマイルドな飲みやすさとバランスの良さを感じました。

らま

ボトル一本購入するには敷居が高いという方は、酒販店での量り売りや有料試飲、バーで注文などをオススメします。プレゼント用としても喜ばれるのでは。

こんな方にオススメ
  • あまりクセがなく、マイルドで飲みやすいウイスキーをお探しの方
  • 甘い風味が強く、華やかなウイスキーをお探しの方
  • バランタインファンの方
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次