「カフェモルト」ときいて、コーヒーや喫茶店のカフェ(Cafe)を想像する人がいるかもしれません。カフェモルトの英語つづりは「Coffey Malt」。Coffeyとは人物名で、アルコールを高純度で効率よく得ることができる連続式蒸溜機の開発者の名前が由来です。原料はモルト100%にも関わらず、グレーンウイスキーに分類される異端のウイスキー「カフェモルト」。
この記事では、「ニッカ カフェモルト」の詳しい味わい、オススメの飲み方まで徹底的にレビューしていきます。
- 連続式蒸溜のモルト
- 宮城峡蒸溜所のモルトとカフェグレーンが味わいを主軸に構成
- 宮城峡蒸溜所で、500ml・3,500円で販売
記事の後半では、ニッカウヰスキーのブレンデッドモルトウイスキーである「竹鶴ピュアモルト」と「セッション」との比較もしています。ぜひ最後までご覧ください。
ニッカ カフェモルトの基本情報・概要
基本情報
| 銘柄 | ニッカ カフェモルト |
| 原産国 | 日本 |
| 分類 | グレーン |
| アルコール度数 | 45% |
| 所有者 | ニッカウヰスキー |
| 取扱い | アサヒビール |
| 参考価格(税込) | 6,600円 |
概要
モルトなのにカフェスチルで蒸溜
ニッカ カフェモルト最大の特長は、原材料が大麦麦芽(モルト)100%でありながら、連続式蒸溜機である「カフェスチル(カフェ式連続式蒸溜機)」で蒸溜されている点です。

通常、モルトウイスキーは単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留し、連続式蒸留機はトウモロコシなどを原料とするグレーンウイスキーの製造に使われます。しかし、ニッカはこのセオリーをあえて破り、モルトを連続式蒸溜機にかけるという世界的にも珍しい手法を採用しました。
らま一般的には「蒸留」という漢字を使いますが、ニッカやサントリーをはじめとする日本のウイスキー製造所では「蒸溜」という漢字が使われています。この記事でもニッカに関する際は後者で記載しています。
スコッチウイスキーのルールでは、連続式蒸留機で作られたものは原料がモルトのみでも「モルトウイスキー」とは名乗れません。ニッカは分類上の名称にとらわれず、「美味しさ」という本質だけを追求してこのボトルを生み出したのです。 カフェモルトは、既存の枠組みを超えた、ニッカウヰスキーの探求心の結晶と言えます。
伝統が生んだ「旧式」のうまみ


カフェスチルは1830年頃にアイルランド人のイーニアス・コフィー(Aeneas Coffey)によって発明された非常に古いタイプの連続式蒸留機です。正しい発音ではコフィースチルなのですが、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が「カフェ」と発音していたことから、カフェが定着。現代の最新式では蒸留機の蒸溜塔は4つあるのが主流ですが、旧式であるカフェ式では「モロミ塔」と「精溜塔」の二つのみ。


カフェ式は現代の最新式に比べるとアルコール精製効率は落ちますが、その分、原料である麦芽本来の甘みや香ばしさ、香味成分が原酒にたっぷりと残ります。
ニッカ カフェモルトの特性レーダーチャート


ニッカ カフェモルトの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)


香り
香り立ちは穏やかでそこまで強くありませんが、草感のある穀物と弱めのチョコレートが感じられます。フルーティーさや華やかさはほとんどありませんが、きっと甘いウイスキーなんだろうなという印象を受けました。
味わいと余韻


香り同様にフルーティーさや華やかさは弱く、モルトの穀物感が強いです。他にはチョコレートやわずかに焦げ感があり、砂糖を焦がしたカラメルや黒糖、バニラ、弱めですがクローブとミントを足したようなハーブ・スパイス感もあります。



複雑さはあまりないので、モルトの穀物感を存分に味わうことができます。
アルコール刺激はやや強めですが、アルコール濃度45°であることを考えると、その数値ほど強くは感じられません。
ボディはライト寄りのミディアムで、クセが少なく爽快にフェードアウトしていくため、飲み飽きしない見事なバランスを保っています
余韻はやや長く、僕の感覚で70秒程度。口に含んですぐにチョコレートやバニラを感じ、ワンテンポ遅れて強烈なモルトの穀物感やハーブ、カラメル、黒糖があらわれます。ハーブ、カラメル、黒糖はすぐに消えていき、穀物と弱めのチョコレートが最後まで感じられました。
ニッカ カフェモルトの飲み方別 オススメ度
| 飲み方 | オススメ度 |
|---|---|
![]() ![]() ストレート | 5 |
![]() ![]() 加水 | 4 |
![]() ![]() オン・ザ・ロックス | 5 |
![]() ![]() ハイボール | 5 |
![]() ![]() ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:


数滴の加水で、黒糖が強まり、カラメルの風味もより強まってべっこう飴のように。飲みやすくなりましたが、やや単調な味わいになりました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:


チョコレートと黒糖の甘い風味が強まり、わずかにハーブ、特定は難しいですが何かしらのフルーティーさが感じられます。鼻から抜ける黒糖のコクのある甘さと後味のビターさが印象的で、時間が経って氷が溶けてもバランスが崩れません。
ハイボール オススメ度:


モルトがメインで弱めにチョコレートとフルーティーのシンプルなハイボールです。シンプルながら、味わいの輪郭がしっかりしていてグイグイ飲み進めてしまう飲み心地です。
ホットウイスキー オススメ度:


ウイスキー:お湯=1:2の濃いめでつくりました。
モルトとチョコレートとハーブの絶妙なバランスが楽しめます。とても優しい味わいのホットウイスキーです。
ニッカ カフェモルトとシングルモルト宮城峡、セッションとの比較


同じニッカウヰスキーの銘柄で原料がモルト100%のブレンデッドモルト「竹鶴ピュアモルト」と「セッション」との飲み比べをしました。
ニッカ カフェモルトとシングルモルト宮城峡、セッションとの特性比較


ニッカ カフェモルトとシングルモルト宮城峡、セッションとの特徴比較
これら3銘柄の比較表を用意しました。
| カフェモルト | 竹鶴ピュアモルト | セッション | |
|---|---|---|---|
| 特性 | モルトウイスキーほどの個性はなく、クリアで丸みのある味わい | 優しくまろやかで華やか、バランスが取れた味わい | 様々な味わいが、突出せずにバランス良くまとまっている |
| 特徴 | 〇モルトの穀物感が強い、チョコレート 〇アルコール刺激あり 〇ライト寄りのミディアムボディ | 〇リンゴ、洋梨、柑橘、甘栗、バニラ 〇わずかに芳ばしいスモーキーさ 〇ミディアムボディ | 〇リンゴのフルーティーさとクリーミーさ 〇アルコール刺激あり 〇ライト寄りのミディアムボディ |
カフェモルトは連続式蒸溜機で蒸溜されたグレーンウイスキーで、竹鶴ピュアモルトとセッションは単式蒸溜機(ポットスチル)で蒸溜されたモルトウイスキー(ブレンデッドモルト)です。当然、カフェモルトは、竹鶴ピュアモルトとセッションに比べて控えめな個性ですが、モルトの穀物感に関してはもっとも強く感じることができました。
ボディの強度は竹鶴ピュアモルト>セッション>カフェモルトの順で、まろやかさは竹鶴ピュアモルト>カフェモルト>セッション、スモーキーさはセッション>竹鶴ピュアモルト>カフェモルトでした。カフェモルトの場合はスモーキーというよりも少しだけ焦げた感じです。
この3枚柄の中ですと、フルーティーな甘口ウイスキーがお好みの方には竹鶴ピュアモルト、味わい・飲み応えと価格面のトータルバランスで選ぶならセッション、モルトの穀物感をメインで味わいたい方はカフェモルトがオススメです。



ニッカのカフェシリーズ(ウイスキー)には他にカフェグレーンもあります。カフェモルトとカフェグレーンを飲み比べてみるのも面白いですよ。
感想・まとめ:グレーンウイスキーだけどしっかりモルトの味わいが感じられる
ニッカウヰスキーのこだわり:カフェ式連続式蒸溜機でつくられた「ニッカ カフェモルト」を紹介しました。竹鶴政孝の情熱とニッカウヰスキーの革新的な技術が見事に融合した、モルトの穀物感を存分に味わえる、こだわりのボトルです。機会があれば、ぜひご自身で確かめてみてください。
- クセがなく、甘口なウイスキーがお好きな方
- 大麦麦芽100%のグレーンウイスキーを味わってみたい方
- ニッカのこだわりカフェ式連続蒸溜したウイスキーを味わってみたい方










