レビュー|ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー|ヘザーピートによるリッチな味わい

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【レビュー】ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー

ウイスキーは一つ一つに個性があり、香りや味わいが異なります。今回は数あるスコッチウイスキーの中でも、特に個性的で多くのファンを魅了してやまない「ハイランドパーク」をご紹介します。スコットランドの北端、オークニー諸島で育まれた唯一無二の味わいの秘密を、一緒に探っていきましょう。

らま

ハイランドパークは、ブレンデッドウイスキーのカティサークやフェイマスグラウスのキーモルトウイスキーでもあります。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」はこんなウイスキー

  • 唯一無二、独特のスモーキーさがクセになる
  • 花の華やかさ、ハチミツ、ハーブのリッチな風味
  • 5,000円以上で高いけど、高品質でコストパフォーマンスは良い

記事の後半では、当ブログの基準シングルモルトウイスキー「ザ・グレンリベット 12年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。

目次

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー
 原産国スコットランド(アイランズ:オークニー諸島)
 蒸留所ハイランドパーク蒸留所
 分類シングルモルト
 仕込み水クランティットの井戸水
 アルコール度数40%
 主な熟成樽オロロソシェリー樽
 所有者エドリントン・グループ
 取扱い三陽物産
 参考価格約5,500~6,000円

概要

最北端の蒸留所とヴァイキングの歴史

ハイランドパーク蒸留所が位置するのは、スコットランド本土の北に浮かぶオークニー諸島。ここは、かつてヴァイキングが支配した地であり、現在もその文化や伝統が色濃く残っています。蒸留所は北緯59度のオークニー諸島メインランド島で1798年に創業されました。これは本格蒸留所としてはスコットランド最北です。

らま

スコットランド本土とは異なる英語のアクセントや、ヴァイキングが話していた古ノルド語に由来する言葉を使っていたり、「Up Helly Aa」というヴァイキングの火祭りもあります。

スコッチウイスキーでは、アイラ島を除くスコットランドの島々をアイランズと表現します。具体的には、オークニー諸島、スカイ島、ジュラ島、アラン島などが挙げられ、アイランズでつくられるモルトウイスキーをアイランズモルトと呼びます。

オークニーヘザーによるアロマティックなピート

ハイランドパークの味わいを語る上で欠かせないのが、ヘザーです。ヘザーとは、夏から秋にかけてピンク~紫の花を咲かせる潅木で、スコットランドの荒れ地に多く見られます。オークニーは寒冷で風が強いため高い木は育ちませんが、強風&荒れ地に強いヘザーは多く生育するのです。毎年夏になると紫の美しいヘザーが島全体を彩るそうです。

この植生は、ウイスキーにスモーキーフレーバーを付与するピート(泥炭)にも多大な影響を及ぼします。ピートは植物が湿地等の地中で炭化したもので、ウイスキー製造工程中のモルト=麦芽(発芽させた大麦)製造で用いられます。麦芽づくりは、大麦を水で濡らして発芽させた後、高温の空気をあてて乾燥させて発芽を止める必要があります。この際にピートを燃料として燃やしてその煙をあてることでスモーキーな麦芽がつくられるのです。スコットランド本土やアイラ島などのピートとは異なり、オークニーのピートはヘザーの堆積量が多く、このピートを用いることでフローラルで甘い独特のスモーキーフレーバーが生まれます。

ヴァイキング・オナーに込められた意味

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの「ヴァイキング・オナー」とは、「ヴァイキングの誇り」を意味します。化粧箱裏面に記載されている内容からも、ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーは、ハイランドパークの魂であり真髄であるとのこと。オークニーのかつての支配者であるヴァイキングの精神を受け継ぎ、1798年の創業以来の厳格な製法を守り、香り高いスモーキーなピート甘いヘザーハニー豊かなフルーツケーキの風味が完璧に調和した、滑らかでバランスの取れた味わいのウイスキーに仕上げています。

らま

今回のレビューで紹介しているボトルと化粧箱は旧品のものです。2025年9月現在、店頭にはまだ新ボトルは並んでいませんでした。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーのテイスティングレビュー・評価

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの特性レーダーチャート

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの特性レーダーチャート
【香り】調和:6,豊か:6,個性的:6,
【味わい】調和:6,まろやか:6,豊か:6,濃い:6,個性的:7

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの特徴

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー:ストレート

香り

香りは豊かで、華やか複雑です。華やかな花から取れたハチミツモルト由来の穀物ナッツのようなオイリーさベリー系のフルーティーさが印象的です。のニュアンスも感じられます。

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華やかな花からとれたハチミツの香りは、ウイスキーではよく“ヘザーハニー”と表現されます。甘く優しい香りが特徴です。

味わいと余韻

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの味わいと余韻

甘く複雑な風味を強く感じます。華やかで穏やかなハチミツのヘザーハニーハーブチョコレートオレンジマーマレードが強く、土のニュアンスを含んだピートスモーキーさ、わずかにレーズンのようなドライフルーツも感じ取れます。一方で、味覚としての甘味は思ったほど強くはありません(鼻をつまみながら味わってみるとわかる)。スモーキーさはしっかり感じられますが、アイラ島やスコットランド本土のピートモルト由来のスモーキーさとはまったく異なるアロマティックスモーキーです。

らま

もっとも強いのはヘザーハニーの味わいです。このハイランドパーク独特の甘く華やかなハチミツ感がたまらないです。

余韻はとても長く、僕の感覚で80秒ほど。口に含んだ瞬間から、華やかなヘザーハニー、ハチミツ、スモーキー、ハーブ、チョコレート、マーマレード、レーズンを感じ、早めにマーマレードとレーズン、その後チョコレートが消えていきます。ヘザーハニーとスモーキー、ハーブの風味は最後まで感じることができます。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーの飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
4
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
5
ハイボール
ハイボール
5
ホットウイスキー
ホットウイスキー
3

加水 オススメ度:

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー:加水

数滴の加水で、複雑さのバランスはそのままに、さらにまろやかになり、クリーミーさが増します。一方で、風味の強度は弱まるので、ストレートで無理なく飲める方はストレートを、ストレートだと刺激が強いという方には加水をオススメします。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー:オン・ザ・ロックス

フローラルスモーキーレーズンの風味が強まります。ヘザーハニーもしっかりありますが、その中でも華やかさが強まった印象です。ビターさもやや出て、時間が経ってもバランス崩れずに、まったりと楽しめます。

ハイボール オススメ度:

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー:ハイボール

飲み方の中で、ヘザーハニーピートスモーキーをもっとも強く感じることができます。特に鼻から抜けるハチミツスモーキービターチョコがハイボールの余韻としてリッチな飲み心地を演出。

ホットウイスキー オススメ度:

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー:ホットウイスキー

ウイスキー:お湯=1:2と濃いめにつくってみましたが、味わいはかなり薄まって軽くなってしまった印象です。余韻もあっさりしていて、ライトなホットウイスキーです。おいしいのですが、ハイランドパーク 12年の味わいがもったいなく感じました。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとザ・グレンリベット 12年との比較

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとザ・グレンリベット 12年との比較

当ブログの基準シングルモルトウイスキー「ザ・グレンリベット 12年」と飲み比べをしました。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとザ・グレンリベット 12年との特性比較

ハイランドパーク 12年とザ・グレンリベット 12年との特性比較

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーとザ・グレンリベット 12年との特徴比較

これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。

スクロールできます
ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーザ・グレンリベット 12年
特性個性のある香りと味わい、豊かで複雑。飲みごたえがある。香り・味わいともに豊かでまろやかにまとまっている
特徴〇ヘザーハニー(華やかでまったりハチミツ)強め、ハーブ、チョコレート
〇独特の華やかなスモーキーさが強い
〇フルボディ寄りのミディアムボディ
〇穀物やバニラやハチミツ等の甘さが強く、華やかさがある
〇スモーキーさはほとんどない
〇クリーミーなミディアムボディ

どちらのボトルもハチミツの風味が特徴的なのですが、ザ・グレンリベット 12年はライトで、ハイランドパーク 12年はどっしりしたハチミツです。また、どちらもオレンジのような柑橘感がありますが、ザ・グレンリベット 12年は生のオレンジ、ハイランドパーク 12年はマーマレードという甘さのコクの違いがあります。

ザ・グレンリベット 12年は、ウイスキー初心者にもオススメできる、万人受けする優等生タイプといえます。一方でハイランドパーク 12年は、スモーキーさが強く(しかしアイラモルトほどの強いクセはない)、複雑で飲みごたえがあるため、スモーキーで華やかさもあるウイスキーを好む方・飲んでみたい方にオススメです。

感想・まとめ:アイランズモルトの入門にして究極の一本

「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」は、ただのスモーキーなウイスキーではありません。スコットランド最北の地が育んだ自然の恵みと、ヴァイキングから受け継がれる誇り高き職人魂が融合した、飲みごたえ十分な一本です。

その完璧なバランスは、ウイスキー初心者にとってはアイランズモルト入門に、未だハイランドパークを飲んだことない方にとってはウイスキーライフを確実に豊かにする一本となるはず。ぜひこの「ヴァイキングの誇り」を手に取り、ハイランドパークの味わいに魅了されてください。

らま

価格は5,000~6,000円と高めですが、品質を考えれば非常にコストパフォーマンスに優れた一本と言えるでしょう。

こんな方にオススメ
  • これからスモーキーなシングルモルトウイスキーに挑戦したい方
  • バランスの取れた高品質なシングルモルトを求めている方
  • ウイスキーの背景にあるヴァイキングのストーリーや歴史に魅力を感じる方
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