昭和を感じるドッシリとした黒いボトルとレトロなラベルの「サントリー オールド」。見た目のイメージから気軽に手に取れずにまだ飲んだことのないウイスキー初心者の方は多いのではないでしょうか。このウイスキー、リーズナブルでおいしいんです!
ドッシリとした黒い丸みのあるボトルに朱色のボトルキャップが特徴的なサントリー オールド、このデザインは黒漆と赤漆の和の器を連想させるデザインです。意味合いとして「現在も伝統を守りつつ高級感を追求する」というブランドになっています。
- 山崎原酒のシェリー樽感がある。
- レーズン・バニラの甘味がまろやかにまとまっている。
- 最近値上げしてしまったけれど2,000円台前半のウイスキーの中では高コスパ。
サントリー オールドの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | サントリー オールド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
キーモルト | 山崎蒸溜所のシェリー樽原酒 |
アルコール度数 | 43% |
所有者 | サントリースピリッツ |
取扱い | サントリーホールディングス |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
ストーリー
サントリー オールドの発売は、サントリー 角瓶が発売された1937年から13年後の1950年のことでした。実は製品開発自体は1940年に成功し「オールドサントリー黒丸」の名前で発売される予定だったのですが、時は第二次世界大戦のまっただ中のこと、残念ながら見送られてしまいました。戦後、日本で戦災からようやく復興してきた高度経済成長期目前の1950年に「オールド」は登場したのです。
オールドは1950年代から1960年代には「出世してから飲む酒」としてビジネスマンにとって憧れのウイスキーになりました。1970年代には庶民が飲む酒の種類も多岐にわたっていき、あわせて高級化していきます。バーやクラブではボトルキープの習慣が誕生、サントリーによる和食とウイスキーを合わせる新しい飲み方の提案が全国で受け入れられることになりました。
1970年には100万ケースレベルだった販売量が1980年には1,240万ケースを突破しました。世界で一番売れているスコッチウイスキー:ジョニーウォーカーの当時の販売量は約1,400万ケース。ただしジョニーウォーカーの場合はシリーズを通した全銘柄を含む数字です。一方でオールドは単独での数字です。
オールドはかつて単独銘柄では世界No.1の販売量だったことになります!
発売から70年以上経ついまでも日本で好まれているブレンデッドウイスキーです。
サントリー オールドのテイスティングレビュー・評価
サントリー オールドの特性レーダーチャート
サントリー オールドの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスからの香り立ちは木樽とレーズン、弱めの柑橘とクリーミーさが感じ取れます。きちんと香りから楽しめる仕上がりです。
口に含んでみるとバニラとレーズンがまろやかにまとまっていて、飲み込んだ後に鼻から抜けていく風味に清涼感のあるシナモンのような少しスパイシーな甘辛さを感じます。ここで感じる木樽とレーズンはおそらく山崎蒸溜所のシェリー樽原酒由来のものでしょう。
余韻は中程度で、オレンジピールチョコのようなオレンジの爽やかな少し酸味をともなう甘さと軽快な苦味にビターチョコレートの甘さと苦味を加えたような後味があります。
味わいはそれほど濃くはないのですが、とてもバランス良くまとまっていてスモーキーさなどのクセもなく飲みやすいです。
見た目の印象からまだ飲んだことがない方は是非一度は飲んでみて下さい。
サントリー オールドの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
鼻から抜ける香りがフルーティーで華やかになりました。後味に苦味を感じるようになり、レーズンは弱まりました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
甘味が減り、ほかの華やかさも下がった一方で苦味が目立つようになりました。オールドの特徴が弱まり、平坦な味わいになりました。
ハイボール オススメ度:
バニラとはちみつ感があって、オイリーさとクリーミーさも楽しめるハイボールになります。苦味は目立たなくなり、まろやかでとても飲みやすいです。
ホットウイスキー オススメ度:
ウイスキー:お湯=1:2でテイスティングしました。
個人的にホットウイスキーはオールドに最適な飲み方だと感じました。
穀物の優しい甘さとビターチョコ、バニラ、弱めのレーズン要素が温かくすることでさらにバランス良くまとまった印象です。
オールドと角瓶との比較
現在ウイスキー売上日本一の角瓶と比較してみました。同じサントリーのウイスキーですがボトルはそれぞれ独特で凝っています。
サントリーさんのウイスキーボトルは銘柄によってまったくデザインが異なるので、並べてみているだけで面白いです♪
サントリー オールドと角瓶の特性比較レーダーチャート
サントリー オールドと角瓶の特徴比較グラフ
この2銘柄に絞った比較表も用意しました。
オールド | 角瓶 | |
---|---|---|
特性 | まろやかでバランス良くまとまっている | クリーンで万人受けする |
特徴 | ・レーズンとバニラの甘味 ・余韻にシナモンのようなスパイシーさ ・ミドル寄りのライトボディ | ・弱めのオイリーさがある ・際立った特徴は少ない ・ライトボディ |
ハイボール | まろやかでオイリーで甘い | 少しハーブを感じスッキリしている |
角瓶と比べると穀物、華やかさ、ドライフルーツ、バニラ、はちみつといった甘さの要素が強いです。一方でアルコール刺激は弱いので、角瓶にプラス500円くらいの価格差であればかなりの高コスパウイスキーだといえるでしょう。
角瓶といえばハイボールということで2銘柄のハイボールを飲み比べてみますと、オールドにはオールドの、角瓶には角瓶のおいしさがあることがわかりました。ハイボールに関しては合わせる食事によってどちらのウイスキーも所持していたいと感じます。
角ハイボールは唐揚げなど油っぽい食べ物にも合いますし、オールドハイボールは和食に合わせやすそうです。
感想・まとめ:オススメ!シングルモルト「山崎」要素をもつコスパ良ジャパニーズウイスキー
かつて一世を風靡したサントリーが誇る高コスパウイスキーの「オールド」を紹介しました。
2,000円台前半でレーズンやバニラの甘味が楽しめてストレートでも飲みやすいウイスキーです。スモーキーな香りはありませんのでウイスキー初心者の方でも安心して楽しめるはずです。
個人的なオススメはホットウイスキーです。濃いめにつくると甘味要素がバランスよくまとまっておいしいので是非お試しください。
- 2,000円台前半で甘味があってバランスよくまとまりのあるウイスキーをお探しの方
- ホットウイスキーにあうウイスキーをお探しの方
- 入手困難なシングルモルト山崎の代わりに、少しでも山崎感があるウイスキーを飲みたい方