今回ご紹介するのはスコッチウイスキーの中でも有名で買い求めやすい「ザ・グレンリベット12年」です。
よくウイスキー初心者にオススメされますね。
このブログでのテイスティングレビューの基準となるウイスキーになります!
ザ・グレンリベットを製造している「ザ・グレンリベット蒸留所」は約200年の歴史を持ち、スコットランド政府公認第一号の蒸溜所です。
「ザ・グレンリベット 12年」はザ・グレンリベットブランドのスタンダードボトルにあたります。
- 華やか・フルーティー・スムーズ・ソフトなタイプ。
- はちみつやバニラ感もあるミディアムボディ。
- スモーキーさがなく、ストレートでも飲みやすい。
ザ・グレンリベット12年の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ザ・グレンリベット 12年 |
原産国 | スコットランド(スペイサイド) |
蒸溜所 | ザ・グレンリベット蒸溜所 |
分類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 40度 |
仕込み水 | ジョージーの湧き水 |
主な熟成樽 | アメリカンオーク樽、ヨーロピアンオーク樽 |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 約3,500~4,500円 |
ストーリー
グレンリベットはゲール語で「平穏な谷」「スムーズな場所」を意味します。そして「ザ・グレンリベット」はスコッチウイスキーの歴史といっても過言ではありません。
スコットランドは1707年にイングランドに併合されました。その際イングランドは財源確保のためにスコットランドに対し高額の酒税を課しました。この出来事によってイングランドへの反感が起きるのは当然のこと。ウイスキー製造者たちは人里離れた山奥へ逃れ、各地の山奥で隠れてウイスキーを密造するようになりました。これがスコットランドの密造酒時代の始まりです。
密造酒造りの一大中心地として当時数百の密造所が集中していたリベット谷は、きれいで良質な水と空気、豊富なピートに恵まれた地域であり、その中でもザ・グレンリベット創業者ジョージ・スミスが造るウイスキーはとても評判が良いものでした。
その評判はウイスキー愛飲者だった当時の国王ジョージ4世の耳にも入りました。1822年のスコットランド・エジンバラ行幸でジョージ4世が密造酒であるジョージ・スミスのウイスキーを所望したことは有名な話です。これを契機に酒税法改正の機運が高まり、翌1823年には酒税法が改正されて100年以上続いた密造酒時代は終りを迎えました。
密造酒時代には入手できるウイスキーの種類は少なかったでしょう…
いまは酒屋やECサイトで簡単に色々なウイスキーを購入できるので、現代に生まれて良かったって実感します!!
酒税法改正の翌1824年にグレンリベット蒸溜所は政府公認第一号の蒸溜所となりました。そして19世紀半ばには「グレンリベット」はモルトウイスキーの代名詞としての名声を得ることになりました。その名声にあやかろうと「グレンリベット」を名乗る蒸溜所が最盛期で30近くもあったそうです。
たまりかねたスミス家は裁判を起こしこれに勝訴。そしてグレンリベットを名乗れるのは定冠詞「The」をつけたジョージ・スミスの「THE GLENRIVET(ザ・グレンリベット)」だけになりました。
ザ・グレンリベットはスペイサイドモルトの特徴を絶妙なバランス感で備えているウイスキーです。
ザ・グレンリベット12年のテイスティングレビュー・評価
ザ・グレンリベット12年の特性レーダーチャート
ザ・グレンリベット12年の特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りを嗅いでみると全面的に甘い香りが強くまとまりがあってとてもバランスが良いです。はちみつやネーブルオレンジ(酸味が少なく甘い薄皮ごと食べられるオレンジ)に似た香りを感じます。
口に含むとはちみつと少しビターなオレンジの味わいの他に花の華やかさやリンゴ、バニラといった甘さを強く感じます。なかでもはちみつ感はやや強めです。クリーミーさも感じることができ、様々な味わいや香りをとてもまろやかにまとめている印象です。味わいを構成するすべての成分が調和していて味わいに関してもとてもバランスが良いです。特出した個性は少ないですが、全てが平均点以上の優等生の印象。
クリーンで華やか、フルーティ、はちみつ、穀物由来の甘さとなめらかな口当たり、飲んだ後の心地よい余韻が楽しめます。
宅飲みには常備必須の1本ですよ♪
スモーキーさはほとんど感じられません。味わいに深みを与える程度に少しだけ苦味や渋味を感じますが、とても綺麗な味わいのライト~ミディアムボディタイプです。
少しピリッとしたアルコール刺激は感じますが、価格帯を考えるととても高コスパで完成度の高い銘酒です。
カナディアンクラブ12年の飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 5 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
水を数滴加水するだけで、ストレートで少し感じられたアルコールのピリピリ感がなくなり、穀物由来の柔らかい甘味がより強くなります。
ウイスキーを飲みなれてない方やアルコール刺激が苦手な方は少量加水してみるといいかもしれません。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
他の飲み方に比べると味わい・香りともに全ての項目がやや抑えられてしまう印象でした。しかし、氷が溶けてウイスキーが薄まっていってもバランスは崩れません。
ストレートでは濃すぎるという方や、もう少し甘味を抑えて楽しみたいという場合はロックで飲むという選択肢もありです。
ハイボール オススメ度:
ハイボールはオススメの飲み方です!炭酸のシュワシュワにとともにザ・グレンリベット12年のはちみつ感と青りんご系の爽やかなフルーティさが強く感じられます。
ゴクゴクと飲む爽快感と、飲んだあとに鼻から抜ける爽やかな香りがたまりません!
ホットウイスキー オススメ度:
寒い日にまったりとウイスキーを楽しみたい時にオススメなザ・グレンリベット12年のホットウイスキーです。お湯で割ることでアルコール感はほとんど感じなくなります。
味わいはとてもまろやかではちみつ感やフローラル感、穀物由来の甘さを楽しめます。
感想・まとめ:まろやかでまとまりがあり、すべてが平均点以上の優等生タイプ
当ブログでのレビュー第1号は超有名なスコッチシングルモルトウイスキーの「ザ・グレンリベット12年」でした。
今後のテイスティングの基準として選んだウイスキーです。
この評価を基にいろいろなウイスキーをレビューしていきます。
花やリンゴ、はちみつ、バニラの味わい・香りが強く、スモーキーさはほとんどない、綺麗でまろやかなウイスキーです。かなり飲みやすいシングルモルトウイスキーですのでウイスキー初心者の方でもザ・グレンリベット12年であればストレートで楽しめるはずです。
シングルモルトウイスキーの入門としてもよくオススメされていて、甘さに関わる味わいや香りは豊かでとてもバランス良く完成度の高いウイスキーです。僕も今回のレビューで改めて味わい、色々な飲み方を試し、とてもおいしいウイスキーであると再認識しました。
初心者に限らず、中級者、上級者もザ・グレンリベット12年好きは多いはずです。まだ飲んだことがないという方は是非飲んでみて下さい!