“スコッチの歴史・はじまりのシングルモルト”として有名な「ザ・グレンリベット」から2021年12月より発売中の『ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ』を紹介します。鮮やかなオレンジ色のラベルがきれいで特徴的ですよ。
- 夏向けに開発されたザ・グレンリベットのユニーク商品。
- ザ・グレンリベット特有のまろやかな味わいにプラスしてバナナのニュアンス。
- 数滴の加水でよりトロピカルで飲みやすく。しかし薄めすぎないように。
記事の後半ではザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ |
原産国 | スコットランド(スぺサイド) |
蒸留所 | ザ・グレンリベット蒸留所 |
分類 | シングルモルト |
仕込み水 | ジョージーの湧き水 |
アルコール度数 | 40% |
主な熟成樽 | カリビアンラムを熟成したオーク樽(一部) |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 約4,500~5,500円 |
ストーリー
「ザ・グレンリベット」はボトルに記載の数値である1824年に蒸溜所として政府公認第一号となり、現在でも世界中の人々に愛されている超有名なスコッチウイスキーです。そんな伝統あるザ・グレンリベットの新たな挑戦として発売されたのが『ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ』です。販路はEC限定のため店頭ではまずお目にかかることはありません。Amazonや楽天市場などのインターネット通販で購入できます。
カリビアンリザーブはザ・グレンリベットの中ではユニーク商品としての位置づけ。伝統だけにとらわれないチャレンジ精神が素晴らしいですね。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの日本での発売は2021年12月という冬真っ只中でしたが、実は夏向けに商品開発されたウイスキーなんです。それは公式サイトでも確認済み。気になる方はリンクを貼っておきましたのでご覧ください。
引用元:グレンリベット カリビアンリザーブ公式サイト
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブは熟成年数表記が無いノンエイジ:NAS(Non Age Statement)のシングルモルトウイスキーです。カリビアンラムの熟成に使用した樽をつかって、ブレンドされるモルト原酒の一部を熟成させています。すべての原酒をラム樽で熟成させたわけではないんですね。
商品コンセプトは、パーティーやBBQ、夜のバルコニーなどのシーンで“友人や家族など大勢で気軽に楽しんでほしい”といったもの。宅飲みでしっぽりとちびちび飲むというよりはみんなでワイワイしながら飲むことを想定して作られています。また、カクテルにも使いやすい商品設計になっているとのこと。
みんなで楽しく飲むこともいいですが、宅飲み勢は商品コンセプトにとらわれずに一人でも“気軽に楽しみ”ましょう!
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブのテイスティングレビュー・評価
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの特性レーダーチャート
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りからは濃い熟したような甘さが感じとれます。最初の一かぎではわかりませんでしたが何度かかいでみるとリンゴや洋ナシ、かなり弱めにバナナといった甘いフルーツの香りであることがわかりました。香り成分が渾然一体となっていてリンゴ・洋ナシ・バナナ要素が調和して新たな一つの香りになっているようなイメージ。(僕の嗅覚が弱いだけかもですが…)
口に含むとレーズン、リンゴ、洋ナシ、はちみつのすぐ後に柑橘と苦味、渋味、チョコレートとバナナが感じ取れます。ザ・グレンリベット独特のまとまりのある味わいを楽しめつつ、弱めですがラムの風味も感じられます。
余韻には上記フルーツ以外にもカラメルの苦味や木の渋さのような味わいが感じられ、30秒以上味わえる余韻が心地良いです。
香りや後味に感じられるバナナがラム樽の要素でしょうか。ボトル開栓直後よりもある程度時間が経ってからの方がおいしく飲めるようになった気がします。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 5 |
オン・ザ・ロックス | 4 |
ハイボール | 3 |
ホットウイスキー | 2 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でアルコール刺激は弱まり、苦味と渋味も弱まることでまろやかで柔らかい口当たりになります。口に含んですぐにバナナのトロピカルフルーツを感じられ、ザ・グレンリベット カリビアンリザーブの特徴をもっとも楽しめる飲み方でしょう。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
渋味が弱まる一方でフルーティーさと苦味が強まります。苦味は嫌なものではなく、甘味との相性が良いビターさです。
注意点としては氷が溶けて薄まりすぎると味わい全体が一気に薄ってしまいます。あまりゆっくりとは楽しめないと感じました。
ハイボール オススメ度:
少しゴムっぽい風味がでてしまいました。それ以外の要素は全て弱まり特徴がなくなってしまい、おいしいにはおいしいのですがもったいない飲み方に感じます。
ホットウイスキー オススメ度:
甘味は先味のみになってしまい、甘味はすぐに引いて苦味と薬品ぽさが残ります。かなり単調な味わいになってしまいました。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブとザ・グレンリベット12年の比較
ザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」と比較しました。ウイスキーの色はカリビアンリザーブの方がわずかに濃いです。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブとザ・グレンリベット12年の特性比較
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブとザ・グレンリベット12年の特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ | ザ・グレンリベット 12年 | |
---|---|---|
特性 | バランスはよい。 12年と比べると濃さ・豊かさ・まろやかさがひとまわり弱い。 | クセは少ないけれどすべてが平均点以上の優等生。 |
特徴 | 〇強めのはちみつと弱めのバナナ 〇ミディアム寄りのライトボディ | 〇バニラ、はちみつ、オレンジが強め 〇ライト寄りのミディアムボディ |
カリビアンリザーブはNASであり12年と比べて熟成年数の低い原酒が使われているため、飲み比べてしまうとどうしても12年より全体的にうすく、味わいに深みが感じられませんでした。しかし単体で飲む分には十分においしく、ザ・グレンリベット特有の味わいにプラスしてバナナの風味も楽しめるウイスキーである点は高評価です。
感想・まとめ:カリビアンラム感は控えめだけどバランスのよい味わい
ザ・グレンリベットが夏向けにつくりあげたEC限定商品「ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ」を紹介しました。主張しすぎないバナナのニュアンスはザ・グレンリベットの味わいを崩さずに、スムーズでバランスの取れた味わいが楽しめます。
発売当時(2021年12月)の価格は5,500円ほどでしたが、2023年5月時点での価格は4,200円ほどです。5,000円以上ですとザ・グレンリベット12年と比較した際に割高な印象でしたが、4,200円であればザ・グレンリベット好きの僕としてはリピート購入してもいいなと思う価格です。
- シングルモルトの複雑な味わいとラム樽熟成を楽しみたい方
- ザ・グレンリベットファンの方
- バランス良くまろやかでカクテルベースにもなるウイスキーをお探しの方
まだ飲んだことがないけれど気になっているという方は4,000円台前半であれば購入検討してもいいのではないでしょうか。