レビュー|ワイルドターキー 8年|濃厚で複雑な味わいの個性派バーボン

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【レビュー】ワイルドターキー 8年

バーボンといえばアメリカを代表するウイスキー。中でも「ワイルドターキー」は力強く複雑な味わいで多くのファンを魅了し続けています。今回紹介する「ワイルドターキー 8年」は、日本ではワイルドターキーを代表するボトルとして有名。バーボンの中では長期熟成であり、ワイルドターキーを象徴する101プルーフ(アルコール度数50.5%)がどのような味わいかレビューしていきます。

らま

実はワイルドターキー 8年は日本市場限定で販売されているボトルなんです。

ワイルドターキー 8年はこんなウイスキー

  • ワイルドターキーの力強い味わいを象徴するボトル
  • バニラ、オレンジ、チョコレート、カラメル、スパイスなど複雑で奥行きのある味わい
  • どんな飲み方でも崩れないバランス

記事の後半では同じワイルドターキーのラインナップから「ワイルドターキー スタンダード」と当ブログでバーボンの基準としている「I.W.ハーパー ゴールドメダル」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。

目次

ワイルドターキー 8年の基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄 ワイルドターキー 8年
原産国 アメリカ(ケンタッキー州)
分類  バーボンウイスキー
蒸留所 ワイルドターキー蒸留所
アルコール度数 50.5%
所有者 カンパリ・グループ
取扱い CTスピリッツ・ジャパン
参考価格 3,000~3,500円(700ml)

ストーリー

歴史

ワイルドターキーというブランドの始まりは、1855年創業のコーヒーや紅茶、酒類の卸商:オースティン・ニコルズ社です。オースティン・ニコルズ社では、バーボンウイスキーに関してはケンタッキー州ローレンスバーグにあるリッピー蒸留所(1869年設立)から原酒を直接買いとってボトリングしていました。リッピー蒸留所でつくられたウイスキーは評判が良く、オースティン・ニコルズ社によってほとんど買い占められていたようです。

しかし1920年に禁酒法が施工されると、オースティン社は酒類の取り扱いを止め、それによってリッピー蒸留所は窮地に陥りることに。1933年に禁酒法が撤廃された後は、オースティン社は打って変わって酒類のみを取り扱う方針に変更。

ワイルドターキーという名称は、1940年のある出来事がきっかけで生まれました。当時のオースティン・ニコルズ社の社長が、恒例の七面鳥狩りにリッピー蒸留所でつくられた101プルーフ(アルコール50.5%)のバーボンを持参し友人たちに振舞いました。友人たちからの評判は良く、その力強く野性味あふれる味わいから「ワイルドターキー」と呼ばれるようになったのです。

らま

ワイルドターキーブランドの主力ボトルは101プルーフ=アルコール50.5%とされています。

こだわりのアリゲーターチャー

バーボンを熟成するための樽は内側を焦がす必要があり、これを「チャー」といいます。チャーのレベルはNo.1からNo.4まで0.5きざみの7段階。数字が大きくなるほど強い焦がし具合となり、ワイルドターキーでは、一番強いレベルNo.4の「アリゲーターチャー」を施したオーク樽が熟成に使われています。

チャーが強いほど、樽から出てくる独特の風味がバーボンに移ります。ワイルドターキーの深い琥珀色とコクのある味わいは、この強いチャーによって生み出されます。

ワイルドターキー 8年のテイスティングレビュー・評価

ワイルドターキー 8年の特性レーダーチャート

ワイルドターキー 8年の特性レーダーチャート
【香り】調和:5,豊か:6,個性的:5,
【味わい】調和:6,まろやか:5,豊か:6,濃い:7,個性的:6

ワイルドターキー 8年の特徴グラフ

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

ワイルドターキー 8年:ストレート

香り

とても力強いバニラ穀物、やや香ばしさのある木樽、その奥には爽やかな柑橘の香りが感じ取れます。ナッツのようなオイリーさも。

味わいと余韻

ワイルドターキー 8年の味わいと余韻

口に含んでみると、穀物バニラカラメルの甘さ、オレンジフルーティーさ、チョコレートの風味にナツメグのようなスパイスも感じられます。アルコールが50.5%もあるため、口に含んだ瞬間に口内の水分がもっていかれるような感覚も。アーモンドのようなオイリーさがあり、高アルコールでありながらマイルドな味わいに。アルコール濃度の割にはアルコール刺激はありませんが、飲み慣れない方には強く感じるでしょう。また、エステリーさ(程よい強さだと熟した果物や花束のような心地よい風味、強すぎると接着剤臭のようなにおいに感じ取れてしまうことも)が強いためセメダインのような臭いもあります。

らま

ウイスキー初心者のころにワイルドターキー 8年をボトルで買って初めて飲んだ時は味わいや香りが強烈すぎて、「もう買わないかも」と思っていたのですが、飲み切るころにはクセになってました。

ワイルドターキー 8年をストレートで飲む際には、チェイサーを用意し水で口内を潤してから飲んでみることをオススメします。飲み込んだ後に鼻から抜ける風味には甘い風味のハーブやナツメグのスパイスも。ワイルドターキー 8年の力強いフルボディな飲みごたえと余韻のハーブ・スパイスの風味がなんとも飲み飽きしない心地良さです。

余韻は長めで、僕の感覚で60秒ほど。まず穀物とバニラ、オレンジの風味を感じ、数秒後にチョコレートが現れ、さらに遅れて甘く清涼なナツメグ、アーモンドナッツが感じられるようになります。ナツメグは消えるのが早く、バニラとオレンジも消えて、最後の方は穀物、チョコレート、アーモンドが残ります。

ワイルドターキー 8年の飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
5
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
5
ハイボール
ハイボール
5
ホットウイスキー
ホットウイスキー
5

加水 オススメ度:

ワイルドターキー 8年:加水

数滴の加水でかなり柔らかい飲み口に。接着剤臭も感じにくくなりました。メロンのような完熟フルーツの風味があらわれ、チョコレートが強まります。加水しても力強く、飲みごたえがあることに変わりはありません。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

ワイルドターキー 8年:オン・ザ・ロックス

甘味は少し弱まりますが、柑橘メロンフルーティーさほろ苦さが強まります。冷えても風味を強く楽しむことができ、氷の溶けが進み薄れてくるとアーモンドチョコ感が出てきます。薄れたところで十分な甘さやフルーティーさがあり、ゆっくり時間をかけて楽しめるオン・ザ・ロックスでしす。

ハイボール オススメ度:

ワイルドターキー 8年:ハイボール

バニラナッツカカオが香り、爽やかなフルーティーさもあるハイボールです。濃いめでつくってガツンとしたバーボンハイボールを楽しむもよし、薄めでつくってもバランス崩れず華やかなバーボンハイボールを楽しむもよし。

ストレートでは飲めないという方でも、ハイボールで濃度を調整して自分好みに仕上げる楽しみがあります。

ホットウイスキー オススメ度:

ワイルドターキー 8年:ホットウイスキー

甘さ木樽の風味をもっとも楽しむことができるのがホットウイスキーです。ナツメグの風味は目立たなくなりましたが、特定できない何かしらのハーブorスパイス感が良い飲み心地を与えてくれます。

時間が経ってもバランスが崩れず、ゆっくり楽しむことができます。

ワイルドターキー 8年とワイルドターキー スタンダード、I.W.ハーパー ゴールドメダルとの比較

ワイルドターキー 8年とワイルドターキー スタンダード、I.W.ハーパーゴールドメダルとの比較

同じワイルドターキーのラインナップから「ワイルドターキー スタンダード」と当ブログでバーボンの基準としている「I.W.ハーパー ゴールドメダル」との比較です。(ワイルドターキー 8年は1000mlボトル)

ワイルドターキー 8年とワイルドターキー スタンダード、I.W.ハーパー ゴールドメダルとの特性比較

ワイルドターキー  8年とワイルドターキー スタンダード、I.W.ハーパーゴールドメダルとの特性比較

ワイルドターキー 8年とワイルドターキー スタンダード、I.W.ハーパー ゴールドメダルとの特徴比較

これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。

ワイルドターキー 8年ワイルドターキー スタンダードI.W.ハーパー ゴールドメダル
特性香り・味わいともに複雑で濃く、力強いバーボンの骨格はあるが薄いまろやか+クセ少なめで飲みやすい
特徴○甘味が強く、苦味は程よい
○バニラやチョコレート、オレンジ、ハーブやスパイス感
○フルボディ
○甘味は弱く、苦味が目立つ
○ミディアム寄りのライトボディ
○甘味・苦味・渋味の絶妙バランス
○弱めの接着剤のにおい
○ライト寄りのミディアムボディ
アルコール度数50.5%40%40%
価格※3,177円2,365円2,440円
※価格は2024年8月の執筆時点

ワイルドターキー 8年は、比較した3点の中でもっとも濃厚でフルボディな酒質。アルコール度数も50.5%と高く、バーボン慣れしていない人にとっては強烈な個性に感じるかもしれません。

ワイルドターキー 8年とワイルドターキー スタンダードは2024年8月時点で約800円差。スタンダードと比べると8年はかなり高いと感じ、まずはスタンダードを飲んで自分好みか試してみようとする方もいらっしゃるでしょう。でも待ってください。この2銘柄は香りも味わいもまったく別物といっていいほどの違いがあります。スタンダードはバーボンの骨格はありますが薄く、確かにバーボン初心者向けの設計なのかもしれません。しかし、ワイルドターキーの特徴的な濃厚で複雑な甘い味わいはありません。友人がどちらを買うか迷っていたとしたら、僕がすすめるのは8年の方です。8年をアルコール40%くらいに加水してもバランスは崩れずに、スタンダードよりアルコール刺激少なく複雑な味わいが楽しめます。

ワイルドターキー 8年とI.W.ハーパー ゴールドメダルとの比較では、ワイルドターキー 8年は個性的、I.W.ハーパーゴールドメダルは万能タイプでした。味わいは特徴グラフからもわかる通り、ほどんどの項目でワイルドターキー 8年の方が強く、複雑さがあります。この2銘柄比較でいうと、初心者向きはI.W.ハーパーゴールドメダルといえます。

感想・まとめ:脱バーボン初心者したら絶対飲んでほしいワールドターキー 8年

名前からして力強そうなイメージの「ワイルドターキー」から主力ボトルの「ワイルドターキー 8年」を紹介しました。バーボン初心者には力強過ぎる香り・味わいかもしれませんが、バーボンに慣れてきた方にはぜひストレートで試してもらい、クセになってほしいボトルです。どんな飲み方をしても味わいが崩れない力強さを持っているのもオススメポイント。

こんな方にオススメ
  • バーボンに慣れてきて、濃厚で個性的なバーボンに挑戦したい方
  • バーボンで色々な飲み方を楽しみたい方、崩れにくい味わいです
  • ワイルドターキーの主力ボトルの味わいが気になる方
オススメできない方
  • 接着剤臭が苦手な方
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