今回紹介する「ブラックボトル」は少しマイナーですが同価格帯のスコッチブレンデッドウイスキーの中でもおいしいウイスキーです。穏やかなスモーキーさと甘さがバランス良くブレンドされた飲みやすい一本ですよ♪
ブラックボトルは、ワールド・ウイスキー・アワード2022のスコッチブレンデッドノンエイジカテゴリーで金賞を受賞した実力をもつウイスキーです。
同じスコッチのブレンデッドウイスキーであるジョニーウォーカーやバランタインほどの知名度ではありませんが、その味わいは決して引けを取りません。
- ハチミツやチョコレートの甘さと草の香り、穏やかなスモーキーさがある。
- ミディアム寄りのライトボディでストレートでも飲みやすい。
- ワールド・ウイスキー・アワードのスコッチブレンデッドノンエイジ部門で金賞。
ブラックボトルの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ブラックボトル |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
キーモルト | 公式情報なし(推測でブナハーブン、ディーンストンなど) |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | バーンスチュワート社(親会社:ディスティル社) |
取扱い | コルドンヴェール |
参考価格 | 2,200円 |
ストーリー
初代「ブラックボトル」は1879年にゴードングラハム社によって製造されました。ゴードングラハム社は紅茶専門店でしたが、当時の経営者のグラハム兄弟が顧客サービスとして自社ブランドのウイスキーを提供したことが始まりです。その後ウイスキーのブレンド事業がメインとなりました。
紅茶のブレンドからウイスキーのブレンドという流れは有名なスコッチウイスキーのジョニーウォーカーと同じですね!
初代ブラックボトルはスモーキーなアイランズモルトを中核としていました。しかし、1959年にロングジョンインターナショナル社がブランド権を所有した後ブランド権は次々と移行しその間にブレンドも変わっていってしまいました。
1995年にハイランドディスティラーズ社が買収してからは、アイラ島のブナハーブン蒸留所のモルト原酒を中心に当時のアイラ島のすべてのモルト原酒を用いたブレンドにしたことでそれが話題となり有名になりました。
この時のアイラ原酒は、ブナハーブン、カリラ、アードベッグ、ラガブーリン、ラフロイグ、ボウモア、ブルイックラディの7つです。これにグレンロセス、ノースブリティッシュなどのグレーン原酒がブレンドされていたようです。
アイラ好きとしてはかなり気になるその味わい、飲んでみたかったです(^^;)
2003年からはブナハーブンとブラックボトルのブランド権はバーンスチュワート社が所有しており、2013年にはそのバーンスチュワート社はディスティル社に買収されています。
ブラックボトルの公式サイトの情報によると、現在のブレンドは初代ブラックボトルのゴードングラハムのレシピを基にそのテイストに近づけるように最高級のアイラ、ハイランド、スペイサイドのモルトと厳選されたグレーンウイスキーをブレンドしているとのこと。
公式サイトには蒸留所の情報は公開されていませんが、バーンスチュワート社が所持していたアイラのブナハーブン、ハイランドのディーンストンなどがキーモルトなのではないかと勝手に推測しています。
また、ブレンド後の熟成にはアメリカンオークの新樽を用いその内側は黒くひび割れるほどのチャーが施されます。ご存知の方も多いと思いますが、バーボンと同様の熟成スタイルをとっていることになります。
「チャー」とは樽の内側を直火で焼き付けることです。その効果として、樽からの抽出成分や香味成分が増加することが挙げられます。アメリカンウイスキーのバーボンはその定義のひとつに「内側を焦がしたオーク樽の新樽で熟成させる」というものがあります。バーボンはこの新樽を一度しか使えないため、使用済みのバーボン樽はスコットランドなど他国のウイスキーメーカーに買い取られます。スコッチウイスキーでバーボン樽熟成が多いのはそのためです。
ブラックボトルはある程度熟成させた原酒をブレンド後に、さらに2回目の熟成をバーボンスタイルでおこなっているんですね!
香味豊かなウイスキーが出来上がりそうですね♪
ブラックボトルの公式サイトによると、これら一連のブレンドから熟成のプロセスを‘Ingenious Alchemy’=独創的な錬金術と呼んでいるとのことです。
ブラックボトルのテイスティングレビュー・評価
ブラックボトルの特性レーダーチャート
ブラックボトルの特徴グラフ
コメント(ストレートでのレビュー オススメ度:)
香りからはまずバニラやカラメルを強く感じ、とくかく甘さを連想させる香りが豊かです。スモーキーさはやや感じる程度で、かすかに草の香りもします。
口に含むとバニラ・カラメル以外に黒糖と弱めのチョコレートのようなコクのある甘味とクリーミーさが舌を包んでくる印象です。ウイスキーを飲み込んだ後に鼻から抜ける香りに草の香りを感じます。
アイラモルトをキーモルトのひとつとしている割にはスモーキーさは抑えめですが、同価格帯のスコッチブレンデッドウイスキーと比べてアルコール刺激は少なく、味わいは濃いのでコスパが優れています。
普段1000~2000円台のスコッチウイスキーを飲まれてる方であれば満足度の高い一本だと思います!
ブラックボトルの飲み方別 オススメ度(5段階)
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:
数滴加水することでスモーキーさが少し目立ち、柑橘系の風味・酸味が出てきます。
草の香りも少し強まります。
ストレートで飲んでみて、スモーキーさがもう少し欲しいという方は数滴加水することをおすすめします。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
通常であれば冷やすことで甘味は感じにくくなるはずなのですが、ブラックボトルのオン・ザ・ロックスはまろやかでコクのある甘味が強まり、少し甘ったるいと感じました。
スモーキーさは弱まり、酸味とカラメル感が強まりました。
ハイボール オススメ度:
はちみつ・穀物系の甘味と酸味のバランスがとても良く、穏やかなスモーキーさが炭酸のシュワシュワにのって楽しめます。
飲みごたえあるので個人的にはハイボールがもっともオススメの飲み方です!
ホットウイスキー オススメ度:
ハーブ系の草の香りを感じるようになりました。ウイスキー:お湯=1:3ですと味わいがかなり薄まってしまいますが、1:2は香りと味わいの両方をおいしく楽しめます。
ジョニーウォーカーブラックラベルとの比較
ブラックボトルの参考価格は約2,000円です。同価格帯の有名なスコッチのブレンデッドウイスキーにジョニーウォーカーブラックラベル(ジョニ黒)があります。
これら2つのウイスキーはどちらもややスモーキータイプのウイスキーですので、今回はブラックボトルとジョニ黒の比較をします。
ブラックボトルとジョニーウォーカーブラックラベルの特性比較レーダーチャート
ブラックボトルとジョニーウォーカーブラックラベルの特徴比較グラフ
ジョニ黒と比べてブラックボトルは甘味が強く、特に穀物系・カラメルの甘味が感じられました。アルコール刺激はブラックボトルの方が少なかったです。リンゴのようなフルーティーさやはちみつの風味はジョニ黒の方がありました。
スモーキーさはどちらもほぼ同じくらい。
コクのある甘さを求めるのであればブラックボトル、スッキリしたフルーティーさで選ぶならジョニ黒をおすすめします。
感想・まとめ:じつは陰の実力者、コクのある甘さと穏やかなスモーキーさが楽しめる
僕の独断と偏見では、同価格帯で有名なスコッチのブレンデッドウイスキーと比べてもかなりおいしいと感じる「ブラックボトル」を紹介しました。
普段2,000円台のスコッチウイスキーを飲まれている方で、まだブラックボトルを飲んだことがない方はぜひお試しください!満足度は高いはずです。(酒のやまやさんでは2,000円台で購入できますよ)