水を弾いているような水滴模様の黄色いラベルが印象的なウイスキーをご存知ですか?今回紹介するのは、スコッチのブレンデッドモルトウイスキー「ウォータープルーフ」。日本では2020年11月から販売されている、比較的新しいウイスキーです。初めて見た人が、「え、これってウイスキーなの?」と思うであろうボトル外見、きっとその味わいについても気になる方も多いはず。
ウォータープルーフはAmazonで度々セールされているので、購入の場合はセールを狙うといいですよ!
- シェリー樽個性を楽しめるブレンデッドモルトウイスキー
- 主な味わいは、フレッシュなブドウ、レーズン、ダークチョコレート
- ハイボールとホットウイスキーが個人的にオススメの飲み方
記事の後半では、スコッチのブレンデッドモルトウイスキーである「モンキーショルダー」と、ニッカウヰスキーから発売されているブレンデッドモルトウイスキー「ニッカ セッション」とのテイスティング比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ウォータープルーフの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ウォータープルーフ |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッドモルト |
主要モルト | 非公開 |
アルコール度数 | 45.8% |
所有者 | マクダフ・インターナショナル |
取扱い | 広島中央酒販株式会社 |
参考価格 | 約3,500~4,000円 |
ストーリー
WATERPROOF=防水という意味だけではない
ウォータープルーフという単語からは、直訳で「防水」がまず思い浮かびます。ウォータープルーフの黄色いラベルは、よく見るとはじかれた水滴がたくさんついている模様(触ると水滴が浮き出ていることがわかる)が施されています。これは1800年代のスコットランドの発明家「チャールズ・マッキントッシュ」が発明した ‘waterproofing’=防水加工にちなんだもの。この技術を用いてマッキントッシュクロスがつくられ、ジャケットやレインコートに使われました。イギリスではレインコートの代名詞が「マッキントッシュ」と呼ばれるほどの大人気を誇ることに。
また、ウォータープルーフの「ウォーター」は、ウイスキーづくりに欠かすことができない水であり、人間の体の半分以上を占めるのも水であること。「プルーフ」は、蒸留酒のアルコール度数を表す単位としてイギリスやアメリカで使われています。昔はアルコール濃度の証明(proof)のために、ウイスキーに火薬を浸して発火するかどうか(アルコール濃度が高ければ発火する)の大まかなテストが行われていました。
ウォータープルーフのブランド名には、「水」、「アルコール濃度」、「防水」の意味が含まれています。
シェリー樽原酒が使われたブレンデッドモルト
ウォータープルーフは、スコットランドの厳選された数か所の一流蒸留所のモルトウイスキーだけをブレンドしたブレンデッドモルトウイスキーです。グレーンウイスキーは使わず、それぞれの蒸留所(非公開)で製造されたモルトウイスキーを、オーク樽やシェリー樽を用いて熟成させてブレンド。アルコール度数 45.8% (91.6 プルーフ) で瓶詰めされています。
ウォータープルーフのテイスティングレビュー・評価
ウォータープルーフの特性レーダーチャート
ウォータープルーフの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香り
フレッシュなブドウとレーズンのようなドライフルーツの香りを強く感じます。弱めですが、ゴムのようなにおいも。
味わいと余韻
マスカット系のブドウ、レーズンの風味が強く、ブランデーのような味わいがあります。シェリー樽感はしっかりありますが、強すぎることはありません。スモーキーさはほとんどなく、焦げた風味がわずかに感じられます。苦味は強めで後味に目立ちました。一般的なシングルモルトの年数表記ボトルと比べると、際立った香り立ち・味わいの要素は少ないようです。
シェリー樽熟成感が楽しめるシングルモルトウイスキーは高価格帯が多い中、ウォータープルーフはシェリー樽感がしっかりあってリーズナブル。
余韻はやや長めで、僕の感覚で60秒ほど。口に含んだ瞬間から、フレッシュなブドウ、レーズンが感じられ、一瞬遅れてダークチョコレート、10秒後くらいから穀物(モルト)の風味を感じやすくなりました。どの風味も徐々に弱まっていきますが最後まで感じられました。
ウォータープルーフの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でフレッシュなブドウ感が強まり、はっさくのような柑橘感があらわれました。苦味・渋味は弱まり、甘さが強まるので、飲みやすくなりました。
ストレートだとアルコール度数が45.8%と高めで、多少の加水では味わいが崩れません。お好みで自分にあう加水量をお試ししながら楽しめます。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
フルーティーな甘い風味が強まり、前半はまったりとした甘味が楽しめます。後半になるにつれてビターさが強くなっていきますが、苦すぎることはなく、飲み飽きしないオン・ザ・ロックスです。
ハイボール オススメ度:
まったりとした甘さとブドウのフルーティーさが楽しめます。ストレートでは強めに感じた苦味は、炭酸の効果もあってキリっとしたビターさに。炭酸で割っても濃い味わいで飲みごたえがあります。
ホットウイスキー オススメ度:
苦味は目立たなくなり、レーズンが強まりました。時間が経っても味わいが崩れず、まったりとして優しい甘さと程よいビターさを長く楽しめます。
ウォータープルーフとモンキーショルダー、ニッカセッションとの比較
ウォータープルーフと同様にスコッチのブレンデッドモルトである「モンキーショルダー」と、ニッカウヰスキーのブレンデッドモルト「ニッカ セッション」との飲み比べをしました。写真ですと背景のラベルの色の関係でわかりにくいですが、ウォータープルーフは、シェリー樽熟成の濃い色合いの特徴がでています。
ウォータープルーフとモンキーショルダー、ニッカセッションとの特性比較
ウォータープルーフとモンキーショルダー、ニッカセッションとの特徴比較
これら3銘柄に絞った比較表を用意しました。
ウォータープルーフ | モンキーショルダー | ニッカ セッション | |
---|---|---|---|
特性 | シェリー樽熟成感が個性としてしっかりある | 深みはないが、まとまりがあってバランス良い | 様々な味わいが、突出せずにバランス良くまとまっている |
特徴 | 〇フレッシュなブドウとレーズン 〇アルコール刺激ややあり 〇ミディアムボディ | 〇洋ナシ・柑橘系のフルーティーさとクリーミーさ 〇アルコール刺激はあまりない 〇ミディアムよりのライトボディ | 〇リンゴのフルーティーさとクリーミーさ 〇アルコール刺激あり 〇ライトよりのミディアムボディ |
モンキーショルダーとニッカ セッションはどちらもそれほどクセのない特性ですが、ウォータープルーフはシェリー樽熟成ウイスキーの個性をしっかり感じることができます。また、3銘柄ともフルーティーな味わいが特徴ですが、それぞれ強く感じるフルーツの内容が別で異なる特徴が楽しめます。
ボディは、ニッカ セッションとモンキーショルダーがややライトボディ寄りであるのに対し、ウォータープルーフは飲みごたえのあるミディアムボディです。アルコール度数については、モンキーショルダーが40°、ニッカ セッションが43°、ウォータープルーフが45.8°あり、度数に比例して味わいが濃い結果でした。アルコール刺激に関しては、モンキーショルダーは最も弱く、ウォータープルーフの方がニッカ セッションよりも度数は高いのですが、刺激は少なめでした。
3銘柄ともにハイボールにするとフルーティー+華やかさが際立つタイプで、炭酸との相性がバッチリ。モンキーショルダーとウォータープルーフはAmazonのセール対象品になることが多いので、購入検討している方はセールを狙いましょう。
僕は3本とも常備していて、ちょっと贅沢ハイボールしたいときにその日の気分で選んだり、飲み比べしたりして楽しんでいます。
感想・まとめ:シェリー樽熟成コスパ良し、飲んだことがないのはもったいない
黄色いラベルとネックタグが目を引くスコッチブレンデッドウイスキー「ウォータープルーフ」を紹介しました。僕が初めて購入した時は、店頭でボトルの外見がやけに目を引いて完全にジャケ買いでした。味わってみるとブランデーのようなブドウやシェリー樽熟成のレーズンの風味、色々な飲み方でおいしく飲めるポテンシャルでお気に入りウイスキーに。シェリー感は強すぎないので、シェリー樽熟成初心者の方にもオススメです。
ウイスキーの購入で冒険しない人は手に取らないボトル外見かもしれません。そんな方に対してプレゼントしてあげたら、喜ばれるかも(?)
- シェリー樽熟成のウイスキーが好きな方・試してみたい方
- 飲みごたえのあるブレンデッドモルトウイスキーをお探しの方
- 様々な飲み方を楽しめるウイスキーをお探しの方