「グレングラント」のブランド名を聞いて、「グレングラント アルボラリス」を想像する方が多いかもしれません。グレングラント アルボラリスは、当サイトでもウイスキー初心者にオススメしている、神コスパのシングルモルトスコッチウイスキーです。今回紹介する「グレングラント 10年」は、グレングラントの中で年数表記ボトルとしてはもっとも若いものですが、アルボラリスとの価格差は約2倍、果たしてその実力は?この記事では、グレングラント 10年の詳しい味わい、オススメの飲み方まで徹底的にレビューしていきます。
- 雑味がなく、きれいで優しい味わい
- 様々なフルーツの要素がバランス良くまとまっている
- アルコール刺激が少なく、ストレートでも飲みやすい
記事の後半ではグレングラントのエントリーボトル「グレングラント アルボラリス」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
グレングラント 10年の基本情報・概要
基本情報
| 銘柄 | グレングラント 10年 |
| 原産国 | スコットランド |
| 分類 | シングルモルト |
| 仕込み水 | グレングラント川(天然温泉が含まれる) |
| 主な熟成樽 | バーボン樽、シェリー樽 |
| アルコール度数 | 40% |
| 所有者 | カンパリ・グループ社 |
| 取扱い | CTスピリッツジャパン |
| 参考価格 | 4,000円 |
概要
ポットスチルと精留器による軽くてスッキリした味わい
グレングラント蒸留所の創業は1840年。創業者はジェームズとジョンのグラント兄弟です。兄のジェームズは地元のエルギン市会議員で、スペイサイド地方に鉄道を敷くのに重要な役割を果たし、結果としてグレングラントのウイスキーを運搬するのに大いに役立ちました。
その後蒸留所を引き継いだのが、ジェームズの息子のメージャーグラント。メージャーはかなり活動的な人物だったようで、釣りやハンティング、世界旅行を謳歌したそう。しかし彼はただ楽しむだけではなく、ウイスキー造りにも独自の手腕を発揮しました。最大の功績は、ポットスチルへの取り組みでしょう。

グレングラント蒸留所では、変形ボール型と仏舎利塔のような奇妙な形の2タイプのポットスチルが8基使われています。さらにすべてのポットスチルに水冷式の精留器(ピュアリファイアー)が取り付けられています。
精留器の役割としては、細長いポットスチルの首の部分に冷水を循環させることで、重くて雑味のある成分をカットし、華やかでエレガントな味わいを生み出すというもの。簡単に仕組みを説明すると、蒸溜中にポットスチルから立ち上るアルコール蒸気の通り道に精留器(水冷装置)を設置し、蒸気を冷やすことで重い成分をスチル内に還流させます。蒸留して得られる低沸点成分の中には不快な臭いやそのもととなる化合物も含まれ、ポットスチルの金属素材である銅はそれらを除去することができます。
精留器によって還流された蒸留成分は銅とのコンタクトが増えることでさらに不快成分が除去され、グレングラント特有の華やかでエレガントな味わいが生まれます。
らまメージャーグラントは、ピーティーでヘビーなハイランドモルト(当時のスペイサイド地方はハイランドの一部でした)のイメージを嫌って、軽くスッキリしたウイスキーを目指しました。
蒸留所裏にあるヴィクトリアンガーデンのイメージ


メージャーグラントは、蒸留所の裏に約3万3000坪のヴィクトリアンガーデンを造りました。そこでは木々や花々だけでなく、リンゴや梨、プラムといった果樹も植えられています。


これはグレングラント 10年の化粧箱裏に書かれている説明文で、以下が和訳です。
「グレングラント 10年は、庭園に昇る朝日を彷彿とさせる黄金色の輝きを放つ、生き生きとしたウイスキーです。厳選されたバーボン樽とオロロソ・シェリー樽で熟成されたこのシングルモルトは、果樹園の果実やバタースコッチの風味を伴い、ベルベットのような滑らかな口当たりをお約束します。一口飲むたびに、心温まる、情緒豊かな味わいが広がります。」
ヴィクトリアンガーデン内にある果樹園をイメージした「グレングラント 10年」。この説明文通りの味わいなのか、実際にテイスティングしていきましょう。
グレングラント 10年のテイスティングレビュー・評価
グレングラント 10年の特性レーダーチャート


グレングラント 10年の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)


香り
第一印象は、エレガント&フルーティー。リンゴ、洋梨、桃、穀物が心地良く香ります。スモーキーさやアルコールのトゲトゲしさはありません。
味わいと余韻


開栓直後でもまろやかで滑らかな口当たりが楽しめます。リンゴ、洋梨、バニラ、ハチミツと、香りで感じていた桃は味わいではプラムのようでした。どの要素も突出してはおらず、全要素がバランス良くまとまっていてとても華やかな印象です。



開栓して1週間、5分の1ほど減ったあたりで味わいが一気に“開き”、グレングラント 10年のポテンシャルが存分に楽しめるように。上記の特徴がより一層感じ取れるようになります。
ライト寄りのミディアムボディで、雑味がなくきれいで優しい味わいです。アルコール刺激がなく、クセもないので、まずはストレートで飲んでみることをオススメします。
余韻は長く、僕の感覚で90秒ほど。口に含んですぐに、リンゴ、洋梨、プラムのフルーティーさ、華やかさ、バニラ、ハチミツを感じ取ることができ、すべての要素をそのまま最後まで感じながら楽しめます。
グレングラント 10年の飲み方別 オススメ度(5段階)
| 飲み方 | オススメ度 |
|---|---|
![]() ![]() ストレート | 5 |
![]() ![]() 加水 | 4 |
![]() ![]() オン・ザ・ロックス | 5 |
![]() ![]() ハイボール | 5 |
![]() ![]() ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:


数滴の加水で、少しだけ雑味が出ます。複数日で何度か試してみましたが、どうしてもわずかな雑味を感じました。グレングラント 10年はそのままの40 %アルコールがベストバランスなのかもしれません。
オン・ザ・ロックス オススメ度:


フルーティー&クリーミーなオン・ザ・ロックスです。冷えることでフルーティー、穀物感、クリーミーさ、ハチミツが感じやすくなります。アルコール刺激もなく、ライトな飲み口で、とても飲みやすいため気付くと無くなっています。
ハイボール オススメ度:


フルーティー&クリーミーハイボールです。炭酸のシュワシュワによってリンゴや洋梨、プラムのフルーティーさがはじけます。特に洋梨の風味とリンゴは青リンゴ感が強くなります。甘味はないのに甘い風味が強く、後味がスッキリしています。
ホットウイスキー オススメ度:


他の飲み方ではあまり目立たなかった甘いオレンジがあらわれました。温められたことによって甘く華やかな風味が強まります。グレングラント 10年を所持したらぜひ一度はお試しください。
ウイスキー:お湯=1:2の濃いめがオススメです。
グレングラント 10年とグレングラント アルボラリスとの比較


グレングラントの入門ボトルのグレングラント アルボラリスと比較しました。
グレングラント 10年とグレングラント アルボラリスとの特性比較


グレングラント 10年とグレングラント アルボラリスとの特徴比較
この2銘柄の特性・特徴を表にまとめました。
| グレングラント 10年 | グレングラント アルボラリス | |
|---|---|---|
| 特性 | クセがなく、優しくきれい。まろやかでなめらかな飲み口 | クセや深みはそれほど無く、まろやかでバランス良い |
| 特徴 | 〇リンゴ、洋梨、プラムのフルーティーさがバランス良くまとまっている 〇ライト寄りのミディアムボディ | 〇レーズンとバニラの甘さと少しナッツのオイリーさ 〇ライト寄りのミディアムボディ |
味わいの主張はアルボラリスの方があるように感じました。アルボラリスはレーズンとバニラの風味が強めなのに対し、10年は突出した風味はないものの様々な風味がバランス良くまとまっています。熟成による味わいのまろやかさはもちろん10年に軍配が上がります。



どちらのボトルも華やかできれいな味わいです。グレングラント 10年は熟成年数が長い分、味わい豊かでまろやか。
価格は、アルボラリスが2,000~2,500円(税込)であるのに対し、10年は約4,000円(税込)。価格差がかなりあるように感じてしまいますが、アルボラリスが安すぎるだけで、飲みやすさと味わいを考慮すると10年も十分にリーズナブルなボトルといえます。
感想・まとめ:雑味のない高品質なフルーティーウイスキー
グレングラント 10年を紹介しました。すべての飲み方を通して嫌味がまったくなくとてもきれいな酒質、フルーティーで華やかな味わいは、ウイスキー初心者にも自信をもってオススメできます。特にオン・ザ・ロックスやハイボールは、暑い日にぜひ飲んでほしい、スッキリしたフルーティーさと程よいクリーミーが楽しめる飲み方でした。
- リンゴや洋梨のさわやかなフルーティーさを味わいたい人
- グレングラント アルボラリスの甘さからもう一歩、熟成感のあるウイスキーへ進みたい人
- 予算4,000円ほどで、常備しておける高品質なウイスキーを探している人










