「グレングラント」はスコットランドを代表する歴史ある蒸留所であり、イタリアで圧倒的なシェアとNo.1の人気を誇ります。ハウススタイル(蒸留所が代々守り続けている、香りや味わいのベースの特徴)は「フルーティーで華やか」。この記事では、グレングラント 12年の詳しい味わい、オススメの飲み方まで徹底的にレビューしていきます。
らまモルトウイスキー蒸留所名には、その地名が使われることが多いのですが、グレングラントは創業者グラントがその名の由来です。
- 様々なフルーツの要素がバランス良くまとまり、華やかでエレガント
- 雑味やクセがなく、洗練された甘い味わい
- アルコール感がとても少なく、口当たりがスムース
記事の後半ではグレングラントのエントリーボトル「グレングラント アルボラリス」と「グレングラント 10年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
グレングラント 12年の基本情報・概要
基本情報
| 銘柄 | グレングラント 12年 |
| 原産国 | スコットランド |
| 分類 | シングルモルト |
| 仕込み水 | グレングラント川(天然温泉が含まれる) |
| 主な熟成樽 | バーボン樽、シェリー樽 |
| アルコール度数 | 40% |
| 所有者 | カンパリ・グループ社 |
| 取扱い | CTスピリッツジャパン |
| 参考価格 | 5,000円 |
概要
蒸留所の歴史と「メジャー・グラント」の革新
グレングラント蒸留所は、スコットランドのスペイサイド地方で1840年に創業した老舗蒸留所です。創業者はジェームズとジョンのグラント兄弟で、この2人が蒸留所の礎を築き、味わいを確立したのが2代目ジェームズ・グラント(通称メジャー・グラント)です。


当時のハイランド地方(現在のスペイサイド地方はもともとハイランドの一部)ではピーティーで重厚なウイスキーが主流でしたが、メジャー・グラントは自ら細長いポットスチル(蒸留器)を考案し、まったく新しいクリアなウイスキー造りに挑戦しました。その結果、現在の軽やかで洗練された特徴のモルトウイスキーが形作られたのです。
独自のポットスチルと自然の恵みが引き出すエレガントな酒質
メージャー・グラント考案のポットスチルの他に、すべてのポットスチルに取り付けられた「精留器(ピュアリファイアー)」、仕込み水であるグレングラント川の天然水もエレガントな酒質に大きく貢献しています。
精留器は、重くて雑味のある成分をカットし、華やかでエレガントな味わいを生み出します。


グレングラント川の天然水は「ブラックバーン」とも呼ばれ、ピート(泥炭)を通ることでコーヒーのような黒っぽく色付きミネラルたっぷりの水になります。この水が高品質でクリーンな味わいに深く関係していると言われています。
もう少し詳しい情報は「グレングラント 10年」の記事で詳しく書いています。ぜひご覧ください。
グレングラント 12年のテイスティングレビュー・評価
グレングラント 12年の特性レーダーチャート


グレングラント 12年の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)


香り
とにかく華やかでフルーティーです。要素としては、青リンゴ、桃、洋梨、ハチミツの香りがメインで、うっすら穀物の優しく甘い香りも感じられます。
味わいと余韻


開栓直後の第一印象は、「熟したフルーツ盛りだくさん」です。しつこさはなく軽快ですが、味わいは豊かで、赤リンゴ、メロン(赤肉)、桃のコクがあってみずみずしく甘い風味、他にも弱めですがトロピカルフルーツのニュアンスがあります。フルーツ要素以外には、華やかなハチミツ、クッキーのような加熱した穀物の風味、飲み込んだ後には口内にカシューナッツのようなオイリーで甘く香ばしさとチョコレートも感じられます。



開栓して1週間、5分の1ほど減ったあたりで味わいが一気に“開き”、グレングラント 12年のポテンシャルが存分に楽しめるように。開栓直後でも、グラスに注いで数分間空気に触れさせるといいですよ。
グレングラント 10年もそうでしたが、開栓してからしばらく経ち味わいが開くと、華やかさとフルーティーさが格段にアップします。口に含んだ時だけでなく、鼻から抜けていくリンゴとメロン、桃の風味がたまりません。
ライト寄りのミディアムボディで、クセも雑味もなくスムースな味わいです。アルコール刺激がなく、ウイスキー初心者から愛好家まで幅広くオススメしたい一本です。
余韻は長く、僕の感覚で100秒ほど。口に含んですぐに、リンゴ、メロン、桃、ハチミツ、華やかさがおとずれ、バランス崩れることなく最後まで楽しめます。後半でクッキーや弱めのカシューナッツ、チョコレートが感じられるように。
グレングラント 12年の飲み方別 オススメ度(5段階)
| 飲み方 | オススメ度 |
|---|---|
![]() ![]() ストレート | 5 |
![]() ![]() 加水 | 4 |
![]() ![]() オン・ザ・ロックス | 4 |
![]() ![]() ハイボール | 5 |
![]() ![]() ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:


数滴の加水で、よりまろやかになりますが、味わいの輪郭がぼやけてしまいました。ストレートで感じていたみずみずしいフルーツ感が薄れ、各果物の個性が弱まった印象です。
オン・ザ・ロックス オススメ度:


柑橘感と少しのビターさがあらわれました。ビターの後にまったりとした甘味と、桃、リンゴ、柑橘を合わせたようなフルーティーさが感じられます。ストレートではほとんど感じなかったエステリーさが目立ってきます。(エステリーとは、華やかがあるけれど濃すぎると接着剤のようなにおいになります。)
ハイボール オススメ度:


味わいが開く前はストレートで飲むより味わいが乏しくなる印象でしたが、開いた後につくったハイボールはかなりオススメ。
エレガント&フローラル&フルーティーハイボールとはこのグレングラント 12年のハイボールを言うのでしょう。ストレートで感じられたフルーティーな特徴を残したまま炭酸の爽快さが加わります。やや感じられるビターさのおかげで飲み飽きしません。
ホットウイスキー オススメ度:


ひたすら優しく、熟した赤リンゴ、桃の風味が強まります。リンゴと桃に特化した味わいといえるでしょう。ストレートほどはフルーツの種類を感じられませんが、飲み込んだ後も鼻から抜けるリンゴと桃の風味がたまりません。
ウイスキー:お湯=1:2の濃いめがオススメです。
グレングラント 12年とグレングラント 10年、ザ・グレンリベット 12年との比較


グレングラントのエントリーボトルのグレングラント アルボラリスと、当サイトの基準シングルモルトウイスキーのザ・グレンリベット 12年と比較しました。
グレングラント 12年とグレングラント 10年、ザ・グレンリベット 12年との特性比較


グレングラント 12年とグレングラント 10年、ザ・グレンリベット 12年との特徴比較
この3銘柄の特性・特徴を表にまとめました。
| グレングラント 12年 | グレングラント 10年 | ザ・グレンリベット 12年 | |
|---|---|---|---|
| 特性 | クセや雑味が一切なく、非常にまろやかでなめらかな飲み口 | クセがなく、優しくきれい。まろやかでなめらかな飲み口 | 香り・味わいともに豊かでまろやかにまとまっている |
| 特徴 | 〇熟したリンゴ、メロン、桃とハチミツのフルーティーで華やかな味わい 〇スモーキーさはない 〇ライト寄りのミディアムボディ | 〇リンゴ、洋梨、プラムのフルーティーさがバランス良くまとまっている 〇スモーキーさはない 〇ライト寄りのミディアムボディ | 〇穀物やバニラやハチミツ等の甘さが強く、華やかさがある 〇スモーキーさはない 〇クリーミーなミディアムボディ |
グレングラント 12年とグレングラント 10年は、どちらもバーボン樽とオロロソシェリー樽熟成の原酒が使われていて、まろやかでなめらか、華やかでフルーティーな味わいです。飲み比べると12年の方が熟した果実感がありコクのある甘い風味があります。グレングラント 10年はフレッシュな果実感が特徴です。
グレングラント 10年、12年がフルーティーな味わいに特化した味わいであるのに対し、ザ・グレンリベット 12年は穀物、バニラ、ハチミツの風味とフルーティーさがバランス良くまとまった味わいが特徴です。グレングラントよりもボディ感があり、味覚としての甘味も強めです。
グレングラント2銘柄はフルーティー要素が豊かでその分個性的。まろやかでスムースな飲み口も、ポットスチルの形状や精留器の影響でしょう。



3銘柄ともにスモーキーさはなく、アルコール刺激が少なめで、クセもないので、初心者にもオススメしやすいボトルです。
感想・まとめ:幅広い層に強くおすすめできる珠玉のシングルモルト
グレングラント 12年は、ウイスキー初心者から愛好家まで、幅広い層に強くおすすめできる珠玉のシングルモルトです。スモーキーさやピーティーさ、強烈なクセがなく、誰が飲んでも「おいしい」と感じられる圧倒的なスムースさとフルーティな華やかさを持っています。
もっともオススメしたい飲み方は、ストレートです。グレングラント 12年の最大の魅力である「フルーティーで華やか」、「スムースな口当たり」を一切薄めることなくダイレクトに堪能できるからです。香り・味わい・余韻どれもが満足度の高いボトルでした。
- リンゴやメロン、ハチミツのフルーティーで華やかな味わいのウイスキーをお探しの方
- クセのないエレガントな酒質のシングルモルトをお探しの方
- グレングラント アルボラリスよりさらに熟成感のあるウイスキーへ進みたい人













