「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」は、僕がウイスキーにはまり始めた頃に飲んでそのスムーズさと風味の豊かさに驚いたアイリッシュウイスキーです。
初心者の方にもオススメできるとても飲みやすいウイスキーです。
ブッシュミルズは現在アイリッシュウイスキーで第3位の売上を誇るブランドです。
- 甘味が強いが余韻にスパイシーさもある。
- モルト原酒が80%も使われていて、シェリー樽由来のレーズン系の風味が強い。
- 雑味がなくスムーズなライト~ミディアムボディ。
ブッシュミルズ ブラックブッシュの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ブッシュミルズ ブラックブッシュ |
原産国 | アイルランド |
蒸留所 | ブッシュミルズ蒸留所 |
分類 | ブレンデッド |
仕込み水 | セント・コロンパの泉 |
アルコール度数 | 40% |
主な熟成樽 | オロロソシェリー樽、バーボン樽 |
所有者 | ホセ・クエルボ |
取扱い | アサヒビール |
参考価格 | 約2,000~2,500円 |
ストーリー
ブッシュミルズ蒸留所はアイルランド島北端のイギリス領北アイルランド・アントリム州にあります。
ブッシュミルズを製造するブッシュミルズ蒸留所が正式に登録されたのは1784年ですが、創業は1608年で世界最古の蒸留所といわれており、なんと400年以上の歴史があります。(建物自体は1885年に火災で消失したため、現在の建物はその後建てられています。)
伝統的なアイリッシュウイスキーはシングル(ピュア)ポットスチルウイスキーと呼ばれるもので、原料にモルト(大麦麦芽)と大麦(未発芽)、オート麦、小麦、ライ麦などを用いてポットスチル(単式蒸留器)で3回蒸溜を行うものですが、ブッシュミルズ蒸留所ではスコッチウイスキーと同様に麦芽100%のモルトウイスキーを製造しています。
そしてアイルランドで先駆けてモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混和するアイリッシュブレンデッドウイスキーに取り組み、製品化したのが「ブラックブッシュ」です。
モルト原酒の麦芽は100%アイルランド産のノンピート麦芽を使用し、3回蒸溜することでまろやかでスムーズな酒質です。
ブラックブッシュはオロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年熟成させたモルト原酒を80%以上使用し、グレーンウイスキーとブレンドしています。
モルト原酒80%はすごい割合です!
2000円台前半の価格でこんな贅沢にモルト原酒を使っているブレンデッドはなかなか無いですよ♪
ブッシュミルズ ブラックブッシュのテイスティングレビュー・評価
ブッシュミルズ ブラックブッシュの特性レーダーチャート
ブッシュミルズ ブラックブッシュの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスに注いだ直後は金属のようなにおいがありますが、グラスに注いでしばらく空気に触れさせると金属臭は消えます。使われている原酒の熟成年数が“最長7年”ということで、おそらく若い原酒も使われているためこのようなニオイがあるのでしょう。(開栓後半年経ってボトルの中身が半分になった状態でもまだ金属臭はありました)。
香りは、まず木樽や穀物の優しい香りのすぐ後にバニラとレーズンが強く感じ取れます。それほど複雑ではありませんが調和のとれた香りです。
味わいは、香りで感じた通りに先味にバニラとレーズン、続いてクリーミーでリンゴを伴った甘味が楽しめます。香りで想像していたよりも余韻はすっと消えていき、少し辛味のあるスパイシーさが残ります。
ノンピート麦芽が使われていることでやはりスモーキーさはありません。
スパイシーな後味があることで、香りの印象ほど甘ったるくありません。
ストレートでもとても飲みやすいです♪
ブッシュミルズ ブラックブッシュの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 5 |
加水 | 3 |
オン・ザ・ロックス | 4 |
ハイボール | 4 |
ホットウイスキー | 4 |
加水 オススメ度:
よりクリーミーになりますが、数滴でも味わいがかなり薄まってしまいます。
ブラックブッシュの特徴が弱まってしまうので他の飲み方がオススメです。
ロック オススメ度:
甘さが抑えられ、フルーティーさが際立ってきます。
スッキリ飲みやすく、レーズンとフルーティーさが楽しめます。
ハイボール オススメ度:
木樽の柔らかく甘い風味が強まります。
レーズンは少し弱まりますが、余韻にはバニラレーズンが感じられておいしいです。
ホットウイスキー オススメ度:
ストレートで感じていたクリーミーさがカスタードクリームに変化します。
木樽と弱めのレーズンが心地良いです。
ブッシュミルズ(ホワイトブッシュ)との比較
同ブランドのブッシュミルズのスタンダードボトル(通称ホワイトブッシュ)と比較しました。両者ともに薄めの色ですがブラックブッシュの方が少し濃い色です。
またブラックブッシュはコルク栓であるのに対しスタンダードボトルはスクリューキャップです。
ブラックブッシュとスタンダードボトル(ホワイトブッシュ)の特性比較
ブラックブッシュとスタンダードボトル(ホワイトブッシュ)の特徴比較
それぞれの違いにしぼって表に書き出してみました。
ブラックブッシュ | スタンダードボトル(ホワイトブッシュ) | |
---|---|---|
特性 | ・ややまろやか ・ライトよりのミドルボディ | ・スムーズでなめらかな口当たり ・ライトボディ |
特徴 | ・シェリー樽由来のドライフルーツの味わい ・熟成された深みとスパイシーさ ・やや金属臭あり | ・フレッシュフルーティーな味わい ・バニラの甘さがやや強い ・熟成感はないがアルコール刺激は少なめ |
スタンダードボトルはモルト原酒の比率が50%であるのに対し、ブラックブッシュは80%あります。やはりその分ブラックブッシュの方が豊かな香りと味わいがあります。スタンダードボトルはグレーン原酒の割合が多い分クセが少なく万人が飲みやすいでしょう。
ブラックブッシュはオロロソシェリー樽モルトが使われているのでレーズンのようなドライフルーツのコクのある甘さがあります。一方でスタンダードボトルはフレッシュなフルーティーさを楽しめます。アルコール刺激は両者同じくらいで、ストレートで飲んだ際に少し感じる程度です。
どちらも飲みやすくて初心者の方にもオススメできるアイリッシュウイスキーです。レーズン感を楽しんでみたい方はブラックブッシュをオススメします。
感想・まとめ:お手頃にシェリー樽感を味わえるコスパ◎のウイスキー
レーズンの風味が突出した、しかしまろやかでスムーズな甘さとスパイシーさを楽しめる「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」を紹介しました。
クリーミーでレーズンの風味が強く、バニラの甘さや木樽の香りにスパイシーさがあります。
一番のオススメはストレートです!ブラックブッシュのおいしさを最も感じ取れるはずです。
グラスに注いだ直後は少しアルコール感と金属臭を感じました。開栓してから半年経ってもグラスに注いだ直後の金属臭は感じますが、注いでから少し時間をおくとあまり感じなくなるので、気になる方はやってみてください。
価格は2000円台で安過ぎず高過ぎずですが、モルト原酒比率80%以上でシェリー樽由来のレーズン感を気軽に味わえますのでかなりコスパがいいアイリッシュウイスキーです。
- 2,000円台前半でシェリー樽熟成ウイスキーを気軽に楽しんでみたい方
- スモーキーさは苦手だけど香り・味わいが豊かなウイスキーをお探しの方