爽快な飲み口・すっきりした味わい・はじける香りが魅力のハイボール。当たり前のことですが、ハイボールといってもベースとなるウイスキーによってその香りや味わいは様々です。
今回紹介させていただくのは、ハイボールにすると飲むのをやめられなくなってしまう“フルーティーで華やかなウイスキー”です。
「初心者でも飲みやすいフルーティー&華やかウイスキーが知りたい方」
「ハイボールにあうリーズナブルなフルーティー&華やかタイプのウイスキーを探している」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
一日の締めとしていつもハイボールを楽しみにしている僕が、普段の宅飲みでもリーズナブルに買える「ハイボールがおいしいフルーティー&華やかウイスキー」を厳選して紹介します♪
オススメウイスキー・華やかフルーティー編の選考基準
今回のオススメウイスキーの選考基準は以下のとおりです。
- ハイボールがおいしい、フルーティー&華やかタイプ
- 普段飲みとして購入しやすい金額:1,000~3,500円
- フルーティー&華やかの度合いは低~高で選出
昨年までは3,000円以内で紹介できたのですが、昨今のウイスキー値上げによって選考基準の価格を3,500円以内とさせてもらいました。
ハイボールがおいしい華やか・フルーティーウイスキーを紹介
- ブラックニッカ リッチブレンド
- サントリー スペシャルリザーブ
- グランツ トリプルウッド 8年
- バランタイン 7年
- ホワイトホース 12年
- デュワーズ 8年 カリビアンスムース
- デュワーズ 12年
- グレングラント アルボラリス
- ジェムソン スタンダード
- ブッシュミルズ
- バスカー ブレンデッド
- フォアローゼズ
なお、それぞれのウイスキーに「華やか・フルーティーLv.」という僕の独断と偏見による度合いを記載しています。
少しでも参考になれば嬉しいです。それでは紹介します!
ブラックニッカ リッチブレンド
銘柄 | ブラックニッカ リッチブレンド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | 宮城峡モルト |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 1,300~1,700円 |
ブラックニッカ リッチブレンドは2013年に発売された比較的新しい銘柄で、ブラックニッカシリーズの中で華やかな甘さに特化させたブレンデッドウイスキーです。
ブラックニッカ リッチブレンドにつかわれている主な原酒は宮城峡モルトとカフェグレーンで、宮城峡モルトは華やかでフルーティーな特徴を持ち、カフェグレーンはとうもろこし由来の優しい甘さが特徴です。また、ドライフルーツの風味があるシェリー樽熟成モルト原酒も使われています。ブラックニッカ リッチブレンドはこれらの風味をバランス良くあわせもっています。
ブラックニッカ リッチブレンドの特徴
- フルーティーで華やかな甘い香りがある
- 華やかな宮城峡モルト、シェリー樽モルトが使われている
- ハイボール以外ではホットウイスキーがオススメ
ニッカウヰスキーの公式サイトを見てみると、飲み方はオン・ザ・ロックスが推されています。オン・ザ・ロックスでは甘味がやや抑えられ、氷が徐々に溶けて加水されていくことで味わいの変化を楽しみながら飲むことができます。宮城峡モルトの華やかな風味、シェリー樽モルトのレーズンのような風味を段階的に感じることができるのがオン・ザ・ロックスです。ストレートではアルコール刺激が強めですが、他の飲み方であればアルコール刺激は抑えられるでしょう。
ブラックニッカ リッチブレンドのハイボール
ハイボールは時間をかけてゆっくり飲むオン・ザ・ロックスとは違い、のど越しを感じながらそのウイスキーの特徴を一気に楽しむことができる飲み方です。ブラックニッカ リッチブレンドのハイボールは一言で表すと、レーズン風味が強いハイボールです。それにプラスしてバニラとはちみつを少し感じることができ、アルコール刺激はほとんどありません。
リッチブレンドに炭酸水を足したあとにさらにスプーン一杯のリッチブレンドを表面にたらしてあげることで香り・味わいがグッと際立ちます。かなりオススメなので是非お試しください。
ハイボール以外の飲み方でもシェリー樽モルトの風味をきちんと感じることができるので、手軽にシェリー樽熟成した風味がどのようなものか感じてみたいという方にもオススメできます。
ブラックニッカ リッチブレンドはこんな方にオススメです
- 1,000円台前半でシェリー樽モルトの華やかさを感じてみたい方
- ハイボールはもちろん、華やか・フルーティーなオン・ザ・ロックスも楽しみたい方
- 普段はブラックニッカの他銘柄を飲んでいるけれどリッチブレンドはまだ未挑戦の方
ブラックニッカ リッチブレンドはなんといってもリーズナブルで買いやすいです。価格以上に華やかさを楽しめる一本です。
ネットで買うよりも近場の酒場やスーパーで買った方がお得ですよ♪
サントリー スペシャルリザーブ
銘柄 | サントリー スペシャルリザーブ |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | 白州蒸溜所のホワイトオーク樽原酒 |
フルーティー・華やかLv. | 4 |
参考価格 | 2,800~3,200円 |
スペシャルリザーブは、サントリーがウイスキーの品質を世界にアピールすべく1970年大阪万博の前年1969年に発売されました(当時の銘柄は「サントリー リザーブ」)。大阪万博では国内のウイスキーファンからはもちろん、来日した外国人たちからも高評価を獲得。現在でもファンの多い銘柄であることに変わりはありません。
サントリー スペシャルリザーブの特徴
- 強い木樽の香り、リンゴと弱めのバニラ。
- 原酒に使われている白州蒸溜所のモルトを強く感じる。
- ハイボールとホットウイスキーがオススメ。
ストレートではバニラの甘い風味、リンゴ、洋ナシのフルーティーさ、穀物の柔らかい甘さがあり、木樽の風味を強く感じ取れます。この木樽は白州蒸溜所のホワイトオーク樽原酒由来のものでしょう。切ったばかりの木材に通じるような新鮮な木の香りが心地良いです。
サントリー スペシャルリザーブのハイボール
個人的には白州モルト原酒の香り・味わいをもっとも強く感じることができるのがハイボールだと感じました。フルーティーでさわやかな甘さの後に切ったばかりの木材の風味がさらにさわやかさを演出。控えめに言ってかなりおいしいです。
ハイボール以外の飲み方ではホットウイスキーもオススメですので、暑い夏場はハイボールでスッキリと、寒い冬場はホットウイスキーでまったりとオールシーズン楽しめます。
サントリー スペシャルリザーブはこんな方にオススメです
- 心地良い木の香りが味わえるウイスキーをお探しの方
- ストレートでも飲みやすく、ハイボールやホットウイスキーも楽しみたい方
- シングルモルト白州が入手困難だけど、少しでも白州感を味わってみたい方
グランツ トリプルウッド 8年
銘柄 | グランツ トリプルウッド 8年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイ |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 1,900~2,400円 |
現在スコッチウイスキーとして世界販売量第3位を誇るブランドが「グランツ」です。「グランツ トリプルウッド 8年」は2022年に発売されたまだ新しい銘柄。
特徴的な三角ボトルは、世界一の販売量を誇るスコッチシングルモルトウイスキー「グレンフィディック」と同様にウィリアム・グラント&サンズ社の信念をあらわしています。それは「ウイスキーは火(石炭の直火焚き)・水(良質な軟水)・土(大麦とピートという大地の恵み)からつくられる」というもの。もちろんグランツにはグレンフィディックのモルト原酒がブレンドされています。
銘柄に“トリプルウッド”が入っている通り、熟成には異なる3種類の樽が使われ、アメリカンオーク樽は繊細なバニラの口当たり、リフィルバーボン樽は濃厚でまろやかな甘味、ヴァージンオーク樽はスパイシーなたくましさをウイスキーに付与し、それぞれ8年以上熟成させた原酒をブレンドすることでなめらかな口当たりと芳醇な味わいを生み出しています。
グランツ トリプルウッド 8年の特徴
- 熟したリンゴのフルーティーさ、甘くクリーミーなバニラの風味が特徴。
- 2,000円台前半としては味わい豊かで高コスパ。
- ミディアム寄りのライトボディでどの飲み方も楽しめる。
バニラと熟したリンゴの甘い風味が強く、穀物の優しい甘味も。少しだけアルコール刺激もありますが全体的にバランス良くまとまっていてストレートでも飲みやすいでしょう。2,000円台前半であることを考えると素晴らしい仕上がりのブレンデッドウイスキーです。
グランツ トリプルウッド 8年のハイボール
フルーティーでありつつクリーミーなコクも感じられる味わいで、少し酸味が強まり、バニラ甘さとの相性もバッチリ。価格もリーズナブルなので気軽に楽しめ、一口飲んだら止まらなくなるおいしさです。
グランツ トリプルウッド 8年はこんな方にオススメです
- 2,000円台前半で色々な飲み方が楽しめるウイスキーをお探しの方
- 華やかでフルーティーなタイプのウイスキーをお探しの方
- リーズナブルでアルコール刺激が少なく初心者も飲みやすいウイスキーをお探しの方
ドラッグストアやスーパーでは取扱いのない店舗もありますが、酒屋さんやネット通販で安定して購入できますよ。
バランタイン 7年
銘柄 | バランタイン 7年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなど |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
バランタインはスコッチウイスキー販売量として世界第2位を誇る名ブランド。
バランタイン7年は2021年3月に全国発売された比較的新しい銘柄です。バランタインシリーズは、グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなどを主要原酒として、それ以外にも厳選された数十種類の原酒をブレンド。バランタイン7年では、100%アメリカンオーク樽で7年以上熟成した原酒をバーボン樽で後熟させています。
バランタイン 7年の特徴
- フルーティーで軽快な飲み心地。
- 常飲ボトルにオススメな味わいと価格。
- オン・ザ・ロックス、ハイボールがオススメ。
軽やかでフレッシュなフルーティーさ、少しエステリー(この要素が強いと接着剤臭)な華やかさが印象的なウイスキーです。
口に含んだ直後はリンゴとバニラ、その後チョコレート、レモンの柑橘感が感じ取れます。甘味だけでなく程よい苦味もあることで飲み飽きしない味わい。しばらく空気に触れさせてから味わうことで、弱めですが洋ナシも感じられるようになります。
アルコール刺激は、口に含んだ直後はそれほど感じられませんでしたが、後からじわりと口内と鼻奥をツンツン刺激してきますが、ストレートでもおいしく飲める程度の刺激です。
バランタイン 7年のハイボール
炭酸のシュワシュワにのって、花のような華やかさが現れます。リンゴ、バニラの風味も強く、フルーティー&華やかなハイボールです。特に鼻から抜けるリンゴが爽やかで、グビグビ飲んでしまいます。
バランタイン 7年はこんな方にオススメです
- リーズナブルで、フルーティー & 華やかなウイスキーをお探しの方
- バランタインファンの方
- 初心者でも飲みやすいウイスキーをお探しの方
ホワイトホース 12年
銘柄 | ホワイトホース 12年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | ラガヴーリン、クライゲラキ、グレンエルギン |
フルーティー・華やかLv. | 4 |
参考価格 | 2,200~2,500円 |
日本国内でのスコッチウイスキー販売量第1位の「ホワイトホース」。創業者のピーター・マッキーの跡を継いだ2代目マスターブレンダー:ジョン・ブラウンによって1930年代に「ホワイトホース 8年」が誕生しましたがいつしか幻のウイスキーとなってしまい、時を経て1990年に日本市場でのみ限定販売という形で復活しました。その後同じく日本限定でホワイトホース 12年が誕生し、現在も販売され続けています。
ホワイトホース 12年の特徴
- リンゴのフルーティーさとバニラの風味。
- まろやかなミディアムボディで余韻が長い。
- 同価格帯のブレンデッドウイスキー12年クラスの中では高いトータルバランス。
グラスにウイスキーを注いでいる瞬間から熟した赤いリンゴの甘い香りが立ち上り、鼻を近づけるとリンゴ、バニラ、わずかにスモーキーさも。
口に含むと熟した赤いリンゴ、バニラ、はちみつ、カラメルの甘さ、そしてドライプルーンのようなドライフルーツ感があります。鼻から抜ける香りの中にバニラウエハースとプルーンが感じ取れ、アルコール刺激はかなり抑えめでまろやかです。余韻は30秒ほどと長く、数秒で優しいスモーキーがやってきてそのまま消えていきます。
ホワイトホース 12年のハイボール
ハイボールにするとスモーキーさはほとんど感じられなくなってしまいます。スモーキーさが苦手な方はそのままで、スモーキーさも欲しい方は炭酸水を注いだ後にホワイトホース 12年をスプーン一杯液面にたらしてみて下さい。スモーキーさとリンゴのフルーティーさが強まってとてもおいしいですよ。
ホワイトホース 12年はこんな方にオススメです
- 普段の宅飲みでホワイトホース(ノンエイジ)を飲まれている方
- 2,000円台で華やかでコクのある甘い余韻と優しいスモーキーさのウイスキーをお探しの方
- ホワイトホース(ノンエイジ)は苦手だけど、ホワイトホース 12年が気になっている方
ホワイトホース(ノンエイジ)とは印象が異なりアルコール刺激がかなり抑えられてまろやかで飲みやすいですよ。
デュワーズ 12年
銘柄 | デュワーズ 12年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | アバフェルディ、オルトモア、ロイヤルブルックラ、クレイゲラキ |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 2,400~2,800円 |
デュワーズは、アメリカで絶大な人気を誇るスコッチブレンデッドウイスキーで、「スコッチといえばデュワーズ」といわれるほど。また、ハイボールの起源ともいわれています。
デュワーズ12年は、12年以上オーク樽で熟成された40種類のモルト原酒とグレーン原酒がブレンドされています。また、樽熟成させたモルト原酒とグレーン原酒をブレンド後に再び樽で熟成させる「ダブルエイジ製法」によってなめらかでバランス良くスムーズな味わいの商品設計になっています。
デュワーズ 12年は2024年1月頃からリニューアルボトルが出荷されています。ここで紹介しているのはリニューアルボトルですが、旧ボトルの方はレーズンと木樽の風味が強く、飲みごたえがありますよ。
デュワーズ 12年の特徴
- オレンジのような柑橘感とバニラの風味。
- 飲みやすいミディアムボディー。
- どの飲み方でもおいしく楽しめる万能タイプ。
アルコール刺激は弱めでまろやか、ストレートだけでなく、オン・ザ・ロックス、ホットウイスキーなど、どの飲み方もおいしく楽しめる万能タイプのブレンデッドウイスキーです。
麦チョコ、オレンジの香り、そしてはちみつ、オレンジ、リンゴ、バニラを足して平均化したような味わいで、突出した特徴はないもののウイスキー初心者でも飲みやすいのでオススメ。
デュワーズ 12年のハイボール
穀物の優しい甘さとフルーティーな爽やか&華やかさが味わえます。
フルーティーさはフレッシュなブドウとオレンジを足して2で割ったようなイメージで、飲む際にグラスに顔を近づけていく時点で香りから楽しめます。チョコレート感はやや弱まりますが、はちみつ、リンゴ、バニラ、穀物の甘さは炭酸のキレによって程よい甘さ。爽快フルーティーな喉越しでグビグビ飲めてしまい、ある意味危険です。
ノンエイジのホワイトラベルの約2倍も価格差がありますが、個人的にはその価格差以上のおいしさが楽しめると感じています。
デュワーズ 12年はこんな方にオススメ
- 華やかでフルーティーなちょっと贅沢ハイボールを楽しみたい方
- スーパーでも購入可能な3,000円以下のおいしいスコッチウイスキーをお探しの方
- 普段はデュワーズ ホワイトラベルを飲んでいて、12年が気になっていた方
デュワーズ カリビアンスムース 8年
銘柄 | デュワーズ 8年 カリビアンスムース |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | アバフェルディ、オルトモア、ロイヤルブルックラ、クレイゲラキ |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 2,200~2,700円 |
2021年5月にデュワーズ「樽シリーズ」第1弾として数量限定生産された「デュワーズ カリビアンスムース 8年」。“スコッチウイスキーと世界の樽を融合させることで、思いがけない新しい発見を。”が樽シリーズのコンセプト。デュワーズ カリビアンスムース 8年はダブルエイジ製法後の原酒をカリビアンラム樽で後熟(=カスクフィニッシュ)させています。
ラムとは世界中の様々な地域でつくられている4大スピリッツの1つ。原材料はサトウキビで、世界のラムの8割はサトウキビから砂糖をつくる時に取り除く「糖蜜」を原料としています。糖蜜をアルコール発酵させ、連続式蒸留機で蒸留することでラム原酒が得られ、ボトル詰めの際には加水してウイスキーと同様に40~50%のアルコール濃度にして充填されます。
デュワーズ カリビアンスムース 8年は数量限定として2021年5月に発売されましたが、2023年11月に再販されました。2024年4月現在でも適正価格で購入可能です。
デュワーズ カリビアンスムース 8年の特徴
- 黒糖のような甘さとトロピカルフルーツ感。
- ミディアム寄りのライトボディ。
- なめらかでストレートも飲みやすく、ハイボールが最もオススメ。
香り立ちはそれほど強くはありませんが、口に含むと黒糖のような甘い風味の後に熟したパイナップルのようなトロピカルフルーツの甘さを感じます。後味にはラム特有のコクのある甘味と、弱めですがトロピカルフルーツが残ります。
若いウイスキー特有の金属臭のようなものも感じられますが、味わいにはそれほど影響がありません。
デュワーズ カリビアンスムース 8年のハイボール
酸味が少し強まり、ストレートよりもさらにトロピカルフルーツ感が増します。黒糖の甘味も感じることができ、ラム樽熟成の味わいを最も楽しめる飲み方です。黒糖感はありますが爽快でライトな飲み心地のトロピカルハイボールです。
デュワーズ カリビアンスムース 8年はこんな方にオススメです
- カスクフィニッシュのウイスキーを飲んでみたい方
- 普段の宅飲みでデュワーズを愛飲している方
- ウイスキーが好きだけど、ラムも気になっている方
グレングラント アルボラリス
銘柄 | グレングラント アルボラリス |
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 40% |
主な熟成樽 | バーボン樽、シェリー樽 |
フルーティー・華やかLv. | 6 |
参考価格 | 2,500~2,800円 |
グレングラントはイタリアでシングルモルト売上No.1を誇る大人気ブランドです。今回紹介するグレングラント アルボラリスは創業180年を記念して発売されました。
「アルボラリス」とはラテン語で「木漏れ日」を意味します。グレングラント蒸留所の裏手には約3万3000坪に及ぶヴィクトリア朝庭園が広がっていて、この庭園にある育った木々の間から溢れる日の光をイメージした味わいなのでしょう。
アルボラリスにはバーボン樽とシェリー樽で熟成された原酒が使われています。
グレングラント アルボラリスの特徴
- レーズンの風味とバニラの甘さにほのかなエステリーさが調和
- ライト寄りのミディアムボディ
- 初心者にもオススメのコスパ最強シングルモルト
ストレートではグラスに注いでいる瞬間からフルーティーで華やかな香りとレーズンを思わせる香りが立ってきます。
バニラの甘味とわずかにエステリー(強すぎると接着剤のにおい)な香りを感じ、マカデミアナッツのような風味とオイリーさがあります。余韻はあまり長引かずに消えていきます。
グレングラント アルボラリスのハイボール
レーズンの風味が強まり、抑えめなバニラとはちみつを感じ取れます。余韻にはレーズンが残りますが、スーッと引いていきますのでどんどん飲めてしまいます。
とにかく香りと味わいがフルーティー&華やかなので、光の速さで飲み干してしまいます。
グレングラント アルボラリスはこんな方にオススメ
- フルーティーで華やかなハイボールにあうコスパ良しのウイスキーをお探しの方
- 初めて買うシングルモルトを何にしようか迷っている方
- 普段飲みでストレートでもおいしく飲めるウイスキーをお探しの方
ジェムソン スタンダード
銘柄 | ジェムソン スタンダード |
原産国 | アイルランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
ジェムソンはアイリッシュウイスキーのシェア率70%を超えるNo.1ブランド。
ジェムソン スタンダードはポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたブレンデッドアイリッシュウイスキーです。ポットスチルウイスキーとは、発芽した大麦麦芽と未発芽の大麦の両方が使われた風味豊かなウイスキー。使われる大麦はすべてジェムソンを製造するミドルトン蒸留所の周辺で収穫され、仕込み水は蒸留所の敷地を流れるダンゴニー川の水が使われています。
ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキーともに3回蒸留し、なめらかな酒質で万人受けする味わいをつくり続け、昔も今もアイリッシュウイスキーNo.1の座に君臨しています。
ジェムソン スタンダードの特徴
- ウイスキー初心者でも飲みやすいなめらかさ。
- 鼻から抜ける風味に乾いた甘さを連想させるスパイス感。
- ライトボディだけど価格の割に風味は豊か。
穀物由来の優しい甘さを思わせる香りを感じます。アルコール感も弱くそれほどクセを感じません。口に含んでみると香りで感じていたよりもフルーティーな甘さの他にクリーミーでオイリー、プラムのような酸味をともなう少し熟れたフルーツ風味を感じ、スモーキーさはありませんがちょっとした香ばしさがあります。鼻から抜ける風味には乾いた甘さのスパイス感が感じられ、ライトボディでありながら様々な風味が楽しめるアイリッシュウイスキーです。
ジェムソン スタンダードのハイボール
フルーティーで華やか、フルーティーさの中にはメロンを感じます。クリーミーさやオイリーさはストレートに比べて目立たなくなりますが、軽やかで雑味がなくスッキリとした飲みやすさ。
ライトな飲み口でクセがないのでどんな食事も邪魔をしない食中酒にもなるでしょう。
ジェムソン スタンダードはこんな方にオススメ
- アイリッシュウイスキーとしての最初の一本で迷われている方
- 低価格帯でバランス良く、ストレートもハイボールも楽しめるウイスキーをお探しの方
ブッシュミルズ
銘柄 | ブッシュミルズ |
原産国 | アイルランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
フルーティー・華やかLv. | 4 |
参考価格 | 1,900~2,700円 |
ブッシュミルズは1608年創業のアイリッシュウイスキー最古の歴史を持つブランド。かつて世界一の生産量を誇ったアイリッシュウイスキーは1920年代以降に衰退していきました。そんな中、ブッシュミルズはスコッチウイスキーと同様の製法によるブレンデッドウイスキー(モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキー)をいち早く取り入れ、出荷量を伸ばし、アイリッシュウイスキー復活にも貢献。
ブッシュミルズの白ラベル(通称ホワイトブッシュ)はブッシュミルズブランドのスタンダードボトルで、モルト原酒の比率は50%と高く、アイリッシュ伝統の3回蒸留によるクリーミーでまろやかな酒質が特徴に挙げられます。
ブッシュミルズはAmazonなどで購入するよりも、酒屋やスーパーの店頭価格の方が安く、1,000円台で購入できるお店もありますよ。
ブッシュミルズの特徴
- 1000円台とは思えないスムーズな飲み口。
- フレッシュでフルーティー・クリーミーな甘さ。
- アイリッシュウイスキーが初めての方にもオススメ。
香りは弱めですが軽やかなフルーティーさが感じられ、味わいは爽やかな柑橘やリンゴを感じます。柑橘はレモンから酸味を抜いてもう少しミカンに寄せた感じ。甘すぎずクリーミーで穏やかな飲み口で、余韻にはクリーミーなバニラがかすかに残り数秒で消えていきます。
ストレートだと少しアルコール刺激は感じますが、同価格帯のスコッチブレンデッドと比較すると気にならないレベルです。
ブッシュミルズのハイボール
フレッシュなフルーティーさがあって爽快でスッキリした甘さのハイボールが楽しめます。柑橘系のほろ苦さとクリーミーさもあるので飲み飽きしない味わい。香り・味わいはそこまで強くなく控えめなので、どんな食事にも合わせやすいでしょう。
ブッシュミルズはこんな方にオススメ
- 初めてウイスキーに挑戦する方
- 食事にも合わせやすく、クセがなくてスムーズでフルーティーなウイスキーをお探しの方
- スコッチブレンデッドのスモーキーさやアルコール刺激が苦手な方
前述のジェムソン スタンダードと比較すると、ブッシュミルズの方がライトでバニラの甘さが少し強かったです。ジェムソン スタンダードとの飲み比べについてはレビュー記事も書いていますので気になる方は是非ご覧ください。
バスカー アイリッシュウイスキー
銘柄 | バスカー アイリッシュウイスキー |
原産国 | アイルランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
フルーティー・華やかLv. | 5 |
参考価格 | 2,200~2,800円 |
バスカーは2016年創業のロイヤルオーク蒸留所、バスカー アイリッシュウイスキーは2020年12月に発売された比較的新しいアイリッシュウイスキーです。
バスカー アイリッシュウイスキーは自社製のモルトウイスキー・ポットスチルウイスキー・グレーンウイスキーの3種を絶妙にブレンドし、熟成にはバーボン樽、シェリー樽、マルサラ樽の3種類が使用されています。
これらの樽の特徴は以下の通り。
樽の種類 | 樽の概要 | 樽が熟成原酒にあたえる影響 |
---|---|---|
バーボン樽 | アメリカンウイスキーのバーボンを熟成させた後の樽 | 華やかな木香やバニラ香 |
シェリー樽 | スペイン産の酒精強化ワインであるシェリー酒の貯蔵・熟成に使われた樽 | 甘いシェリー香や濃厚な果実香 |
マルサラ樽 | イタリア産の酒精強化ワインであるマルサラワインの貯蔵・熟成に使われた樽 | 強い木香やキャラメル香、バニラ香、柑橘香 |
より細かくいうと、シェリー酒はフィノ、オロロソ、マンサリーニャなど数種類ありそれぞれでタイプが異なりますので、シェリー酒の種類によってその樽から熟成原酒にあたえる影響はちがってきます。とはいえ使われている熟成樽は3種類ともウイスキーに特徴的な甘い香りを付与する特徴があります。実際にバスカー アイリッシュウイスキーを飲んでみるととても濃厚な甘さがある印象でした。
バスカーではこのブレンドに用いられているモルトウイスキー・ポットスチルウイスキー・グレーンウイスキーそれぞれについても商品化されていますが売っているお店はまだ限られている状況です。
バスカー アイリッシュウイスキーの特徴
- 2,000円台中半でコスパ抜群の甘く飲みやすいウイスキー
- パイナップルの風味と甘味が楽しめる
- スムーズな割に味わいがしっかりしている
香り・味わいともに甘さを強く感じます。特に口に含んだ際のバニラとトロピカルフルーツの風味が印象的。飲み込んだ後、酸味が少し残る熟したパイナップルの香りが鼻から抜けていきます。少し酸味もあることで甘ったるくならずにトロピカル感が楽しめます。また、飲み込んだ後の余韻に喉奥で少し渋味も感じましたが、甘さの後に訪れるかすかな渋味によってまた次の一口が飲みたくなります。
バスカー アイリッシュウイスキーのハイボール
バスカー アイリッシュウイスキーはハイボールにすることでより一層パイナップルの香りが強まり、甘味は少し抑えられるので爽快なトロピカルハイボールが楽しめます。
バスカー アイリッシュウイスキーはこんな方にオススメ
- トロピカルなフルーティーさを楽しめるハイボールが飲みたい方
- 2,000円台中頃で飲みやすさと力強さがあるウイスキーをお探しの方
フォアローゼズ
銘柄 | フォアローゼズ |
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
アルコール度数 | 40% |
フルーティー・華やかLv. | 4 |
参考価格 | 1,500~2,000円 |
フォアローゼズのブランド名の由来にもなった4輪のバラ。フォアローゼズ創業者ポール・ジョーンズJr.がある舞踏会で出会った絶世の美女にプロポーズしたことから「フォアローゼズ」ブランドの物語が始まります。プロポーズの返事はすぐにはもらえず「もしOKだったら次の舞踏会にバラのコサージュをしてきます」と言われたそう。
そして約束の舞踏会の夜、彼女の胸元には4輪のバラのコサージュがついていて二人の愛が実りました。ポールは嬉しすぎて、自分の作ったウイスキーに4輪のバラのコサージュから「フォアローゼズ」と名前を付けました。
そんな逸話をもつフォアローゼズですが、バーボン業界の中でも特異的といってもいい製法へのこだわりがあります。なんと自社保有の5種類の酵母と原料配合の組み合わせで10種類ものバーボン原酒をつくり、それらをブレンドしているのです。
このフォアローゼズのスタンダードボトルでは最低5年熟成された10種類の原酒すべてが使われています。
フォアローゼズの特徴
- ライトボディでスムースな飲み口
- 華やかでフレッシュな味わい
- バーボン特有の接着剤臭が弱く、初心者も飲みやすい
香りはそれほど複雑ではなく、華やかで甘くそして少しエステリー(有機溶媒のような香り)。このエステリーさが強いとだんだんセメダイン(接着剤)のようなにおいになっていきますが、フォアローゼズはエステリーさが控えめ。バーボンがどのような味わいなのかを初心者の方が試すには良い一本になるかと思います。
口に含んでみると、香りからの印象よりも甘味が控えめです。飲んですぐにカラメルの甘さと香ばしい木樽の風味、余韻には香ばしい木樽とバニラが長く残ります。
フォアローゼズのハイボール
もともと弱めだったエステリーさがなくなり、華やかできれいな味わいが楽しめます。甘味は強すぎず弱すぎずでライトで心地よい飲み心地。フォアローゼズのハイボールは、フルーティーというよりは、華やか、リーズナブルなので気軽に楽しむことができます。
フォアローゼズはこんな方にオススメ
- バーボンウイスキーに初挑戦で、まずはライトタイプから試してみたい方
- 華やかで甘味のある、スコッチタイプとは別のウイスキーをお探しの方
- リーズナブルでハイボールにあうバーボンをお探しの方
まとめ:ちょっと贅沢でもフルーティーハイボールは飲んでみて!
ハイボールにあうフルーティー&華やか系ウイスキー(3500円以内)をぼくの独断と偏見で選出して紹介しました。フルーティー&華やか系ウイスキーは、ウイスキー初心者の方でもストレートだけでなくハイボールやその他の飲み方でもおいしく飲めるものが多いはず。
今回紹介したウイスキーは1000円台~3000円台のものを紹介しました。3000円台のウイスキーはアルコール刺激も少ないものが多いのでストレートでも飲みやすく楽しめるでしょう。ハイボールにしてしまうなんてもったいないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、贅沢ハイボールもぜひ飲んでもらいたい!もちろん1000円台のウイスキーも普段飲みにもってこいです。
1年前から比べると、ウイスキーの価格がどんどん値上がりしてしまっています。購入する場合は、店舗、Amazon、楽天市場などの価格を比較して少しでもオトクに買い物してください。この記事が皆さんのウイスキー選びの参考になれば嬉しいです。