ここ数年の冬は毎年暖冬とは言われていますが、それでも寒い日というのは必ずあるもの。寒さが厳しい夜、体を温めながらゆっくりと味わいたいのがホットウイスキーです。
ホットウイスキーとはウイスキーのお湯割りのこと。ウイスキーにお湯を注ぐことで、ウイスキーの香りと味わいが柔らかく、より豊かに広がり、寒い夜にあなたを暖かく癒してくれる一杯になります。
「ホットウイスキーっておいしいのかな」
「ウイスキーはハイボールでしか飲んだことないけど、ホットウイスキーも試してみたい」
「寒い日に、ホットウイスキーで一日の疲れをホッコリと癒したい」
この記事はそのような方に向けて書いています。
キャンプや肌寒い時期のBBQ、春先であれば花見などのアウトドアでもホットウイスキーはオススメですよ。
ホットウイスキーの作り方
ホットウイスキーにあう銘柄を紹介する前に、ホットウイスキーの作り方を簡単に紹介します。ここでお伝えするのはあくまでも一般的な目安であり、自分好みにカスタマイズしてもまったく問題ありません。(宅飲みルールは自由なんです)
耐熱グラスにお湯を入れ、グラスを温めておく
耐熱グラスがなければ、マグカップや低めのステンレスタンブラーなど耐熱性があるもので構いません。容器が温まったらそのお湯は捨てでもいいですし、もったいないのでチェイサーとして別のカップなどにうつしておいてもいいでしょう。
めんどくさいという方は、ウイスキーやグラスがキンキンに冷えていなければ省略してもいいですよ。冬時期にウイスキーを保管している室温が低すぎなければ大丈夫。
ウイスキーをお好みの量注ぐ
あまり少なすぎるとホットウイスキーにしたときに全量が少なくてすぐに冷めてしまうので、ある程度の量(30 ml以上)がほしいところ。
お試しで少なめに作ってみて、そのホットウイスキーが好みだったら次は多めにつくるというのもアリです。
お湯をウイスキーの2~3倍量加える
ウイスキーの量に対して、お湯を2~3倍量加えましょう。お湯の温度はお好みで70~80℃くらいを目安にしてください。沸騰直後の熱湯を加えてしまうと、ウイスキーの香りが揮散しやすくなり、飲む頃にはウイスキー本来の風味がなくなってしまうことがあります。
軽く混ぜる
ウイスキーにお湯を加えた時点で程よく混ざっていますが、最後の仕上げにマドラーやスプーンで1~2回し軽く混ぜてあげましょう。
このひと手間がアイラブユー:ホットウイスキー トディー
ホットウイスキーをさらに楽しみたい方に、トディー(toddy)という飲み方をご紹介。
トディーとは、ウイスキーなどの蒸留酒に甘味を加えて水や湯を加えたもの。甘味には、砂糖やシロップ、ハチミツ、ジャムなどが挙げられます。さらにお好みでレモンやオレンジなどの果実、シナモンやクローブなどのスパイス、ミントなどのハーブを加えて香りづけすることでバリエーションを楽しめます。
砂糖やハチミツなどはあらかじめ少量のお湯で溶かしてからウイスキーを注ぐとスムーズに作れますよ。
ホットウイスキーにオススメのウイスキー選考基準
ホットウイスキーを紹介するにあたり、今回は以下の選考基準でウイスキーを選びました。
- お湯割りにすることで、アルコール刺激は気にならない程度でそのウイスキー自体のおいしさを引き出す
- 入手しやすく、店頭やネットショップでいつでも購入できる
- 普段の宅飲み用として購入しやすい3,000円以下のウイスキー
ホットウイスキーにオススメの銘柄
これまで紹介したウイスキーの中からホットウイスキーにオススメの銘柄を12ボトルご紹介します。それぞれの銘柄の特徴も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- ブラックニッカ リッチブレンド
- ブラックニッカ ディープブレンド
- スーパーニッカ
- サントリー 角瓶 復刻版
- サントリー オールド
- サントリー スペシャルリザーブ
- バランタイン 12年
- グランツ トリプルウッド 8年
- ホワイトホース 12年
- アイラミスト
- フォーピーツセイク
- ジャックダニエル
ブラックニッカ リッチブレンド
銘柄 | ブラックニッカ リッチブレンド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | 宮城峡モルト |
参考価格 | 1,200~1,600円 |
ニッカウヰスキーの代表的なブレンデッドウイスキーといえば「ブラックニッカ」シリーズ。ブラックニッカ リッチブレンドはブラックニッカシリーズの中で華やかな甘さに特化させたブレンデッドウイスキーです。
ブラックニッカ リッチブレンドの特徴
- フルーティーで華やかな甘い香りがある
- 華やかな宮城峡モルト、シェリー樽モルトが使われている
- ホットウイスキー以外ではオン・ザ・ロックスやハイボールもオススメ
ブラックニッカ リッチブレンドにつかわれている主な原酒は華やかでフルーティーな宮城峡モルトと優しい甘さのカフェグレーン。また、一部にドライフルーツ風味を有するシェリー樽熟成モルト原酒も使われています。ストレートではアルコール刺激や苦味を感じますが、他の飲み方では驚くほど飲みやすくなります。
ブラックニッカ リッチブレンドのホットウイスキー
甘味とレーズン風味が強まり、そのあとにかすかなビターさがおとずれ、弱めですがメロンの風味も感じられます。かすかなビターさがあることで、強くなったはずの甘味をあまったるく感じずにまろやかで優しい甘さをリラックスしながらが楽しめます。
ブラックニッカ リッチブレンドはこんな方にオススメ
- リーズナブルにシェリー樽モルトの華やかさを感じてみたい方
- ホットウイスキー以外にも、ハイボールやオン・ザ・ロックスも楽しみたい方
- 普段はブラックニッカの他銘柄を飲んでいるけれどリッチブレンドはまだ未挑戦の方
ブラックニッカ リッチブレンドはなんといってもリーズナブル。ネットで買うよりもお近くの店舗で買った方がお得ですよ♪価格以上に華やかさを楽しめる一本です。
ブラックニッカ ディープブレンド
銘柄 | ブラックニッカ ディープブレンド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 45% |
主要モルト | 新樽熟成モルト |
参考価格 | 1,300~1,700円 |
続いて、ブラックニッカシリーズから“青い夜・心地良い深さ” をテーマにしたブラックニッカ ディープブレンドの紹介です。ラベルのデザインがまさに深さが表現された青い夜をイメージさせます。一日の終わり、夜が深まるとともに訪れる、ひとりの時間にディープブレンドでホットウイスキーはいかがでしょうか。
ブラックニッカ ディープブレンドには「新樽熟成モルト」が使われています。新樽とは一度もウイスキーなどの酒類の熟成につかわれていない新しい樽のこと。新樽は、酒類の熟成に使われた古樽に比べて、木材の成分が溶出しやすく、色づきが早く、香りも強いのが特徴です。
ブラックニッカ ディープブレンドの特徴
- アルコール度数が高くアルコール刺激は強めだが、ストレート以外の飲み方でもバランス崩れず楽しめる。
- リーズナブルながら味わい濃く、バニラや弱めのリンゴ、ビターさがある。
- ホットウイスー以外ではオン・ザ・ロックス、ハイボールもオススメ。
ブラックニッカ ディープブレンドはストレートで飲むと強めのツンとしたアルコール刺激・辛みがあるので、個人的にはストレート以外で飲むのをオススメします。
味わいの特徴としては、バニラやチョコレート、ウエハースの甘い風味と弱めのリンゴや柑橘類のフルーティーさがあります。それらの後に苦味が感じ取れます。スモーキーさは気にして探ってみるとわずかに感じられる程度です。
ブラックニッカ ディープブレンドのホットウイスキー
ホットウイスキーにすることで、バニラとリンゴ、そして優しい甘さが絶妙なバランスになります。ひとつ注意があるとすれば、濃いめにつくるとアルコール刺激や苦味も強く出てしまうので、ウイスキー:お湯=1:3くらいでお湯の割合を多めにすることをオススメします。
ブラックニッカ ディープブレンドはこんな方にオススメ
- 1,000円台の普段用宅飲みウイスキーをお探しの方
- リーズナブルにホットウイスキー、オン・ザ・ロックス、ハイボールを楽しみたい方
- ブラックニッカシリーズがお好きな方
アルコール度数が少し高めの45%と考えると、同価格帯で40%のボトルと比べてちょっとお得な気がしてしまうのは僕だけでしょうか。
スーパーニッカ
銘柄 | スーパーニッカ |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 43% |
主要モルト | 余市モルト原酒、宮城峡モルト原酒 |
参考価格 | 2,400~2,800円 |
日本のウイスキーの父、そしてニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝氏が追い求めた理想のウイスキーがスーパーニッカであり、政孝氏の最愛の妻・リタ夫人への愛と感謝から生まれた感動ストーリーが込められた銘柄です。1961年にそれまで政孝氏を支え続けてくれたリタ夫人が亡くなりました。政孝氏をその深い悲しみから立ち上がらせたのがスーパーニッカの開発でした。政孝氏がリタ夫人と交わした“誰もが認める本物のウイスキーをつくる”という約束は、スーパーニッカの誕生によって成し遂げられたのです。
現在のスーパーニッカは新樽熟成で華やかな宮城峡モルト・重厚で力強い余市モルトが主要モルトとしてブレンドされています。
スーパーニッカの特徴
- 甘さとまろやかなコク、ほのかなスモーキーが絶妙に調和。
- 味わい豊かで力強さがある。
- シングルモルトにも劣らないおいしさ。
穀物の優しい甘さや爽やかなメロンの甘さ、花のような華やかさ、木樽の風味の後にダークチョコレートとほのかなスモーキーさなど様々な要素がバランス良く調和しています。2,000円台のブレンデッドウイスキーとしては味わい豊かで力強さがあるウイスキーです。
スーパーニッカはアルコール度数が43%と少し高めなのが味わい豊かな一因でしょう。アルコール度数は高めですがアルコール刺激は少なめで、熟成感もそれなりにあり、ストレートでも問題ない飲みやすさです。
スーパーニッカのホットウイスキー
メロンの風味が一段と強まり、温かく華やかなメロンと心地良いビターチョコレートが穀物の優しい甘さととても相性良いです。ストレートでの味わい豊かさはそのままに、力強さはまろやかになってさらに飲みやすくなります。
スーパーニッカはこんな方にオススメです
- 2,000円台で味わい豊かで深みのあるウイスキーをお探しの方
- ストレート以外でハイボールやホットウイスキーも楽しみたい方
- NHKドラマ「マッサン」を見て、そのモデルとなった竹鶴政孝氏のリタ夫人への想いがこもったウイスキーを飲みたい方
竹鶴政孝氏とリタ夫人に思いを馳せながら、ニッカの熱い想いをゆっくり味わうのもいいものです。
サントリー 角瓶 復刻版
銘柄 | サントリー 角瓶 復刻版 |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 43% |
参考価格 | 2,500~3,000円 |
サントリー 角瓶が発売されたのは1937年のこと。サントリーの前身である「寿屋」は1924年からウイスキー製造を開始していましたが、初めて発売したウイスキーの「白札」とその翌年発売した「赤札」は大衆の支持をえられませんでした。資金難に見舞われていた寿屋が起死回生で発売したのが「サントリーウイスキー 12年もの」、のちにサントリー 角瓶と名付けられたウイスキーでした。
その後、角瓶は時代の変化に合わせてその時の人々に好まれるように変化してきました。現在の角瓶のイメージは「角瓶=ハイボール」という認識の方も多いのではないでしょうか。日本のハイボールブームの立役者は間違いなくサントリー 角瓶です。
サントリー 角瓶 復刻版の特徴
- 1937年当時の日本人向けに品質設計された味わい。
- 現行角瓶にはないドライフルーツ感と華やかさ。
- ハイボールよりもオン・ザ・ロックスやホットウイスキーがオススメ。
香り立ちからバニラやドライフルーツのどっしりした甘い香りを感じ取れ、控えめながらスモーキーさがあります。味わいはレーズンと蜜がつまったリンゴが強く、それと同時にスモーキーさも。余韻に木樽とカラメル、カスタードクリームを楽しむことができます。全体的に甘い風味要素が多い、ミディアムボディのウイスキーです。
サントリー 角瓶 復刻版のホットウイスキー
ホットウイスキーにすることで、はちみつやチョコレートの風味もわかりやすく感じ取れるようになりました。程よいスモーキーさとバニラ、はちみつ、カラメル、チョコレートの甘い風味がとても心地良く、濃いめにつくってもアルコール刺激はほとんどありません。
サントリー 角瓶 復刻版はこんな方にオススメ
- ジャパニーズブレンデッドウイスキーで味わい豊かなものをお探しの方
- サントリー角瓶を愛する方
- 角瓶の歴史に思いをはせて楽しみたい方
最近はネットショッピング価格が少し高騰しています。もし店舗で見かけて3,000円以内であれば購入検討してもいいかもしれません。
サントリー オールド
銘柄 | サントリー オールド |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 43% |
主要モルト | 山崎蒸溜所のシェリー樽原酒 |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
サントリー オールドは1950年発売から70年以上日本で好まれているブレンデッドウイスキー。1950~1960年代では、「出世してから飲む酒」としてビジネスマン憧れのウイスキーだったようです。主要モルトには山崎蒸溜所のシェリー樽原酒が使われていて、昨今ジャパニーズウイスキー人気によって入手困難なシングルモルトウイスキー山崎の風味を少し楽しむことができます。
サントリー オールドの特徴
- 山崎原酒のシェリー樽感がある。
- レーズン・バニラの甘味がまろやかにまとまっている。
- 最近値上げしてしまったけれど2,000円台のウイスキーの中では高コスパ。
香り立ちからはきちんと木樽やレーズン、弱めの柑橘が感じられ、味わいではバニラとレーズン感がまろやかにまとまっていて、鼻から抜けるシナモンのスパイシーな甘辛い風味が心地良いです。余韻にはオレンジピールチョコが感じ取れ、オレンジの爽やかな甘酸っぱさとビターチョコの風味が楽しめます。
サントリー オールドのホットウイスキー
ホットウイスキーにすることで、穀物の優しい甘さとビターチョコレート、バニラ、レーズンの風味が一段とバランス良くまとまります。サントリー オールドのおいしさをもっとも強く引き出せるのではないでしょうか。
ホットウイスキー以外の飲み方ではハイボールもオススメですので、暑い夏場はハイボールでスッキリと、寒い冬場はホットウイスキーでまったりと季節に関係なく楽しめます。
サントリー オールドはこんな方にオススメ
- 2,000円台で甘味があってバランスよくまとまりのあるウイスキーをお探しの方
- ホットウイスキー以外にハイボールにあうウイスキーをお探しの方
- 入手困難なシングルモルト山崎の代わりに、少しでも山崎感があるウイスキーを飲んでみたい方
個人的に、サントリー オールドをもっとも楽しめるのはホットウイスキーだと感じています。まだ試したことがない方は是非お試しください。
サントリー スペシャルリザーブ(3,000円前後を行ったり来たり)
銘柄 | サントリー スペシャルリザーブ |
原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | 白州蒸溜所のホワイトオーク樽原酒 |
参考価格 | 2,500~3,100円 |
サントリー スペシャルリザーブは、1970年に開催の大阪万博を見据えた1969年に「サントリー リザーブ」として発売されたブレンデッドウイスキーです。サントリーはサントリー リザーブを携えて大阪万博に出展し、国内のウイスキーファンはもちろん、来日した外国人からも良い評価を得ました。
翌年1971年には、ウイスキーの輸入が自由化し、同時に日本のウイスキー市場は国際化していきました。現行の「スペシャルリザーブ」に銘柄変更されたのは2008年のこと。スペシャルリザーブは日本のウイスキー国際化の波を乗り越えて今も愛されている実力派ウイスキーです。
ネットショッピング価格では3,000円オーバーになることが多いですが、酒屋さんの店舗などでは税抜きで2,000円台後半です。
サントリー スペシャルリザーブの特徴
- 強めの木樽の香り、リンゴと弱めのバニラの風味。
- 原酒に使われている白州蒸溜所のモルトを強く感じる。
- ハイボールとホットウイスキーがオススメ。
香りからは、酸味をともなうような木香の他にリンゴや弱めのバニラが感じ取れます。全体的に爽やかな香り立ちです。
味わいは、リンゴや洋ナシのフルーティーさ、バニラ、穀物の柔らかい甘さがあります。甘ったるさはなく、爽やかな甘さで、鼻から抜けていく香りに木の要素(削りたての白い木材のような)が強くあらわれます。
サントリー スペシャルリザーブのホットウイスキー
バニラ、フレッシュなフルーティーさと木樽の風味がより強くなります。爽やかな酸味がわずかに出てきたことで、バニラも感じつつ爽やかな飲み口のホットウイスキーになりました。他の飲み方よりも穀物の優しい甘さが目立つことで、ハイボールやオン・ザ・ロックスとは違ったおいしさが楽しめます。
ハイボールもオススメの飲み方です。シングルモルト白州の「森香る」を少し味わえますよ。
サントリー スペシャルリザーブはこんな方にオススメ
- 心地良い木の香りが味わえるウイスキーをお探しの方
- ストレートでも飲みやすく、ハイボールやホットウイスキーも楽しみたい方
- シングルモルト白州が入手困難だけど、少しでも白州感を味わってみたい方
バランタイン 12年
銘柄 | バランタイン 12年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなど |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 2,300~2,600円 |
バランタインは創業から約200年、スコッチウイスキーで世界第2位の販売量を誇る老舗ウイスキーメーカーです。1895年にはヴィクトリア女王からイギリス王室御用達の称号を得たことでスコットランドを代表するウイスキーメーカーに上り詰めました。
バランタイン 12年はグレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパをキーモルトとして、それ以外にも数十種類の最低12年以上熟成させた原酒を絶妙なバランスでブレンドしています。
バランタイン 12年の特徴
- 甘い風味が濃厚で複雑さも感じられるバランス型ウイスキー。
- バニラ、華やかリンゴ、クリーミーが強い。
- 2024年5月に出荷停止→ネットでやや高騰中、店舗でまだ2,000円台。
香りからはバニラとウエハース、わずかにリンゴを感じ取ることができます。アルコール刺激やスモーキーさはなく、きれいな酒質を連想させます。
味わいからは、華やかなリンゴとバニラウエハース、はちみつの風味があり、クリーミーな口当たりでストレートでも十分に飲みやすい印象。鼻から抜けていく香りの中にわずかにスモーキーさが存在します。
バランタイン 12年のホットウイスキー
ストレートで感じていたよりもバニラウエハースがより洗練され高級感が感じられます。余韻が長く、ゆったりと風味を味わえる、甘くクリーミーな優しい飲み口のホットウイスキーが楽しめるでしょう。
バランタイン 12年はこんな方にオススメ
- ウイスキーにこれから挑戦したい初心者(クセがなく飲みやすい)
- リーズナブルで、甘い風味のバランス型ウイスキーをお探しの方
- ホットウイスキー以外にオン・ザ・ロックスも楽しめるウイスキーをお探しの方
2024年5月で出荷停止=終売となりますので、気になる方は今のうちにご購入をオススメします!
グランツ トリプルウッド 8年
銘柄 | グランツ トリプルウッド 8年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイ |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
スコッチウイスキーとしての販売量がバランタインに次ぐ世界第3位を誇るブランドが「グランツ」です。グランツシリーズは特徴的な三角ボトル。グランツのキーモルト「グレンフィディック」と同様の形状です。この三角はウイスキーづくりに重要な要素である「火・水・土」をあらわしています。
「グランツ トリプルウッド 8年」は2022年に発売されたまだ新しい銘柄。“トリプルウッド”とある通り、熟成には異なる3種類の樽が使われています。アメリカンオーク樽は繊細なバニラの口当たり、リフィルバーボン樽は濃厚でまろやかな甘味、ヴァージンオーク樽はスパイシーなたくましさを原酒に付与し、それぞれ8年以上熟成させた原酒をブレンドすることでなめらかな口当たりと芳醇な味わいを生み出しています。
グランツ トリプルウッド 8年の特徴
- 熟したリンゴのフルーティーさ、甘くクリーミーなバニラの風味が特徴。
- 2,000円台前半としては味わい豊かで高コスパ。
- ミディアム寄りのライトボディでどの飲み方も楽しめる。
香りからバニラと熟したリンゴの甘さを感じ取れます。わずかにアルコール感はあるものの華やかでフルーティーな香りの方が印象的です。
味わいは、最初から熟したリンゴとバニラの風味が強く感じられ、穀物の優しい甘味と弱い苦味もあり、全体的にバランス良くまとまっています。余韻は長めでで甘味が主体、リンゴとバニラのフルーティーさの後にビターチョコがあらわれ、苦味はまろやかに消えていき、最後はウエハースのような風味が残ります。
グランツ トリプルウッド 8年のホットウイスキー
木の香りとフルーティーさが強まり、それがとても心地良い。甘味がメインなのは変わりませんが、苦味・雑味が弱まるのでよりフルーティーで飲みやすいホットウイスキーになります。ただし華やかさやフルーティーさは徐々に消えていくので、ゆったりまったりとホットウイスキーを楽しむことはできません。それでも一度は試していただきたいオススメの飲み方です。
どんな飲み方をしてもオールマイティーに飲みやすく楽しめますので、宅飲み常備の一本としてもオススメ。
グランツ トリプルウッド 8年はこんな方にオススメ
- 2,000円台前半で色々な飲み方が楽しめるウイスキーをお探しの方
- 華やかでフルーティーなタイプのウイスキーをお探しの方
- リーズナブルでアルコール刺激が少なく初心者も飲みやすいウイスキーをお探しの方
ホワイトホース 12年
銘柄 | ホワイトホース 12年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
主要モルト | ラガヴーリン、クライゲラキ、グレンエルギン |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
日本国内でのスコッチウイスキー販売量第1位の「ホワイトホース」。ホワイトホースといえば、キーモルトに“アイラの巨人”と言われるラガヴーリンが使われていることで有名。ラガヴーリンはアイラモルトの中でも重厚で深みがあるスモーキータイプのシングルモルトウイスキーです。そんなホワイトホースの中で、ホワイトホース 12年は日本市場専用に開発されたプレミアム品なんです。
ホワイトホース 12年の特徴
- リンゴのフルーティーさとバニラの風味。
- まろやかなミディアムボディで余韻が長い。
- 同価格帯のブレンデッドウイスキー12年クラスの中では高いトータルバランス。
香り立ちは強く、グラスにウイスキーを注いでいる瞬間から熟した赤いリンゴの甘い香りが立ち上ります。グラスに鼻を近づけるとリンゴ、バニラ、わずかに優しいスモーキーさが感じ取れます。
味わいは熟した赤いリンゴ、バニラ、はちみつ、カラメル、ドライプルーンの風味が強く、鼻から抜ける香りの中にバニラウエハースとプルーンが感じ取れます。アルコール刺激は少なく、口当たりはまろやか。コクのある甘味が強めで酸味・苦味・渋味とのバランスが良いです。
ホワイトホース 12年のホットウイスキー
甘味とフルーティーさ、スモーキーさがとても優しくまろやかにまとまります。余韻に少しメロンの風味も現れ、風味豊かにホットウイスキーが楽しめます。
個人的にホワイトホース 12年のもっともオススメの飲み方がホットウイスキーです。
ホワイトホース 12年はこんな方にオススメ
- 普段の宅飲みでホワイトホース(ノンエイジ)を飲まれている方
- 2,000円台で華やかでコクのある甘い余韻と優しいスモーキーさのウイスキーをお探しの方
- ホワイトホースの日本限定品の実力が気になる方
ホワイトホース(ノンエイジ)とは印象が異なりアルコール刺激がかなり抑えられてまろやかで飲みやすいですよ。
アイラミスト オリジナルピーテッド
銘柄 | アイラミスト オリジナルピーテッド |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | ラフロイグ |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 2,300~2,800円 |
アイラミストは、もともとは販売用としてではなく、当時のアイラ島大地主の息子のためのバースデーパーティー用につくられたものでした。この時のウイスキー製造を担当したのが当時のラフロイグオーナーだったイアン・ハンター氏。アイラミストにはキーモルトとして、アイラ島のウイスキーの中で圧倒的な生産量を誇るラフロイグが使われているのです。
ラフロイグといえば、「好きになるか、嫌いになるかのどちらか。」といわれるほど強烈な個性を持つウイスキー。アイラ島大地主はラフロイグが使われたブレンデッドウイスキーを飲んで「アイラの霧のようだ」と言ったのがアイラミストの始まりといわれています。
アイラミスト オリジナルピーテッドの特徴
- アイラモルト特有のスモーキーさと薬品感が控えめに楽しめる
- バニラやカラメルのコクのある甘さとスモーキーさがバランス良い
- アイラシングルモルトほどの強烈な個性はないから飲みやすい
香りからは、弱めのリンゴとヨード香(イソジンうがい薬系)があり、控えめながらアイラモルトの個性も感じ取れます。
味わいは、口に入れた直後にアルコール刺激を感じるものの、スモーキーさ、ヨード、バニラ、カラメルの風味と甘味が強く、少し遅れて潮とチョコレート、穀物の甘さ、柑橘、程よい苦味が感じられるように。鼻から抜けていく香りにアイラモルトの存在を感じ取れます。
アイラミスト オリジナルピーテッドのホットウイスキー
スモーキーさが強まる一方で、薬品臭が薄まります。穀物の優しい甘さとスモーキーさが心地良く楽しめるでしょう。アイラのウイスキーは薬品ぽさも売りの一つなので、アイラファンには物足りないかもしれませんが、薬品感が苦手な方にとってはとても飲みやすいスモーキーホットウイスキーです。
アイラミスト オリジナルピーテッドはこんな方にオススメ
- コスパ良く飲みやすいスモーキーウイスキーをお探しの方
- ラフロイグなどアイラモルトを購入するにはハードルを感じていて、その前にアイラモルト感抑えめなウイスキーを試したい方
- スモーキー系でホットウイスキーにあうウイスキーをお探しの方
フォーピーツセイク
銘柄 | フォーピーツセイク |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 2,700~2,950円 |
フォーピーツセイクはボトラーズとして有名なアンガスダンディー社によって製造されているスモーキータイプのブレンデッドウイスキーです。ボトラーズとは、蒸留所やその所有企業からウイスキーを樽などで買い付けて独自に熟成させてボトリングする業者のこと。アンガスダンディー社はスコットランドにグレンカダム蒸留所(スペイサイド)とトミントール蒸留所(ハイランド)も所有しています。
フォーピーツセイクにグレンカダムとトミントールの原酒が使われているかはわかりません。情報がほとんど無いので謎のウイスキーなんです。
フォーピーツセイクの特徴
- 土や草、少し潮が香るスモーキーブレンデッドウイスキー。
- ウイスキーが高騰している中で2,500円ほどで購入できてコスパ良し。
- ブレンデッドウイスキーの中では強めのスモーキータイプ。
香りからは、バニラやカラメルの甘い香りと同時に正露丸のような薬品臭とスモーキーさが感じ取れます。
味わいでは、土や草木の風味、弱めの八角やミントのような甘く清涼感のあるスパイシーさ、アイラモルトのようなスモーキーさと薬品感を強く感じます。バニラやカラメルの甘い風味は香りで感じたほど強くはありません。アルコールのピリピリした刺激と苦味はありますが、ミディアム~フルボディの酒質で飲みごたえあり。鼻から抜けていく香りにレモンのような柑橘も少し感じます。
フォーピーツセイクのホットウイスキー
甘さが引き立ち、苦味や薬品感は落ち着きます。それでいてスモーキーさは強いままなので、甘くスモーキーな風味が強いホットウイスキーです。スモーキーは好きだけど、薬品臭が強いのは苦手という方にはピッタリでしょう。
フォーピーツセイクは、アイラモルト好きであれば(シングルモルトほどの個性はありませんが)どの飲み方も楽しむことができ、それぞれの飲み方で少しずつ印象が異なるウイスキーだと感じます。特にホットウイスキーにしたときはブレンデッド特有のグレーン感が優しい風味を与えてくれます。
フォーピーツセイクはこんな方にオススメ
- スコッチのアイラモルトの風味が好きで、コスパの良いウイスキーをお探しの方
- スモーキーなハイボール・ホットウイスキーに合うウイスキーをお探しの方
- 飲みやすさがありつつ、スモーキー&薬品感も楽しめるウイスキーをお探しの方
ジャックダニエル ブラック
銘柄 | ジャック ダニエル ブラック(Old No.7) |
原産国 | アメリカ(テネシー州) |
分類 | テネシーウイスキー |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
ジャックダニエルはアメリカンウイスキーを代表するブランド。アメリカンウイスキーといえばバーボンウイスキーを思い浮かべる方は多いと思いますが、アメリカンウイスキーとして販売数でダントツ一位を誇るのがテネシーウイスキーに分類されるジャックダニエルです。
テネシーウイスキーの最大の特徴、それは「チャコールメローイング製法」。チャコールメローイング製法とは、蒸留したてのウイスキーをサトウカエデの木炭で時間をかけてろ過する製法。この製法によって角がとれてまろやかな味わいになります。
ジャックダニエル ブラックの特徴
- メープルシロップと接着剤の風味強め。
- アルコール刺激は少ない。
- ホットウイスキー以外のオススメの飲み方はオン・ザ・ロックス。
香りからは、酸味をともなうエステリーさ(弱いと華やか、強いと接着剤臭)とメープルシロップの甘い香りが印象的です。ジャックダニエルはエステリーさが強くまさに接着剤のにおい。複雑さはそれほどありませんが、香りからしてかなり個性的です。
味わいも香りで感じた通りの接着剤とメープルシロップ感。華やかさも感じますがそれを上回る接着剤臭です。テネシーウイスキーの特徴でもあるチャコールめローイング製法の影響でしょうか、アルコール刺激はそれほど強くはなく、なめらかな舌触りとスコッチウイスキーのスモーキーさとは異なった甘く焦げた炭感があります。
最初は飲み慣れていないせいでダメかもと思っても、飲み進めるうちに段々クセになってくるかもしれませんよ。(僕のように)
ジャックダニエル ブラックのホットウイスキー
お湯で割ってすぐは接着剤臭が強いですが、少し時間をおくと接着剤臭はかなり弱まり、とてもまろやかな飲み口になります。メープルシロップの風味はきちんと残り、ジャックダニエルの個性を柔らかく楽しめるでしょう。
ストレートではどうしても接着剤臭が気になってしまう方でも、ホットウイスキーであれば格段に飲みやすくなります。ジャックダニエルを買ってみたはいいものの、個性が強すぎてボトル一本消費できないかもと感じてる方はぜひ試していただきたいです。
ジャックダニエル ブラックはこんな方にオススメ
- 普段バーボンウイスキーを飲み慣れていて、接着剤臭に耐性がある方
- メープルシロップの風味をウイスキーで楽しみたい方
- 2,000円台で個性が強めのウイスキーをお探しの方
最後に:日本のブレンデッドウイスキーはホットウイスキーと相性◎
3,000円以下のホットウイスキーにあう銘柄を12本紹介しました。12本中6本が日本のブレンデッドウイスキーでした。日本ではお酒の歴史的に、日本酒の燗酒や焼酎のお湯割りなどお酒を温かくして飲む酒文化が根付いていることも関与しているのか、日本のウイスキーは温かくして飲むホットウイスキーと相性良い商品設計になっているのかなと感じています。
寒い夜にホットひと息つけるお供のウイスキーの参考になりましたでしょうか。普段の宅飲みウイスキーがほとんどハイボールだけという方も中にはいらっしゃるでしょうが、ぜひホットウイスキーもお試しいただき、より良い宅飲みを楽しんでいただけたらと思います。