レビュー|ザ・グレンリベット14年 コニャックカスク・セレクション|芳醇な味わいが魅力

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【レビュー】ザ・グレンリベット14年コニャックカスク
らま

スコットランド政府公認第一号「ザ・グレンリベット」のユニーク商品『ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクション』を紹介します。紫色のラベルは高級感を醸し出していますね。

「ザ・グレンリベット14年 コニャックカスク・セレクション」はこんなウイスキー

  • コニャックカスク由来の熟したレーズンなどのフルーティーさが素晴らしい。
  • 強くまろやかでフルーティーな甘さが押し寄せ、余韻も長く楽しめる。
  • ちょっとお高めの価格だけど満足感のあるシングルモルト。

記事の後半ではザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。

目次

ザ・グレンリベット14年 コニャックカスク・セレクションの基本情報・ストーリー

基本情報

銘柄ザ・グレンリベット14年 コニャックカスクセレクション
 原産国スコットランド(スぺサイド)
 蒸留所ザ・グレンリベット蒸留所
 分類シングルモルト
 仕込み水ジョージーの湧き水
 アルコール度数40%
 主な熟成樽バーボン樽、シェリー樽、コニャック樽(一部)
 所有者シーバスブラザーズ社
 取扱いペルノ・リカール・ジャパン
 参考価格約5,500~6,500円

ストーリー

モルト原酒の一部をコニャックカスクで熟成

「ザ・グレンリベット」はスコットランドのスペイサイド地方で1824年に政府公認第一号の蒸溜所となった伝統あるブランド。スタンダードボトルに「ザ・グレンリベット12年」がありますが、今回紹介するのはさらに熟成年数の長い「ザ・グレンリベット14年 コニャックカスク・セレクション」です。

らま

ザ・グレンリベット14年 コニャックカスクセレクションだと名前が長すぎるので、以下「ザ・グレンリベット14年」とします。

ザ・グレンリベット 14年の日本での販売開始は2020年12月のこと。当初はEC限定販売(Amazonや楽天市場などのオンラインショップ)でしたが好評を博し、販売チャネルを拡大して2021年11月から全国発売されることになりました。日本でEC限定販売される前には米国市場限定品として発売され、そちらでも大人気だったとか。


ザ・グレンリベット 14年は、バーボン樽とシェリー樽でそれぞれ14年間熟成させたモルトウイスキーをブレンドし、その一部をさらにコニャックの熟成に使用された高品質な樽で6ヶ月間以上熟成させて仕上げています。

コニャックとは:ブドウを原料にしたブランデーの一種

コニャックとはブランデーの一種で、フランスのコニャック地方で造られるグレープブランデー(ブドウを原料にしたブランデー)かつ厳しい規定をクリアしたものです。ブランデーとは簡単にいうと果物(ブドウ、リンゴ、洋ナシ、プラムなど)を発酵・蒸留させたお酒のこと。ウイスキーとの違いは、ウイスキーは穀物からつくられ、ブランデーは果物からつくられるという違いです。下図はウイスキーとブランデーの違いを簡単にまとめたイメージなのでご参考までに。

ウイスキーとブランデーの違い
らま

見た目は似ているウイスキーとコニャックですが、その香りや味わいには違いがあります。コニャック樽での6ケ月熟成がどの程度影響を及ぼすのか楽しみです。

キャプテン ビル・スミスからインスピレーションを得たボトル

ザ・グレンリベット創業者ジョージ・スミスは1820年代のスコッチウイスキーの発展に大きな影響を及ぼしました。そしてその約100年後にはジョージ・スミスのひ孫にあたるキャプテン ビル・スミス(ウィリアム・ヘンリー・スミス・グラント)がザ・グレンリベットを世界的に飛躍させました。

ビル・スミスがザ・グレンリベット蒸溜所を経営していた間の1920~30年代にはウイスキー業界にとって世界的な出来事が起きていました。ひとつが世界恐慌(1929~1936年)、もうひとつがアメリカでの禁酒法(1920~1933年)です。第一次世界大戦後、1920年代に世界一の経済大国として発展したアメリカは行き過ぎた大量生産・大量消費から生産過剰に陥り、株価の大暴落が起きてアメリカ経済は破綻しました。世界経済はアメリカ経済に依存する体質になってしまっていたため、アメリカの経済破綻は世界経済の破綻へとつながったのです。

らま

世界恐慌はもちろんスコットランド経済にも不況をもたらしました。そんな中でもビル・スミスはしっかりと原酒を蓄えていました。

ザ・グレンリベット蒸溜所は不況下でも蓄えていたウイスキー原酒によって、禁酒法が廃止され世界恐慌が終息しイギリスとアメリカとの国交が回復した後のアメリカにおけるウイスキー需要にこたえることができたのです。

また、ビル・スミスは第一次世界大戦に徴兵され英雄として叙勲されていました。第一次世界大戦ではイギリスはフランスと協定を結んでいたことからも、ビル・スミスをインスパイアしたボトルとしてスコッチウイスキーをフランスのコニャック樽で熟成させることには意味があったのです。

ザ・グレンリベット 14年のテイスティングレビュー・評価

ザ・グレンリベット 14年の特性レーダーチャート

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスクセレクションの特性レーダーチャート
【香り】調和:6,豊か:4,個性的:4
【味わい】調和:6,まろやか:6,豊か:6,濃い:5,個性的:5

ザ・グレンリベット 14年の特徴

コメント(ストレートでの評価 オススメ度:

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク:ストレート

香りからは熟したレーズンやはちみつ、バニラ、樽由来でしょうか木の香りが感じとれます。香りの強度はそれほど強くないですが調和が取れている印象です。

口に含むとワンテンポ遅れて強いけれどまろやかな甘味が押し寄せてきます。まずレーズン、はちみつ、弱めのみずみずしいブドウの後にミルキーなバニラを感じ、全体的にフルーティーな甘さが強く感じられます。

余韻は40秒以上続くので長い時間楽しめます。10秒くらいから徐々に甘味が抜けていき、隠れていたアプリコットやさくらんぼのような甘酸っぱい風味が現れます。終盤にはクリーミーさとブドウが残り、口内での味わいの変化を楽しむことができます。

らま

口に含んでから余韻に至るまで味わいの変化がありながらもバランス良く調和しています。

ザ・グレンリベット 14年の飲み方別 オススメ度

飲み方オススメ度
ストレート
ストレート
5
加水
加水
5
オン・ザ・ロックス
オン・ザ・ロックス
3
ハイボール
ハイボール
5
ホットウイスキー
ホットウイスキー
3

加水 オススメ度:

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク:加水

数滴の加水でアルコール刺激はほとんど感じなくなり、レーズンとみずみずしいブドウ感がアップします。ザ・グレンリベット 14年のコニャック風味が強調されたように感じました。

オン・ザ・ロックス オススメ度:

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク:オン・ザ・ロックス

もともと苦味や渋味が弱いウイスキーですが、冷やすことで甘味も抑えられ、きれいな飲み口になります。しかし悪く言うと特徴もなくなってしまうためオススメはできません。

ハイボール オススメ度:

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク:ハイボール

レーズンとブドウのみずみずしい風味が強く感じられ、のど越しの爽快感が気持ち良いです。のど越しの後に少し渋味がありますがそれが良い深みを演出してくれます。

少し濃いめにつくることでさらにおいしさが際立つので、ぜいたくなハイボールではありますが是非試していただきたいです。

ホットウイスキー オススメ度:

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク:ホットウイスキー

鼻を近づけると酸味をともなう木の香りがのぼってきます。口に含むと少しチョコレート要素も感じられ、ぶどう風味、甘味、渋味、苦味がバランス良く心地良かったのですが、徐々に複雑でおいしい風味が抜けていき単調になってしまいました

ホットウイスキーにしてすぐに飲み干すのであればとてもおいしいのですが、まったりと飲むには適していません。

ザ・グレンリベット 14年とザ・グレンリベット 12年の比較

ザ・グレンリベット 14年とザ・グレンリベット 12年の比較

ザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」と比較しました。ウイスキーの色は14年の方が濃い琥珀色です。

ザ・グレンリベット 14年とザ・グレンリベット 12年の特性比較

ザ・グレンリベット 14年とザ・グレンリベット 12年の特性比較

ザ・グレンリベット 14年とザ・グレンリベット 12年の特徴比較

これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。

スクロールできます
ザ・グレンリベット 14年ザ・グレンリベット 12年
特性コニャックカスクの風味をうまく取り入れた
バランス優秀ウイスキー。
クセは少ないけれどすべてが平均点以上の優等生。
特徴〇熟したレーズンのフルーティーさが強い
〇余韻が長いミディアムボディ
〇バニラ、はちみつ、オレンジが強め
〇ライト寄りのミディアムボディ

グラスに鼻を近づけた際に感じる香りに関しては12年のほうが強く感じました。14年の香りはそれほど強くはないのですが、その分香りで想像するよりも口に含んだ際のインパクトに感動できるシングルモルトです。

12年は口に含んですぐにフルーティーさやバニラ、はちみつが感じ取れますが、14年は1~2秒遅れて複雑な味わいの波が押し寄せてきます。(14年も口に含んですぐに味わいはするのですが、それよりもはるかに強い味わいが遅れてやってきます。)

14年は12年と比べてアルコール刺激がやや少なく、豊かな味わいです。まろやかさに関しては12年と14年でそれほど違いは感じられませんでした。これに関してはさすがザ・グレンリベットのスタンダードボトル=12年だなと素直に感心。

感想・まとめ:円熟したフルーティーさが楽しめる嬉しいボトル。

その人気によってEC限定商品から定番品になった「ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクション」を紹介しました。14年熟成モルト原酒の“一部をコニャックカスクで6ケ月熟成”ということだったので、もしかしたらかすかにコニャック感が味わえる程度なのかと想像していましたが、ザ・グレンリベットの特徴を活かしつつコニャック感がバランス良く調和したすばらしいウイスキーでした。

らま

容量が700mlではなく、750mlでちょっと多い点も嬉しいです!

こんな方にオススメ
  • スコッチシングルモルトウイスキーとコニャックカスクの融合に興味がある方
  • ザ・グレンリベットファンの方
  • バランス良くまろやかでレーズンとぶどうの風味が楽しめるシングルモルトに興味がある方
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