赤みがかった紫色のラベルと1000mlという大容量がかなりの存在感をかもし出している『ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブ』を紹介します。このボトルは空港免税店向け商品「トリプルカスクシリーズ」のひとつであり、トリプルカスクシリーズのベースとなるシングルモルトウイスキーでもあります。
僕は酒販店のやまやさんで¥5,500(税込)で見つけて購入しました。お近くにやまやさんがある方はのぞいてみて下さい。
- ノンエイジながらザ・グレンリベットの特徴がしっかり楽しめる。
- 樽由来(?)の苦味が強めで後味にも残る。
- もっともオススメの飲み方はフルーティーさが強まるホットウイスキー。
記事の後半ではザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブ |
原産国 | スコットランド(スぺサイド) |
蒸留所 | ザ・グレンリベット蒸留所 |
分類 | シングルモルト |
仕込み水 | ジョージーの湧き水 |
アルコール度数 | 40% |
主な熟成樽 | アメリカンホワイトオーク樽、EXシェリー樽、トラディショナル樽 |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 約5,500~6,500円(1,000ml) |
ストーリー
3種類の樽原酒をバランスよくブレンド
『ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブ』は空港免税店用商品「トリプルカスクシリーズ」のひとつ。トリプルカスクシリーズは3商品が発売されていて、ディスティラーズリザーブの他に「ホワイトオークリザーブ」、「レアカスク」があります。
3商品とも共通して下表に示す3種類の樽によってモルト原酒を熟成しブレンド。ディスティラーズリザーブをベースとして、ホワイトオークリザーブはアメリカンホワイトオーク樽原酒の比率を高くブレンド、レアカスクはシェリー樽原酒の比率をかなり高めにブレンドしたものです。
熟成樽の種類 | 付与される風味 |
アメリカンホワイトオーク樽 | バニラを含んだクリーミーな甘さ |
シェリー樽(古樽) | リッチなドライフルーツとスパイシー |
トラディショナル(ヨーロピアンオーク)樽 | 一貫したバランスと、ほのかな樽の風味 |
ディスティラーズリザーブとスタンダードボトル12年に使われる樽の違い
「ザ・グレンリベット」はスコッチシングルモルトウイスキーの中では元祖といっても良いほどの歴史と実績を持つ老舗。ザ・グレンリベットのスタンダードボトル「ザ・グレンリベット 12年」はヨーロピアンオーク樽とアメリカンオーク(=アメリカンホワイトオーク)樽が主な熟成樽として使われていて、フルーティーさとバニラ、はちみつの甘い風味がバランスよく楽しめる銘酒です。
ディスティラーズリザーブはノンエイジとはいえ、12年の味わいの中核になるアメリカンホワイトオーク樽とヨーロピアンオーク樽が使われていて、さらにシェリーの古樽による風味が加わっていることになります。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブのテイスティングレビュー・評価
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブの特性レーダーチャート
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りからはビスケット、薄めのバニラ、レーズンが感じ取れます。香りの強度はそれほど強くはありません。
口に含むと序盤からアルコールのピリピリした刺激とともに木樽由来と思われる苦味・渋味が強いです。粗さのある風味で厚みはなく熟成感はありませんがザ・グレンリベット特有のフルーティーな甘味やはちみつはしっかり感じ取れます。
余韻は20秒以上続き、アルコールのピリピリした刺激が徐々に抜けていくと柑橘の風味やバニラが目立つように。苦味は序盤から余韻にかけて常に感じるものの徐々に弱まるため、時間が経つにつれてフルーティーな味わいを感じやすくなります。
ストレートでは口に含んでからの序盤よりも余韻でバランスの取れた味わいが楽しめます。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でまだピリピリした刺激はあるもののアルコール刺激がだいぶ抑えられます。
甘味はそのままに苦味と渋味が抑えられ、相対的に甘くなった印象です。木に含まれるタンニンのような渋味が後味に残ります。
加水してから数分経つとさらに刺激がなくなって飲みやすくなりますのでお試しください。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
甘味が弱まりビターチョコ感が強まります。柑橘系の皮に含まれているような苦味も感じ取れるようになり、全体的に苦味が強調されました。
ハイボール オススメ度:
ほどよい柑橘系の苦味とレーズン、はちみつの風味が楽しめます。鼻から抜ける香りは華やかで心地良さがあり、ほどよい苦味がハイボールのキレにもつながり、後味スッキリした飲み口です。
ホットウイスキー オススメ度:
ウイスキー:お湯=1:2の濃いめのホットウイスキーだと苦味とアルコール刺激がまだ主張してきます。
ウイスキー:お湯=1:3だとフルーティーな香りや味わい、甘味が強まってさらにバランスが整いました。
余韻は短くなりますがとても飲みやすいホットウイスキーです。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブとザ・グレンリベット 12年の比較
ザ・グレンリベットのスタンダードボトルである「ザ・グレンリベット 12年」と比較しました。色は12年よりもディスティラーズリザーブの方がやや薄めの黄金色です。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブとザ・グレンリベット 12年の特性比較
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブとザ・グレンリベット 12年の特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブ | ザ・グレンリベット 12年 | |
---|---|---|
特性 | 深みや熟成感は少なく、余韻での調和が良い。 | クセは少ないけれどすべてが平均点以上の優等生。 |
特徴 | 〇フルーティーな甘味はある一方で、樽由来の苦味がやや強い。 〇ライトボディ | 〇バニラ、はちみつ、オレンジが強め。 〇ライト寄りのミディアムボディ。 |
グラスに鼻を近づけた際に感じる香りに関して、12年のほうが特にバニラやはちみつ、レーズンをかなり強く感じました。
味わいに関しては12年の濃さや熟成感を“10”とするとディスティラーズリザーブは“6”ほどでしょうか。ザ・グレンリベット12年を薄めて樽由来の苦味や渋味をたしたような印象です。12年の出来が良すぎるというのもありますね。
感想・まとめ:ハイボールやホットウイスキーでアルコール刺激がなくなり飲みやすい。
空港免税店向け商品として発売され、今では一部の酒屋さんやEC(ネット販売)で購入可能な「ザ・グレンリベット ディスティラーズリザーブ」を紹介しました。ストレートではピリピリしたアルコール刺激と苦味が強いので、ハイボールやホットウイスキーでの飲み方が個人的にはオススメです。
僕がこのウイスキーを購入したときの価格は税込みで5,500円でした。1,000mlの大容量ボトルなので、700ml換算すると3,850円になります。これはスタンダードボトルのザ・グレンリベット12年とノンエイジのファウンダーズリザーブのちょうど間くらい。
同価格帯であればちょっと良い12年もののブレンデッドウイスキーも購入可能です。価格とおいしさの面でコスパはあまりよくないかもしれませんね。
スコッチの老舗:ザ・グレンリベットの様々な試みのひとつがこのトリプルカスクシリーズだと思います。個人的には好きなメーカーのチャレンジ精神は応援したいので今後もいろんな新商品を出してもらいたいです。
- ハイボールで飲んでいる瞬間は華やかでフルーティー、後味スッキリのウイスキーをお探しの方
- ザ・グレンリベットファンの方