今回ご紹介する「ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ」はスタンダードボトルのザ・グレンリベット12年に近い価格で販売されているノンエイジのシングルモルトです。
“ザ・グレンリベット創始者のジョージ・スミスに捧ぐクラシックフレーバーのシングルモルト”として品質設計されたのが「ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ」です。
- クセの少ないフルーテーィなライトボディ。
- ややメロンや柑橘系の味わいの後にクリーミーな甘さ。
- 開栓直後よりも時間が経ってから飲みやすくなる。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ |
原産国 | スコットランド |
蒸溜所 | ザ・グレンリベット蒸溜所 |
分類 | シングルモルト(スペイサイド) |
アルコール度数 | 40% |
仕込み水 | ジョージーの湧き水 |
主な熟成樽 | アメリカン・ファーストフィル・オーク樽 |
所有者 | シーバスブラザーズ社 |
取扱い | ペルノ・リカール・ジャパン |
参考価格 | 約3,000~3,800円(ザ・グレンリベット12年より少しだけリーズナブル) |
ストーリー
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブは熟成年数表記が無いノンエイジ:NAS(Non Age Statement)のシングルモルトウイスキーです。
創業者のジョージ・スミスがウイスキー製造を始めた当初は、熟成年数表記されたウイスキーは無く、ウイスキーの熟成樽を自由に選んでいました。ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブのコンセプトは創業当初の自由なやり方を再現することとあります。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブに使用されるアメリカン・ファーストフィル・オーク樽は当時は用いられていなかった熟成樽ですが、現代の嗜好に合うように使用しているようです。
要は、「年数表記にとらわれずザ・グレンリベットらしさを追求したシングルモルトウイスキー」ということですね。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブのテイスティングレビュー・評価
今回レビューするザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブは現行ボトルではなく、一つ前の旧ボトルになります。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブの特性レーダーチャート
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りは、クセが少なくスッキリしていてバランスが良く、クリーンでソフトな印象です。やや柑橘の爽やかさも感じられます。
味わいに関しては、香り同様個性は弱いですが爽やかな甘さでバランスがとれています。まず口に含むと最初にそれほど熟していないメロンのような風味と柑橘系のさわやかなフルーティさフローラルな華やかさを感じ、その後にクリーミーな甘さがやってきます。スモーキーさはほとんど感じられません。ザ・グレンリベット特有のきれいな味わいのライトボディタイプです。
開栓直後はアルコール刺激を感じましたが、数か月経過した現在は開栓直後の印象よりも飲みやすく感じています。空気に触れたことでウイスキーの香りと味わいが開き本来のポテンシャルが発揮されたのかもしれません。
もし実際に飲んでみて香り・味わいが単調でアルコール刺激も強く感じるようでしたら、グラスに注いだ後にすぐに飲まずに空気に触れさせてみることをオススメします。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 5 |
ハイボール | 4 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
水を数滴加水するだけで、ストレートで感じられたアルコールのピリピリ感がなくなり、穀物由来の柔らかい甘みがより強くなります。
ストレートよりも酸味が少し強くなり、心地良い酸味になります。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
スッキリした甘さが引き立ちました。
アルコール刺激がかなり抑えられ、とても飲み口の良い軽やかなフルーティさと華やかさで、チビリチビリというよりはグイグイ飲めてしまう危険な飲み物になりました。
ハイボール オススメ度:
ハイボールは食中酒としてオススメです。
穀物の柔らかい甘味と心地良い渋味、柑橘系の風味が味わえます。クセはありませんので料理の味を邪魔することなく、それでいてシングルモルトの味わいも感じます。
ホットウイスキー オススメ度:
柑橘系の風味と穀物の甘味がとてもまろやかに味わえます。
お湯で割ってからまず香りをお楽しみください。割った直後に口に含むとアルコール刺激を感じますが、少し時間をおいてから飲むとアルコール感はほとんど感じなくなります。
個人的にこのウイスキーはホットウイスキーとして飲むのが好みです。
オススメはウイスキー:お湯=1:2の割合です。
ザ・グレンリベット12年との比較
ザ・グレンリベットのスタンダードボトルである12年と比較してみました。色はファウンダーズリザーブの方が12年に比べてややうすいです。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブとザ・グレンリベット12年の特性比較
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブとザ・グレンリベット12年の特徴比較
ファウンダーズリザーブと12年の違いに着目した比較表も用意しました。
ファウンダーズリザーブ | 12年 | |
---|---|---|
特性 | クリーンで12年よりクセがない | クセは少ないけれどすべてが平均点以上の優等生 |
特徴 | ・ややメロンや柑橘系の味わい ・ライトボディ | ・バニラ、はちみつ、オレンジが強め ・ライト寄りのミディアムボディ |
味わいはかなりの差を感じました。ファウンダーズリザーブは香りだけで嗅ぐよりもバニラ・はちみつ系の風味はうすく感じました。12年で感じる柑橘の強さはそのままに、他要素の味わいを一回り弱くするとファウンダーズリザーブになるといった印象です。アルコール刺激はやはり若い原酒も使っているであろうファウンダーズリザーブの方が強いです。
12年を好んで飲まれている方にとっては、ファウンダーズリザーブは物足りなく感じてしまうかもしれません。
感想・まとめ:フルーティーでライトボディのシングルモルト
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブはさわやかな柑橘系風味を楽しめるバランスの良いスッキリライトボディのシングルモルトでした。
ザ・グレンリベット12年を飲み慣れている方からすると物足りなくなることでしょう。しかし、12年と同様にザ・グレンリベット特有のフルーティさとバランスの取れた甘さは感じられます。
これからシングルモルトウイスキーを飲んでみたいという初心者で、さわやかな味わいと香りを望む方はザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブを、よりクリーミーで甘い味わい・香りを望む方はザ・グレンリベット 12年を選ぶといいのではないかと思います。
シングルモルトとしては特徴がやや弱く、ノンエイジながら微妙に高い価格のためになかなか購入に至らない方も多いのではないでしょうか。この記事を読むことによって少しでもご参考になれば嬉しいです。
- シングルモルト初心者で柑橘系の爽やかな味わいを楽しんでみたい方
- ザ・グレンリベットファンの方
- ザ・グレンリベット12年と同等以上のミディアムボディシングルモルトがお好みの方