ラベルに描かれた4輪のバラが特徴的なバーボンのフォアローゼズ。今回紹介するのはフォアローゼズのスタンダードボトルです。
スーパーでもよく見るボトルですね♪バーボンの中ではリーズナブルな銘柄ですが、ライトなボディで華やかさがあり、とても飲みやすいバーボンです!
フォアローゼズを製造しているフォアローゼズ蒸留所は、アメリカ・ケンタッキー州のローレンスバーグ地区にあります。
他のバーボンとの違いで特徴的なのが、「風味の異なる10種の原酒をつかったミングリング(調合)」です。10種類もの原酒を扱っているのはフォアローゼズだけです。
- ライトボディでスムースな飲み口。
- 華やかでフレッシュな味わい。
- バーボン特有の接着剤臭が弱く、初心者も飲みやすい。
フォアローゼズについての基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | フォアローゼズ |
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
熟成年数 | 5年以上 |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | キリンビール |
取扱い | キリンホールディングス |
参考価格 | 1,500~2,000円 |
ストーリー
4輪のバラに込められたエピソード
ラベルに描かれた4輪のバラとフォアローゼズという名前には、フォアローゼズ創業者ポール・ジョーンズJr.のプロポーズエピソードが象徴されています。
ある舞踏会でポールは絶世の美女と出会い恋に落ち、迷わずプロポーズしました。そんなポールに彼女は
「次の舞踏会までお待ちください。お受けする時にはバラのコサージュをつけてまいります。」
と答えたそうです。そして約束の舞踏会の夜、彼女は4輪の赤いバラを胸につけてポールの前に現れ二人の愛が実ったというエピソードです。
この話だけ聞くとかなり急展開なラブストーリーですね(^^)
1888年、ポール・ジョンズJr.によってフォアローゼズの商標が登録されました。ポールのプロポーズエピソードが詰まったフォアローゼズは130年経ったいまでも多くのファンに愛されています。
アメリカでは20世紀初頭に禁酒法が施行されましたが、フォアローゼズは薬用としての生産が認められていました。いわばアメリカ政府公認の蒸留所だったんです。
禁酒法時代も希少な生産者として存続できたことが今日につながったんですね!
こだわりの製法
フォアローゼズが特にこだわっているのは華やかな香りです。こだわりの華やかな香りや味わいをつくりあげるために、なんと10種類ものバーボン原酒がつくられ、これらの熟成とミングリングとよばれるブレンドによってフォアローゼズの各ラインナップがつくられます。
バーボンの原料には、51%以上のとうもろこしの他に様々な穀物が使われます。フォアローゼズではとうもろこし・ライ麦・大麦麦芽(モルト)が使われ、1つはライ麦が多め(マッシュビルB)、もう1つはとうもろこしが多め(マッシュビルE)という2種類の原料配合がおこなわれます。
マッシュビルとは原料穀物の配合比率のことで、とうもろこしが多いと甘くまろやかに、ライ麦が多いとスパイシーでオイリーな原酒になる傾向があります。
2種類のマッシュビルに5種類の酵母を組み合わせることで10種類の原酒がつくられるわけです。
今回紹介するフォアローゼズのスタンダードボトルは、最低5年熟成された10種類の原酒が全て使われて香りや味わいが整えられています!
参考までに、フォアローゼズの他のラインナップであるシングルバレルでは1種類の原酒が、スモールバッチでは4種類の原酒が使われていてスタンダードボトルとはまったく異なるコンセプトの香りと味わいになっています。
フォアローゼズのテイスティングレビュー・評価
フォアローゼズの特性レーダーチャート
フォアローゼズの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りはそれほど複雑ではなく、華やかで甘くそして少しエステリー(有機溶媒のような香り)です。このエステリーさが強いとだんだんセメダイン(接着剤)のようなにおいになっていきますが、フォアローゼズはエステリーさが控えめです。
口に含んでみると、香りからの印象よりも甘味が控えめです。飲んですぐにカラメルの甘味と香ばしい木樽の風味、余韻には香ばしい木樽とバニラが長く残ります。
気にして飲んでみると渋味と苦味をやや感じますが、飲みにくくなるほどではありません。
バーボン特有のエステリーさが控えめなので、バーボン初挑戦の方でも飲みやすいはずです。フォアローゼズのエステリーさが苦手という方はバーボンをオススメできません。
フォアローゼズの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 3 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 2 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 2 |
加水 オススメ度:
数滴加水することで、華やかな香りと穀物の優しい甘味が強まり、アルコール刺激とエステリーさは弱まります。
加水したほうがストレートよりもバランスがととのい、バーボンのクセが弱まるので飲みやすくなります。
エステリーさが苦手な方は加水をオススメします!
オン・ザ・ロックス オススメ度:
エステリーさが強調され、接着剤臭を感じます。
甘味と華やかさが抑えられ、香りと味わいが平坦になってしまいました。
ハイボール オススメ度:
エステリーさが薄れ、渋味や苦味もほぼ感じなくなる一方で、華やかさが炭酸のシュワシュワ効果で強まり、きれいな味わいのハイボールが楽しめます。
甘味は強すぎず弱すぎずでライトボディのハイボールにはちょうど良いです。
フォアローゼズで一番オススメの飲み方です。
ホットウイスキー オススメ度:
フォアローゼズはライトボディなので、ウイスキー:お湯=1:2でつくりました。
甘味とエステリーさが薄れます。苦味と酸味が強まり、全体的なバランスがくずれてしまいます。
感想・まとめ:華やかでライトボディ、バーボン初挑戦にはコレ!
バーボンの中でも知名度が高くリーズナブルな「フォアローゼズ」を紹介しました。
フォアローゼズはバーボンの特徴に挙げられるエステリーな香り(強度によっては接着剤臭)が少なく、バニラやカラメルの甘さと華やかさが程よく味わえるライトボディのウイスキーです。ストレートよりも加水やハイボールでさらに飲みやすく楽しめます。
フォアローゼズをオススメできる方と、できない方は以下のとおりです。
- バーボンウイスキーに初挑戦で、まずはライトタイプから試してみたい方
- 華やかで甘味のある、スコッチタイプとは別のウイスキーをお探しの方
- リーズナブルでハイボールにあうバーボンをお探しの方
- 普段の生活で接着剤のにおいに敏感で苦手な方
- ワイルドターキーなどのもっと重厚なバーボンに飲み慣れている方には物足りないです
僕は最初スコッチウイスキーしか飲んだことがなく、初めてフォアローゼズを飲んだときには飲み慣れない風味で戸惑いました。
しかし、1本飲み終える頃にはとてもおいしく飲めるようになってたんです♪
個人の好みの問題ですが、そういうこともあるんです!
バーボンの入門としてはオススメのウイスキーです。また、棚にフォアローゼズがおいてあるとバラのラベルが結構おしゃれなんですよ。