スコッチウイスキーとして世界第二位のシェアを誇る名門ブランド「バランタイン」。バランタイン バレルスムースはシリーズの中でもリーズナブル(2,000円前後)で、スーパーなどの店頭でも比較的見つけやすい銘柄です。
ネットよりも店頭で買った方が数百円お得なことが多いですよ!
- キャラメルの甘い風味が強い。
- 価格帯の割にまろやかで、飲みやすさ重視のバランスタイプ
- ホットウイスキーがオススメ。
記事の後半ではバランタインシリーズで価格帯の近い「バランタイン 12年」、「バランタイン 7年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
バランタイン バレルスムースの基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | バランタイン バレルスムース |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなど |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ペルノリカール社 |
取扱い | サントリーホールディングス |
参考価格 | 1,700~2,200円 |
ストーリー
バランタイン社の起源となる食料品店が創業されたのは1827年のこと。その後、1860年には酒税法が改正されてモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混和するブレンデッドウイスキーの製造許可が下りたことで、創業者ジョージ・バランタインはウイスキーのブレンダーとして歩むことに。
バランタインブランドが誕生してから110年以上が経ち、今ではスコッチウイスキー販売量はジョニーウォーカーに次ぐ世界第2位を誇り、名実ともにスコッチブレンデッドメーカーとして不動の地位を築き上げました。
バランタインシリーズは、グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズ、スキャパなどをキーモルトとして、それ以外にも厳選された数十種類の原酒をブレンドしています。バランタイン バレルスムースは、バレルスムース専用にブレンドされた原酒を、バランタイン独自のチャーシステムで内側を丁寧に焼き上げたアメリカンオーク樽で後熟(マリッジ)させて仕上げられています。
「チャー」とは、樽の内側を直火で焼き付けることです。チャーによって樽内側に炭化層がつくられ、炭化層からはキャラメルのような風味成分などがウイスキーに溶出します。
バランタイン バレルスムースのテイスティングレビュー・評価
バランタイン バレルスムースの特性レーダーチャート
バランタイン バレルスムースの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスに鼻を近づけると、キャラメルやバニラの甘い香りが強く感じ取れます。注いだ直後はあまり感じませんでしたが、時間経過とともに華やかさとフルーティーさも現れます。
口に含むと、まず最初にキャラメルと、香りではほとんど感じなかったみずみずしいフルーティーさが感じられ、次いでバニラを、終盤ではウエハースのような穀物系の風味が感じ取れました。鼻から抜ける風味にリンゴのフルーティーさがあります。甘味と苦味が程よくあり、まろやかで飲みやすい印象を受けました。苦味とセットでほんのわずか焦げ感はありますが、スモーキーというほどではありません。
余韻は短めで、ぼくの感覚では15秒ほど。きれいに消えていきます。
クセはなく、それほど複雑さはありませんが、価格帯からも気兼ねなく飲めるのは嬉しいですね。
バランタイン バレルスムースの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 4 |
オン・ザ・ロックス | 2 |
ハイボール | 3 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でアルコール刺激はかなり落ち着き、よりスムースに。味わいのバランスは崩れず、ストレートをマイルドにした飲み心地です。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
苦味が強調されて、奥行きのない平坦な味わいになってしまいました。フルーティーさは少し強まったのですが、バランスが崩れてイマイチな印象に。
ハイボール オススメ度:
甘口の、特段取り上げる要素のないハイボールになりました。無難な飲み心地で、良く言えば、食事やつまみには何にでも合わせやすそうです。
ホットウイスキー オススメ度:
キャラメルの風味は弱まりましたが、リンゴとバニラの風味が強まり、ほのかに穀物の優しい甘さも。
甘い香りは強いのですが、舌で感じる甘味はスッキリしています。余韻は短いですが、非常に飲みやすいホットウイスキーです。
バランタインシリーズ バレルスムースと12年、7年との比較
価格帯の近いバランタインシリーズ:バランタイン 12年、バランタイン 7年と飲み比べしました。
バランタインシリーズ バレルスムースと12年、7年との特性比較
バランタインシリーズ バレルスムースと12年、7年とのとの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
バランタイン バレルスムース | バランタイン 12年 | バランタイン 7年 | |
---|---|---|---|
特性 | バランタイン 12年から引き算した感じ | 穏やかながら複雑でバランス良い | 濃くはないが、個性がある |
特徴 | ・キャラメルの甘い風味 ・鼻から抜ける香りにリンゴ ・ミディアム寄りのライトボディ | ・一瞬だけリンゴと華やかさ、バニラ ・クリーミーで甘い風味 ・ライト寄りのミディアムボディ | ・リンゴの爽やかなフルーティーさ ・ふんわりバニラの甘い風味 ・ライトボディ |
バレルスムースは12年と系統が似ていて、12年からバニラやクリーミーさ、甘味を引き算した味わいに感じました。キャラメル風味はバレルスムースの方が強く、これはチャーされたアメリカンオーク樽熟成の影響が出ているのでしょう。華やかさや穀物感もありますが、12年のほうがスムースでまろやか、複雑さがあります。
バランタイン 12年は2024年5月で終売なので、12年が定番宅飲みウイスキーだった方は、今後バレルスムースに移行するとあまり違和感がないかもしれません。
バレルスムースと7年はだいぶ印象が異なりました。バレルスムースは甘い系統で個性控えめタイプなのですが、7年はリンゴのフルーティーさが個性として感じられるタイプ。余韻はバレルスムースよりも7年の方がやや長く楽しめました。
このように比較するとバレルスムースが廉価版のように感じるかもしれません。メーカー希望小売価格は以下の通り。
銘柄 | 希望小売価格(700ml) |
バランタイン 12年 | 3,080円 |
バランタイン 7年 | 2,310円 |
バランタイン バレルスムース | 2,090円 |
バレルスムースは3銘柄で最安の価格設定なんです。味わいと価格を考慮した場合のコスパの良さは3銘柄で甲乙つけがたいというのが僕の感想です。
どの銘柄にも共通するのは、価格帯の割にアルコール刺激が少ないこと。どれも実質2,000円前後のブレンデッドウイスキーでまろやかで飲みやすい、バランタインのブレンド力の高さを物語っていますね。
感想・まとめ:価格も味わいもウイスキー初心者には挑戦しやすい
王道スコッチウイスキー「バランタイン」ブランドから、バランタイン バレルスムースを紹介しました。終売予定のバランタイン 12年に系統が似ていて、甘い風味とまろやかさが特徴のリーズナブルブレンデッドウイスキーです。
スーパーなどの店頭では2,000円でお釣りがくる価格で購入でき、アルコール刺激は少なめで個性も控え目なので、ウイスキー初心者の方にはお試ししやすいボトルではないでしょうか。ストレートでも飲みやすいのですが、個人的なオススメはホットウイスキー。スッキリ飲めるのに甘い風味がきちんと楽しめますので、是非お試しください。
- ウイスキーにこれから挑戦したい初心者
- リーズナブルで、甘い風味のバランス型ウイスキーをお探しの方
- 個性が強いウイスキーをお探しの方