スコッチのブレンデッドウイスキーとして日本でも有名な「デュワーズ」。2024年5月14日にデュワーズの限定生産「樽シリーズ」のラインアップ第5弾『デュワーズ フレンチスムース 8年』が数量限定で発売されました。
数量限定品は品薄になると価格高騰してしまいますので、購入検討している方は適正価格のうちにお求めになることをオススメします。
- 突出した個性はないが、ほのかに感じるリンゴと花の蜜
- ハイボールとホットウイスキーがオススメ
- デュワーズらしいなめらかな仕上がり
記事の後半ではデュワーズのスタンダードボトルである「デュワーズ ホワイトラベル」、3,000円前後で購入可能な「デュワーズ 12年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
デュワーズ フレンチスムース 8年の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | デュワーズ フレンチスムース 8年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | アバフェルディ、オルトモア、ロイヤルブルックラ、クレイゲラキ |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ジョン・デュワー&サンズ社 |
取扱い | バカルディジャパン |
参考価格 | 2,800~3,300円 |
ストーリー
フレンチスムースはカルバドスを熟成させた樽でカスクフィニッシュ
デュワーズ「樽シリーズ」は8年以上の熟成原酒が使われた数量限定販売のスコッチブレンデッドウイスキーです。日本でも2021年5月発売の「カリビアンスムース8年」から順次、「イリーガルスムース8年」、「ポルトガルスムース8年」、「ジャパニーズスムース8年」が発売され、「フレンチスムース8年」は第5弾として2024年5月14日に発売されました。
樽シリーズのコンセプトは「スコッチウイスキーと世界の樽を融合させることで、思いがけない新しい発見を。」、キーメッセージは「吹き抜ける、世界の香り」。
熟成年数8年以上のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンド後に再び樽の中で熟成(ダブルエイジ製法)させ、さらに世界のユニークな樽(=カスク)に詰め替えて熟成を融合させるカスクフィニッシュをしています。
カスクフィニッシュとは
- 通常の樽熟成の後、種類の違う樽に詰め替えて風味を追加する手法。
- ウッドフィニッシュともいい、後熟の意味。
カスクフィニッシュの効果
- カスクフィニッシュ前の本来のニュアンス・骨格を残したまま別の樽の個性が加わり融合して複雑な風味を生み出す。
フレンチスムース8年は“カルバドス樽”でカスクフィニッシュしています。
カルバドスとは、フランスのノルマンディー地方でつくられるアップルブランデーです。原料はリンゴ、リンゴを粉砕・圧搾して得られたリンゴ果汁に酵母を添加しアルコール発酵させることでリンゴの醸造酒である「シードル」になります。さらにシードルを蒸留したものが「カルバドス」の原酒。カルバドス原酒を最低2年間樽熟成させて加水しアルコール度数を40%ほどにして瓶詰めされます。
一般的なカルバドスの特徴は、リンゴのほのかな甘い香り、リンゴの爽やかな酸味と甘味が挙げられます。
デュワーズ フレンチスムース8年のテイスティングレビュー・評価
デュワーズ フレンチスムース8年の特性レーダーチャート
デュワーズ フレンチスムース8年の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香り
それほど強くはないですが、甘く華やかでクリーミーな香り立ちです。探ってみるとかすかに爽やかなリンゴを感じ取ることができます。また、やや酸味をともなうような木樽の香りも。
味わい
口に含んだ瞬間にフワッとコクがあってクリーミーな華やかさを感じました。はちみつほどコクはありませんが花の蜜のような甘く華やかな風味が印象的です。弱めですが青リンゴとバニラも感じられ、デュワーズらしいなめらかさ。余韻の長さは中程度で、花の蜜は口に含んでから最後まで感じられましたが、バニラや青リンゴは早めに消えていきます。アルコール刺激は少なめで雑味もなくきれいな味わい。香りで感じた酸味をともなう木樽感は口に含むとわからなくなりました。
これまでの樽シリーズと同様に、使われた樽の特徴は控えめですが、花の蜜とほのかな青リンゴの風味が心地良いです。
デュワーズ フレンチスムース8年の飲み方別 オススメ度(5段階)
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 3 |
オン・ザ・ロックス | 4 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でよりまろやかになりますが、花の蜜と青リンゴがかなり薄まってしまい個性がなくなってしまいました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
さわやかな甘味と苦味が引き立ちました。花の蜜の風味がやや弱まります。味わいはしっかりしていて氷が溶けて加水されていってもバランスは崩れにくいです。
ハイボール オススメ度:
花の蜜と青リンゴの華やかな風味を感じやすくなりました。飲み口はライトで爽やかな一方で、コクのある花の風味も楽しめます。
ホットウイスキー オススメ度:
かなりオススメの飲み方がホットウイスキーです。
甘味が強く、花の蜜とリンゴの風味を最も強く感じ取ることができます。他の飲み方はライトボディでしたが、ホットウイスキーにするとクリーミーさも強まってミディアム寄りに。
いつまでも飲んでいたい気分になります。
デュワーズ フレンチスムース 8年とホワイトラベル、12年との比較
同ブランドのデュワーズホワイトラベル、デュワーズ12年と比較してみました。色はフレンチスムースとホワイトラベルが同程度のゴールドで、12年は琥珀色です。
デュワーズ フレンチスムース8年とデュワーズ ホワイトラベル、デュワーズ 12年との特性比較
デュワーズ フレンチスムース8年とデュワーズ ホワイトラベル、デュワーズ 12年との特徴比較
この3銘柄に絞った違いを表に書き出してみました。
デュワーズ フレンチスムース8年 | デュワーズ ホワイトラベル | デュワーズ 12年 | |
---|---|---|---|
特性 | バランスの取れた飲みやすさ、個性は控えめ | 個性・特徴が少なくカクテルベース向き | 深く濃い香り・味わいで熟成感がある |
特徴 | ・花の蜜とかすかな青リンゴ ・ライトボディ(ホワイトラベルよりはボディあり) | ・華やかさとはちみつの甘味がある ・ライトボディ | ・オレンジやはちみつの後に、リンゴとバニラ、チョコレート ・ライト寄りのミディアムボディ |
飲み比べてみると、デュワーズシリーズのまろやかなはちみつ感は共通して感じ取れます。フレンチスムースはホワイトラベルをさらにまろやかにして甘味や花の蜜、青リンゴの要素を足したイメージ。フレンチスムースと12年とではボディや熟成感にだいぶ差があるように感じました。
販売価格はフレンチスムースと12年が同程度の約3,000円です。どちらの銘柄も飲みやすいことにかわりありませんが、より爽やかな味わいを求めるのであればフレンチスムースを選んでもいいのではと思います。
感想・まとめ:手軽にカルバドスカスクフィニッシュが楽しめる(ただし弱め)
デュワーズの樽シリーズ第5弾「デュワーズ フレンチスムース 8年」を紹介しました。華やかな花の蜜と控えめですが爽やかなリンゴの風味が感じられるブレンデッドウイスキーでした。アップルブランデーであるカルバドスの特徴は控えめですが「カスクフィニッシュ」を手軽に楽しむことができ、飲みやすいのでウイスキー初心者の方にもオススメです。
個人的に是非試していただきたい飲み方が「ホットウイスキー」。デュワーズはハイボールがよくオススメされますが、フレンチスムースの風味は温かくすることでより楽しむことができるでしょう。
- リーズナブルにカスクフィニッシュのウイスキーを飲んでみたい方
- 普段の宅飲みでデュワーズを愛飲している方
- きれいな味わいで爽やか&華やかなウイスキーを好まれる方