アイリッシュウイスキーの定番ブランド「ジェムソン」。そのジェムソンからリリースされている「ジェムソン クレステッド」は、かつて自社で初めて瓶詰めされた商品である「クレステッド テン」のオマージュとして誕生したウイスキーです。この記事では、ジェムソン クレステッドの詳しい味わい、オススメの飲み方まで徹底的にレビューしていきます。
らまクレスト(crest)の意味は「紋章」です。ジェムソンの歴史的にも、品質へのこだわりと誇りが込められた象徴的なボトルといえます。
- クセがなく、なめらかなニュアンスの甘い風味
- ジェムソン スタンダードよりわずかにフルーティーで甘いスパイス
- うっすらとメロンやオレンジを感じる
記事の後半では「ジェムソン スタンダード」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ジェムソン クレステッドの基本情報・概要
基本情報
| 銘柄 | ジェムソン クレステッド |
| 原産国 | アイルランド |
| 分類 | ブレンデッド |
| 熟成樽 | バーボン樽、シェリー樽 |
| アルコール度数 | 40% |
| 所有者 | アイリッシュ・ディスティラーズ |
| 取扱い | ペルノリカールジャパン |
| 参考価格 | 3,500円 |
ストーリー
ボトラーズ時代を終わらせた記念碑的ボトル


ジェムソン クレステッドは、ジェムソンが初めて自社でボトリング(瓶詰め)を行った歴史的瞬間を称えるボトルです。かつてアイルランドの蒸溜所は、樽単位で酒販業者(ボンダー)に原酒を売り渡し、彼らが独自に瓶詰めして販売するのが一般的でした。しかし、一部の酒販業者がウイスキーを薄めて低品質なものを流通させるという悪質行為が多くなり、品質管理の観点からジェムソンは方針を転換し、1963年にボウ・ストリート旧蒸溜所で自らの手でボトリングを開始しました。その記念すべき最初のリリースこそが、このクレステッドのルーツなのです。つまり、ジェムソンの品質へのこだわりと誇りが詰め込まれた象徴的な一本と言えます。
スタンダードなジェムソンとの違い
ジェムソン クレステッドは、スタンダードと比べてアイリッシュ伝統の「ポットスチルウイスキー」が高い比率でブレンドされています。ポットスチルウイスキーとは、麦芽と未発芽の大麦の両方を原材料に使用し、銅製のポットスチルで蒸留・熟成させたウイスキーのこと。原料の個性がしっかり残り、複雑で力強い味わいになるのが特徴です



ジェムソンは、ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられています。
ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーには、ファーストフィルバーボン樽やシェリー樽で3年以上熟成された原酒が使われています。スタンダードで使われる原酒はすべて4年以上で、スタンダードの方が長期熟成ということになりますが、クレステッドは熟成年数にとらわれず厳選された樽の個性を最大限に活かしてブレンドされています。
ちなみに、以前は「ジェムソン クレステッド テン(Crested Ten)」という名称で販売されていました。しかし、この「テン」は10年熟成であるという誤解を消費者に招く可能性があったため、現在は誤解を防ぐために「テン」が外され、ノンエイジ(NAS)扱いの「クレステッド」として名称が統一されています。
ジェムソン クレステッドのテイスティングレビュー・評価
ジェムソン クレステッドの特性レーダーチャート


ジェムソン クレステッドの特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)


香り
開栓直後、香り立ちは弱めで、爽やかなフルーティーさがありました。開栓からしばらく経つとバニラのクリーミーな香りも目立ってきます。
味わいと余韻


開栓直後は弱めのメロン、オレンジ、ミント、バニラを感じました。味わい開くと、メロン、オレンジ、バニラが強まり、何かの花を思わせる、なめらかなニュアンスの甘さ、クローブやアニスの甘く清涼でスパイシーな風味、弱めにチョコレートも感じ取れます。



開栓当初は、感動のない無難なウイスキーというのが正直な感想でした。味わい開くとフルーティー&バニラ&スパイスが心地よいです。
飲み口はまろやかでなめらか、アルコール刺激も少なめ。クセの少ないライトボディでストレートでも飲みやすいです。
余韻は中程度で、僕の感覚で60秒ほど。口に含んですぐに、メロン、オレンジ、クローブ、アニスの甘いフルーティー&スパイシーな風味が感じられ、わずかに遅れてバニラの甘くクリーミーな風味がおとずれます。メロンとオレンジは序盤で消えていき、クローブやアニスは終盤に差し掛かる頃に消え、最後はバニラの余韻が楽しめます。
ジェムソン クレステッドの飲み方別 オススメ度(5段階)
| 飲み方 | オススメ度 |
|---|---|
![]() ![]() ストレート | 5 |
![]() ![]() 加水 | 5 |
![]() ![]() オン・ザ・ロックス | 2 |
![]() ![]() ハイボール | 5 |
![]() ![]() ホットウイスキー | 2 |
加水 オススメ度:


数滴の加水で、柔らかい甘さに。ストレートでも飲みやすいのですが、さらに飲みやすくなります。
オン・ザ・ロックス オススメ度:


甘くクリーミーなのですが、口内に残るエグみのある甘味料的な甘さです。氷はそれほど溶けてなくても、ストレートよりかなり薄まってしまう印象。
ハイボール オススメ度:


メロンとオレンジ、バニラのフルーティーハイボール。雑味無く、炭酸によるわずかな酸味が心地よいです。濃いめにつくるのがオススメ。風味は強すぎず、クセがないので食事に合わせやすいでしょう。
ホットウイスキー オススメ度:


メロンのフルーティーさが強調されますが、お湯を入れてから早い段階で風味が抜けていきます。オレンジやバニラ、スパイスはお湯を入れてすぐに抜けてしまうようです。
ジェムソン クレステッドとジェムソン スタンダードとの比較


同ブランドのスタンダードボトル「ジェムソン スタンダード」と飲み比べしました。
ジェムソン クレステッドとジェムソン スタンダードとの特性比較


ジェムソン クレステッドとジェムソン スタンダードとの特徴比較
この2銘柄の特性・特徴を表にまとめました。
| ジェムソン クレステッド | ジェムソン スタンダード | |
|---|---|---|
| 特性 | スムース&クリーミーでなめらかな口当たり | スムース&クリーミーでなめらかな口当たり |
| 特徴 | 〇メロンとオレンジ、バニラ、クローブの甘い風味 〇熟成感はないがアルコール刺激は少なめ 〇ライトボディ | 〇フルーティーさとドライで甘いスパイシーさ 〇熟成感はないがアルコール刺激は少なめ 〇ライトボディ |
ストレートでの飲み比べでは、ジェムソン クレステッドとジェムソン スタンダードは、開栓直後だと大きな違いは感じられませんでした(クレステッドの方は、メロンやオレンジがわずかに感じられる程度)。味わいが開いた後ですと、スタンダードはフルーティーさはあるものの何のフルーツか特定しにくい味わいである一方、クレステッドはメロンとオレンジのフルーティーさが感じられます。
飲み方別のオススメ度でいうと、クレステッドはオン・ザ・ロックスとホットウイスキーが「2」でしたが、スタンダードはオン・ザ・ロックスが「4」、ホットウイスキーは「3」で幅広い楽しみ方ができます。また、スタンダードはハイボールにすることでメロンの風味を感じ取れるようになりフルーティーさがアップします。



スタンダードボトルはどの飲み方でも幅広く無難に楽しめるタイプ。クレステッドはスタンダードよりも少しフルーティー側に寄らせたイメージです。
価格面では、スタンダードは安い時だと2,000円(税込)で、クレステッドは3,600円(税込)と約2倍の差があります。正直なところ、この価格差ほどの感動は無いというのが僕の感想ですが、普段ジェムソン スタンダードを好んで飲まれている方は、ジェムソンの歴史的記念ボトルであるクレステッドも味わってみてはいかがでしょうか。
感想・まとめ:味わい開いてから楽しめるジェムソン
「ジェムソン クレステッド」を紹介しました。開戦直後の味わいはジェムソン スタンダードと飲み比べても大きな違いを感じませんでしたが、味わいが開くとメロンやオレンジを感じさせるなめらかなフルーティーさが引き立ちます。これらのフルーティーさはハイボールにしたときにさらに弾けます。スタンダードの約2倍の価格を考えると割高感もありますが、ジェムソン好きならお試しあれ。



僕の場合は、ボトル残量が半分くらいになった頃から香り・味わいが開いてきました。
- なめらかで甘い風味のアイリッシュウイスキーがお好きな方
- ジェムソン スタンダードを常飲していて、ちょっと良いジェムソンをお探しの方












