スーパーでもよく見かけるバーボンウイスキーの一つに4輪のバラのラベルが特徴的なフォアローゼズがあります。今回紹介するのは日本限定販売のフォアローゼズ上級ラベルにあたる「フォアローゼズ ブラック」です。
スタンダードボトルとはだいぶ香り・味わいが違いますよ。
フォアローゼズ ブラックは黒いラベルにゴールドの文字が使われていて、スタンダードボトルと見比べると高級感が漂います。価格もスタンダードボトルの約2倍あるので普段飲みには少々お高い部類ですね。
- ミディアムボディでやや熟成感がある。
- カラメルやバニラの味わいが強い。
- スタンダードボトルよりバーボン感が強い。
フォアローゼズ・ブラックについての基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | フォアローゼズ・ブラック |
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
アルコール度数 | 40% |
所有者(製造元) | キリンディスティラリー |
取扱い | キリンホールディングス |
参考価格 | 3,000~3,500円 |
ストーリー
フォアローゼズ ブラックは冒頭にも書いたように、日本限定販売のフォアローゼズ上級ラベルです。アメリカのフォアローゼズ公式サイトには情報がなく、日本のキリンさんのサイトにのみフォアローゼズ ブラックの情報が載っています。
個性あふれる香りをもった原酒を選び抜き、やや長めの熟成にこだわったフォアローゼズの上級ラベル。
キリン公式サイト フォアローゼズ ブラック紹介ページ
フォアローゼズブランドの最大の特徴は「風味の異なる10種の原酒をつかったミングリング(調合)」です。10種類もの原酒を扱っているのはフォアローゼズだけです。
バーボン原酒の場合、原料穀物の配合比率のことをマッシュビルといいます。フォアローゼズでは上図のようにとうもろこし・ライ麦・大麦麦芽(モルト)のマッシュビルを2タイプつくり、それに5タイプの酵母をかけ合わせることで計10種類の原酒をつくっています。
スタンダードボトルではこれら10種類の原酒をすべてミングリング(スコッチでいうブレンド)していますが、ブラックでは10種類の中から「個性あふれる香りをもった原酒」を選んでミングリングしているようです。
また、スタンダードボトルは、最低5年熟成された10種類の原酒を使っています。ブラックでは「やや長めの熟成」とありますのでスタンダードボトルの5年を超える熟成原酒が使われていることが推察できます。
参考までに、フォアローゼズの他のラインナップであるシングルバレルでは1種類の原酒が、スモールバッチでは4種類の原酒が使われていています。
フォアローゼズ・ブラックのテイスティングレビュー・評価
フォアローゼズ・ブラックの特性レーダーチャート
フォアローゼズ・ブラックの特徴
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香りはバーボン特有の甘くエステリーな香り(華やかさや接着剤系のにおい)や木樽の香り、プラムのようなやや酸味をともなった甘さを連想させるフルーティーさも感じます。
口に含んでみると、香りで感じたフルーティーさはあまり感じられなくなりカラメルをもっとも強く感じます。次にバニラとエステリーさが強いです。カラメルとバニラの風味はとてもまろやかでそれらが舌を包んでくる印象です。ちなみに接着剤感は特徴グラフの“薬品”に示されています。
余韻にはバニラと強めのカラメル、接着剤を感じますが数秒で消えていき、最後に苦味が残ります。苦味の質はコゲた感じのものです。
どうしたらフォアローゼズ ブラックをさらにおいしく楽しめるか色々試した結果、チョコレートとの相性がとても良いことがわかりました。まずチョコレートを味わい、口内にチョコレートがまだ残っている状態でフォアローゼズ ブラックを口に含むととても華やかに感じることが出来ました。不思議です。
フォアローゼズ・ブラックはフォアローゼズ上級ボトルとのことですが、一般的なバーボンウイスキーの特徴が強い印象です。
香りで感じたプラム感が口に含んでも感じられたら個性があって良かったんですけどね~
フォアローゼズ・ブラックの飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 3 |
オン・ザ・ロックス | 3 |
ハイボール | 3 |
ホットウイスキー | 3 |
加水 オススメ度:
数滴の加水で、甘味や酸味、木樽の風味が強まりますが、後味に強い苦味が残ります。
香り・味わいのバランスがくずれてしまいました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
接着剤感が強まり、強い苦味が最初から余韻にかけて続きます。それ以外の香りや味わいは弱まり、かなり薄まってしまった印象です。
ハイボール オススメ度:
華やかさがアップし苦味や接着剤感は弱まりました。メロンのような香りも感じ取れるようになり飲みやすいハイボールになりました。
ただし、バーボンとしての個性はかなり弱まります。これなら他のもっとリーズナブルなバーボンでハイボールしたほうがいいなとも思ってしまいます。
ホットウイスキー オススメ度:
ウイスキー:お湯=1:2で濃いめにつくりました。飲みやすくはありますがやはり個性があまり感じられませんでした。
フォアローゼズ・スタンダードボトルとの比較
フォアローゼズ・スタンダードボトルとの比較です。色はどちらも同じくらいの薄い黄金色です。
ボトルは同じものが使われていてラベルはデザインが同じで色だけが異なっています。
フォアローゼズ・ブラックとフォアローゼズ・スタンダードボトルの特性比較
フォアローゼズ ブラックとフォアローゼズ スタンダードボトルの特徴比較
フォアローゼズ ブラックボトルとフォアローゼズ スタンダードボトルの違いに着目した比較表も用意しました。
フォアローゼズ ブラック | フォアローゼズ スタンダード | |
---|---|---|
特性 | まろやかで深みがある | 深みはないけれど飲みやすい |
特徴 | ・強めのカラメル、バニラ ・強めのエステリーさで接着剤臭 ・ミドルボディ | ・華やかでフルーティー ・弱めのエステリー ・ライトボディ |
スタンダードボトルはストレートではアルコール刺激がやや強めで加水もしくはハイボールにすることでバランスも良く飲みやすかったのですが、ブラックボトルはストレート以外の飲み方ではバランスが崩れてしまうという大きな違いがありました。
香りを嗅いだ段階ではブラックの方がフルーティーさを感じたのですが、先程も書いたように口に含むとフルーティーさがなくなってしまいます。スタンダードはバーボン独特のエステリーさやバニラがあまり強くないので華やかさとフルーティーさがそのまま味わえるのだと思います。
フォアローゼズ ブラックがもっともおいしい飲み方はストレートでした。カラメルとバニラのまろやかな甘味の後の苦味がちょっと大人の味わいです。
感想・まとめ:バーボン特有のエステリーさがお好きであればストレートが◎
フォアローゼズの日本限定販売品である「フォアローゼズ ブラック」を紹介しました。スタンダードボトルとはだいぶ違った香りと味わいで、香り・味わいの方向性が異なります。
他のメーカーのバーボンでも感じるような一般的なバーボンの特徴を強く感じました。スタンダードボトルがお好きな方がブラックも好きになるかというと、うーん…といった感じです。
ただ、チョコレートといっしょにストレートで飲むとエステリーさが抑えられて華やかさを感じやすくなり、とてもおいしく楽しめました。ウイスキーのお供にチョコレートを食べている方にはいいかもしれません。
あくまで個人的な感想を正直にいいますと、3,000円出すならスタンダードボトルを2本買うか、他のバーボンの方が満足感がありますね。
- チョコレートと相性の良いバーボンをお探しの方
- フォアローゼズファンの方
- フォアローゼズ スタンダードのような華やかなタイプのバーボンをお探しの方
- 普段ワイルドターキーなどのフルボディタイプのバーボンを好んで飲まれている方には物足りないでしょう