ジョニーウォーカーやバランタインに次いで世界販売量第3位のスコッチウイスキーブランド『グランツ』。その中で2022年に発売された落ち着いた濃紺ラベルの「グランツ トリプルウッド 8年」を紹介します。
ドラッグストアやスーパーではあまり見かけませんが、酒屋さんやネット通販で安定して購入できますよ。
- 熟したリンゴのフルーティーさ、甘くクリーミーなバニラの風味が特徴。
- 2,000円台前半としては味わい豊かで高コスパ。
- ミディアム寄りのライトボディでどの飲み方も楽しめる。
記事の後半でグランツ トリプルウッド (NAS)との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
グランツ トリプルウッド 8年の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | グランツ トリプルウッド 8年 |
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
主要モルト | グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイ |
熟成樽 | アメリカンオーク樽、リフィルバーボン樽、ヴァージンオーク樽 |
アルコール度数 | 40% |
所有者 | ウィリアム・グラント&サンズ社 |
取扱い | 三陽物産 |
参考価格 | 2,000~2,500円 |
ストーリー
「グランツ トリプルウッド 8年」はウィリアム・グラント&サンズ社が所有する蒸留所グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイのモルト原酒と、ガーヴァンのグレーン原酒を中心にブレンドされているブレンデッドウイスキー。
熟成にはアメリカンオーク、リフィルバーボン、ヴァージンオークの3種類の樽が使われ、アメリカンオーク樽は繊細なバニラの口当たり、リフィルバーボン樽は濃厚でまろやかな甘味、ヴァージンオーク樽はスパイシーなたくましさをウイスキーに付与し、それぞれ8年以上熟成させた原酒をブレンドすることでなめらかな口当たりと芳醇な味わいを生み出しています。
グランツ トリプルウッド 8年のテイスティングレビュー・評価
グランツ トリプルウッド 8年の特性レーダーチャート
グランツ トリプルウッド 8年の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
グラスに鼻を近づけると、バニラと熟したリンゴの甘い香りを感じます。鼻を近づけすぎるとアルコール刺激はやや感じるもののフルーティーで華やかな良い香りの方が印象的です。
口に含んでみると、最初から熟したリンゴとバニラが強く感じられ、穀物の優しい甘味と弱めの苦味があります。アルコール刺激はそれほど気にならないレベルで全体的にバランス良くまとまっている印象。注意深く味わってみると奥の方に柑橘があるようなないような。
余韻は40秒程度で甘味が主体、リンゴとバニラのフルーティーさは7秒ほどがピークで徐々に弱まっていき、20秒あたりで苦味をともなうビターチョコがあらわれます。30秒を過ぎたあたりで苦味はまろやかに消えていき、最後はウエハースのような風味です。
2,000円台前半でこの味わい・飲みやすさが楽しめるのはとても嬉しい!きっと常飲ウイスキーの有力候補になるでしょう。
グランツ トリプルウッド 8年の飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 5 |
オン・ザ・ロックス | 4 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 5 |
加水 オススメ度:
数滴の加水でストレートでも弱めだったアルコール刺激はほとんど感じられなくなり、よりまろやかに。チョコレートの風味があらわれ、鼻から抜ける香りにドライフルーツが強まりました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
甘味は抑えられますが、柑橘とリンゴのフルーティーさが強まります。苦味はそれほど感じられずに、スッキリ爽快な口当たりです。
ハイボール オススメ度:
フルーティーでありつつクリーミーなコクも感じられるハイボールです。少し酸味が強まり、バニラ甘さとの相性もバッチリ。
このボトルのリーズナブルさも考えると、一口飲んだら止まらなくなるおいしさです。
ホットウイスキー オススメ度:
ウイスキー:お湯=1:2でつくりました。
木の香りとフルーティーさが強まりそれがとても心地良いです。甘くて苦味・雑味がないのでとても飲みやすいホットウイスキーです。
ただし華やか・フルーティーは徐々に消えていくので、ゆっくりとホットウイスキーを楽しむことはできません。それでも是非一度は試していただきたいオススメの飲み方です。
グランツ トリプルウッド 8年とグランツ トリプルウッドとの比較
グランツのスタンダードボトル「グランツ トリプルウッド」と比較しました。色合いはほとんど同じです。
グランツ トリプルウッド 8年とグランツ トリプルウッドとの特性比較
グランツ トリプルウッド 8年とグランツ トリプルウッドとの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
グランツ トリプルウッド 8年 | グランツ トリプルウッド(NAS) | |
---|---|---|
特性 | まろやかで香り・味わいともに豊か | 味わいがしっかり(価格の割に) |
特徴 | ・バニラと熟したリンゴの甘さ ・余韻は長くビターチョコやウエハースを感じる ・ミディアム寄りのライトボディ | ・穀物と柑橘、バニラの甘さがバランス良い ・余韻は短く、少しウエハースがある ・ライトボディ |
全体的にグランツ トリプルウッド 8年の方が香り・味わいともに一回り豊かで濃かったです。グランツ トリプルウッド(NAS)では柑橘系の風味が感じやすかったですが、グランツ トリプルウッド 8年ではよりバニラやリンゴが強まったせいか柑橘系の風味はNASほど感じ取れませんでした。
余韻は8年の方が圧倒的に長く、余韻で感じ取れるウエハース感は8年の方がクリーミーで濃かったです。
やはり年数表記されるだけのことはあり、NASと比べて8年は異なる3種類の熟成樽の影響が大きく出ているように感じました。NASと8年とでは価格差以上においしさがアップした印象。
NASもコスパが高いですが、そこからプラス数百円でさらにコスパが高い8年が購入できることを考えるとかなりお得に感じます。
感想・まとめ:どんな飲み方でもフルーティーでおいしく飲めるオールマイティーブレンデッド
グランツシリーズの中で日本では買い求めやすい年数表記ボトル「グランツ トリプルウッド 8年」を紹介しました。海外ではグランツ トリプルウッド 12年も販売されていますが、日本ではまだ販売されていません。(オールドボトルならオークションやメルカリで見かけます。)12年が発売されたら飲んでみたいですね~。
グランツ トリプルウッド(NAS)ではアルコール刺激が強かったためストレートはオススメできませんでしたが、グランツ トリプルウッド 8年はアルコール刺激が少なくストレートでも楽しむことができます。さらには他の飲み方でもバランスが崩れず、冷やしても温めてもおいしく飲める万能スコッチブレンデッドでした。
フルーティーさとバニラ感がマッチしていて程よいコクもある、飲みやすいスコッチブレンデッドです。
- 2,000円台前半で色々な飲み方が楽しめるウイスキーをお探しの方
- 華やかでフルーティーなタイプのウイスキーをお探しの方
- リーズナブルでアルコール刺激が少なく初心者も飲みやすいウイスキーをお探しの方