「ワイルドターキー」は七面鳥がボトルにデザインされた、バーボンウイスキーの中でも有名な銘柄です。ワイルドターキーといえば、101プルーフ(アルコール度数50.5%)が標準の力強いバーボンとして知られるところ。日本ではワイルドターキーを代表するボトルは「ワイルドターキー 8年」ですが、本場アメリカでは「ワイルドターキー 101」が主力ボトル。この記事では、ワイルドターキー 101の単独レビュー以外に、ワイルドターキー 8年との飲み比べもし、その違いについてもまとめています。
ワイルドターキー 101はアメリカ市場で流通しているボトルで、日本では並行輸入品として購入できます。Amazonよりも楽天市場の方がリーズナブル!
- 本場アメリカでワイルドターキーを象徴するボトル
- バニラ、チョコレート、柑橘の皮、ハーブの味わい
- ワイルドターキー 8年の下位互換で少し荒い
記事の後半では同じワイルドターキーのラインナップから「ワイルドターキー スタンダード」、「ワイルドターキー 8年」との比較もしています。ぜひ最後まで読んでいってください。
ワイルドターキー 101の基本情報・ストーリー
基本情報
銘柄 | ワイルドターキー 101 |
原産国 | アメリカ(ケンタッキー州) |
分類 | バーボンウイスキー |
蒸留所 | ワイルドターキー蒸留所 |
アルコール度数 | 50.5% |
所有者 | カンパリ・グループ |
取扱い | CTスピリッツ・ジャパン |
参考価格 | 3,000~3,500円(700ml) |
ストーリー
歴史
ワイルドターキーは、今から約170年前の1855年、オースティン・ニコルズ社(コーヒー、紅茶、酒類の卸商)の創業が原点です。オースティン社は、ケンタッキー州にあるリッピー蒸留所からバーボンウイスキーを買い取ってボトリングし販売していました。
1940年に当時のオースティン社の社長が、リッピー蒸留所でつくられた101プルーフ(アルコール度数50.5%)のバーボンを恒例の七面鳥狩りに持参し友人たちに振舞ったところ、大変評判が良く、その力強く野性味あふれる味わいから「ワイルドターキー」と呼ばれるようになりました。
プルーフ(proof)とはアメリカやイギリスで、蒸留酒のアルコール度数をあらわす単位です。
ワイルドターキーではこの101プルーフがとても意味のあるアルコール度数であり、主力ボトルは101プルーフ(アルコール度数50.5%)で販売されています。今回紹介する「ワイルドターキー 101」は本場アメリカでワイルドターキーの主力ボトルとして流通しているもの。日本では「ワイルドターキー 8年」が101プルーフで流通しています。
ワイルドターキーのアリゲーターチャー
バーボンの熟成に使用されるアメリカン・ホワイトオーク樽はチャーと呼ばれる樽内側を焦がす工程が重要。チャーのレベルはNo.1からNo.4で、数字が大きくなるほど強い焦がし具合となり、No.4になると樽の木材はワニの表皮のような状態まで焦がされます。これを「アリゲーターチャー」と呼び、アリゲーターチャーによって、ワイルドターキーの深い琥珀色とコクのある味わいが生み出されます。
ワイルドターキー の公式サイトを覗くと、まず国名を選択することになります。ここで「Japan」を選択するとワイルドターキー 101の情報は見ることができません。「United States」を選択すれば見れますので、気になる方は公式サイトをご覧ください。また、他の国を選ぶことで日本では見かけないラインナップも見ることができますよ。
ワイルドターキー 101のテイスティングレビュー・評価
ワイルドターキー 101の特性レーダーチャート
ワイルドターキー 101の特徴グラフ
コメント(ストレートでの評価 オススメ度:)
香り
バニラやチョコレートのコクがあって甘い香りとともに、薬草(ハーブ)、酸味をともなったような香りもします。鼻を近づけすぎると、高濃度のアルコールで鼻粘膜に刺激がきます。バーボンに慣れてない方には接着剤臭も強めに感じるかもしれません。
味わいと余韻
穀物の優しい甘さ、香りでも感じ取れたバニラやチョコレートのコクのある甘さを強く感じます。特徴グラフの薬品を高くつけましたが、薬品というよりも何かしらのハーブや薬草酒のニュアンスが強く、口に含んだ直後の辛口!という感じの刺激が強いです。苦味をともなう柑橘の皮もあり、飲み込んだ後に鼻から抜けていく風味に、柑橘とハーブを強く感じます。
ワイルドターキー 101をストレートで飲む際には、チェイサーを用意し水で口内を潤してから飲んでみることをオススメします。
余韻は長めで、僕の感覚で50秒ほど。まず穀物とバニラ、チョコレートの風味を感じ、数秒後にハーブや薬草酒が現れ、さらに遅れて柑橘の皮が感じ取れます。柑橘の皮は消えるのが早く、最後の方は穀物、ハーブが残ります。
開栓直後はかなり刺激が強い印象でしたが、時間が経つと刺激が和らいで飲みやすくなりました。一口目で苦手意識があっても、時間をおくと飲めるかも。
ワイルドターキー 101の飲み方別 オススメ度
飲み方 | オススメ度 |
---|---|
ストレート | 4 |
加水 | 5 |
オン・ザ・ロックス | 4 |
ハイボール | 5 |
ホットウイスキー | 3 |
加水 オススメ度:
数滴の加水で口内への刺激がいっきになくなり、まろやかな飲み心地に。苦味や渋味が抑えられ、甘味が強まることで非常に飲みやすくなります。ストレートで柑橘の皮と感じていたものが、フルーティーな柑橘果実に変化したように感じ取れました。
オン・ザ・ロックス オススメ度:
甘味は少し弱まり、ハーブ感と苦味が強まります。甘味は早い段階で消えていき、すぐに苦味が目立つように。鼻から抜けていく風味にはアルコール刺激が強めです。氷の溶けが進むと苦味は落ち着き、華やかさが出てきます。
ハイボール オススメ度:
甘苦のバランスがとれた、そしてバーボンのバニラ感・木樽感も味わえ、クリーミーでありながらわずかに爽やかなフルーティーさも味わえる完成度の高いバーボンハイボールです。
ホットウイスキー オススメ度:
お湯を注いだ直後はバニラや穀物、チョコレートの香りを強く感じますが、口に含んでみるとやたらと後味に苦味が残ります。時間が経つと甘い風味が抜けてバランスが崩れていくため、ゆっくりと飲むことはオススメできません。
ワイルドターキー 101とワイルドターキー スタンダード、ワイルドターキー 8年との比較
同じワイルドターキーのラインナップから「ワイルドターキー 8年」と「ワイルドターキー スタンダード」との比較です。(ワイルドターキー 101とワイルドターキー 8年は1000mlボトル)
ワイルドターキー 101とワイルドターキー 8年、ワイルドターキー スタンダードとの特性比較
ワイルドターキー 101とワイルドターキー 8年、ワイルドターキー スタンダードとの特徴比較
これら2銘柄に絞った比較表を用意しました。
ワイルドターキー 101 (1000ml) | ワイルドターキー 8年 (1000ml) | ワイルドターキー スタンダード (1000ml) | |
---|---|---|---|
特性 | 力強く荒い味わい | 香り・味わいともに複雑で濃く、力強い | バーボンの骨格はあるが薄い |
特徴 | ○甘味よりも苦味が目立ちやすい ○バニラやチョコレート、柑橘の皮、ハーブ ○フルボディ寄りのミディアムボディ | ○甘味が強く、苦味は程よい ○バニラやチョコレート、オレンジ、ハーブやスパイス感 ○フルボディ | ○甘味は弱く、苦味が目立つ ○ミディアム寄りのライトボディ |
アルコール度数 | 50.5% | 50.5% | 40% |
価格※ | 3,278円(楽天市場) | 3,677円(Amazon) | 2,771円(Amazon) |
ワイルドターキー 101は本場アメリカの主力ボトルでワイルドターキー 8年は日本での主力ボトルです。同じアルコール度数50.5%で、価格に関しては2024年9月時点の1000mlボトルでワイルドターキー 101が3,278円+送料(楽天市場)、ワイルドターキー 8年が3,677円(送料込み・Amazon)でした。送料も考慮するとワイルドターキー 8年の方が安く入手できます。
個人的にはワイルドターキー 8年の味わいを一回り弱めるとワイルドターキー 101になるように感じました。ワイルドターキー 8年の下位互換といいましょうか。ハイボールにして楽しむのであれば、リーズナブルなワイルドターキー 101でも十分に満足度の高いバーボンハイボールがつくれます。もしお近くの酒屋さんなどでワイルドターキー 101を8年より安く購入できるならその選択肢もありです。ネットで買う場合は、送料も考えると複雑で濃い味わいのワイルドターキー 8年の購入をオススメします。
ワイルドターキー スタンダードに関しては、バーボンの骨格はありますが薄い味わいでアルコール刺激も強いため、価格差を考えてもワイルドターキー 101かワイルドターキー 8年を選ぶことをオススメします。
感想・まとめ:ワイルドターキーのコスパボトル、8年の下位互換
本場アメリカでのワイルドターキー主力ボトル「ワイルドターキー 101」を紹介しました。50.5%のアルコール度数は強烈に舌を刺激しますが、バニラやチョコレート、ハーブの風味を強く感じられるボトルでした。送料のかからない店頭などで入手できるならコスパのいいボトルでしょう。オススメの飲み方はハイボールで、満足感の高いバーボンハイボールが楽しめます。
- バーボンに慣れてきて、濃厚で個性的なバーボンに挑戦したい方
- 本場アメリカで流通しているワイルドターキーの主力ボトルの味わいが気になる方
- 普段ワイルドターキー 8年を飲まれている方には物足りないかもしれません
- 接着剤臭が苦手な方